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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】「案ずるより産むがやすし」という言葉がある。あれこれ考えているよりも、まずやってみようということだ。行動によって新たに切り開かれていくものも多い。やってみないことには何も始まらないというのは確かに真理である。【2】「めくら蛇(へび)におじず」ということわざもある。蛇(へび)という知識がないために、怖がら(こわ  )ずに歩いていく。その結果、結局蛇(へび)は行動の妨げ(さまた )にならなかったということである。
 【3】このように考えると、知識は経験の障害になると言える。むしろ、知識がない方が話は進みやすい。明治維新(めいじいしん)を担ったのは、地方の下級武士の若者たちだった。中央の権力の伝統という知識から自由であったために、大胆(だいたん)に日本の未来図を描け(えが )たのだ。【4】知識が乏しかっ(とぼ   )たことが日本の未来を切り開いたのだと言ってもいい。
 しかし、その明治維新(めいじいしん)を発展させたのは、欧米(おうべい)に視察に行った若者たちの新しい知識でもあった。知識のなさは、混迷する事態を打ち破るエネルギーではあったが、新しい見取り図を作るには、そのための知識が必要だった。【5】そう考えると、知識にもまた重要な役割があることがわかる。
 だから、問題は、経験か知識かということではない。経験も、知識も、物事を実現するためのひとつの方法である。【6】目的に到達(とうたつ)するための手段として経験と知識があるのだとしたら、大事なことはその手段ではなく目的の方である。「案ずるより産むがやすし」ということわざで問われているのは、どう産むかということではなく、何を産むかということなのである。


 【7】鬼(おに)退治に行った桃太郎(ももたろう)に従ったのは、犬と猿(さる)と雉(きじ)だった。それぞれが象徴(しょうちょう)しているものは、犬は忠節、猿(さる)は知恵(ちえ)、雉(きじ)は勇気だという説がある。だが、肝心(かんじん)なのは従者ではなく桃太郎(ももたろう)自身である。【8】その桃太郎(ももたろう)が象徴(しょうちょう)しているものこそ、鬼(おに)退治という行動の目的である。確かに、目的だけでは物事は成就しない。それなりの手段や方法が必要である。しかし、目的が明確でありさえすれば、それに応じた手段は必ず現れるのである。
 【9】これを自分たちの人生に当てはめてみると次のようなことが言える。何かを勉強する場合、大事なのは、どういう勉強をするかという方法に対する知識である。そして、実際に勉強をするという行動である。どちらも同じように大切だ。【0】しかし、もっと大切なのは何のために勉強するのかという目的だ。その目的をまず確かなものにすることが最初にすべきことなのである。

(言葉の森長文作成委員会 Σ)