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音読の丘
 音読で、読む力、書く力が育つ。
 オンドリくんの 音読の丘
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※音読の丘は、家庭での音読の練習用として使ってください。
1.音読する文章が2つある場合は、最初の方の文章を音読してください。
2.はじめに、音声入力を始めるのボタンを押してください。
3.音読が終わったら音声入力を止めるのボタンを押してください。
4.音声入力を止めたあと、結果を送信するのボタンを押してください。



 【1】交話機能というのは、簡単に言えば、ことばがもつ、人と人の気持ちを結びつける作用を指すものである。
 考えてみると、私たちがことばを用いるとき、別に何かを伝えたり、特にあることについて語るというわけでもなく、ただことばを発することそれ自体に、主たる狙い(ねら )のある場合がある。
 【2】例えば、町中で真夜中あたりに人かげのまったくない時、あるいは人里はるか離れ(はな )た山道などで、見知らぬ人に出会ったとき、私たちは何となく不安な気持ちになり、緊張(きんちょう)することがある。【3】そんなとき、思いがけなく相手が一言「今晩は」とか「いい天気ですね」などと声を掛け(か )てくれると、急に気が楽になって思わず弾ん(はず )だ声であいさつを返して行き過ぎる、といった経験をもつ人は多いと思う。このようなとき、もし何も言わずに擦れ違っ(す ちが )たりすると、何となく後ろが気になるものである。
 【4】このように人は他人に出会うと、必ず心の中に警戒(けいかい)、不安、恐れ(おそ )などの気持ちが、多少なりとも生まれるもので、都会の人混みに慣れきっている現代人は、このことをあまり意識する機会がないが、いま述べたような状況(じょうきょう)の下ではその気持ちが表面化してくるのだ。
 【5】人が出会いの際に経験するこの生物的な緊張(きんちょう)をほぐし和らげ、次の交流段階に支障なくつないでゆくきっかけ糸口を与える(あた  )ことが、俗(ぞく)にあいさつと呼ばれる言語行動の主たる役目なのである。
 【6】具体的な情報伝達を目的としない、したがって内容があまり重要でないタイプの言語活動は、あいさつのほかにも、たとえば雑談やおしゃべり、さらには井戸端(いどばた)会議などと称せ(しょう )られる、一般(いっぱん)には無意味で無駄(むだ)な時間つぶしと考えられているものに見られる。【7】このような場合、ことばを交わし合うことそれ自体が、互い(たが )の心を通わせ、一体感を高める働きをするのである。
 【8】多くの人が仕事の話や用件に入る前に、お天気の話や当たり障りのない短い会話を交わすのも、これがお互い( たが )の警戒(けいかい)心や敵意を弱め反対に安心感を高める効用があるからである。
 【9】交話機能とはこのように、人々が本格的な対話関係に入るためのいわば地均(じなら)し、心の波長(ダイヤル)合わせを行うものであり、対話者どうしの一体感や帰属意識を高める潤滑油(じゅんかつゆ)としての働きなのである。【0】

 (「教養としての言語学」(鈴木()孝夫)による。岐阜()県)