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級:★   山:mi   年:★   月:08   週:1  苗:mi
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題名:
本文:



題名:作曲に集中しているとき(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】作曲に集中しているとき、不意に、音楽というものが、自分の知力や感覚では、捉え(とら )ようもない(神秘的な)ものに思われることがある。自分なりに、音楽が解ったような気がしていただけに、そんな時、私は、戸惑い(とまど )や焦り(あせ )の後の無力感に挫け(くじ )そうになってしまう。【2】だがその無力感は、深刻な絶望とは異質な、むしろ居心地良さと温(ぬく)もりさえ感じられる「たぶんそれはなにか途方(とほう)もなく大きな」諦め(あきら )のようなものだ。こんな感情は、言葉ではとても伝え難い。私は待つしかない。【3】期待ということではなく、己を空白にして音が私に語りかけてくるまで待つ。音を弄(いじ)って私の考えで縛る(しば )ことから離れ(はな )て、耳と心を全開にする。
 【4】作曲という仕事は、どうしても音を弄(いじ)り過ぎて、その音が本来どこから来たかというような痕跡(こんせき)までも消し去ってしまう。方法論だけに厳格になると、ともすると音楽は紙の上だけの構築物になり空気の通わないものになる。【5】例えば、ひとつの和音は、物理的波長の複雑な集束として、音響(おんきょう)学的には、殆ど(ほとん )不変のものとして存在し、また規定し得るだろう。【6】だが音楽という有機的な流れの中では、その(ひとつの和音の)響き(ひび )は千変万化するもので、その表情の豊かさは、まるで、生きたもののようである。【7】一般(いっぱん)に言われる、長和音は明るく、短和音は暗いというようなことがかならずしも正確でないのは、注意深く音楽(作品)を聴け(き )ば、容易に、理解されることである。
 【8】ではなぜ、音は、恰も(あたか )生きたもののようにその表情を変えるのだろう? 答えは、至極単純に違い(ちが )ない。即ち(すなわ )、音は、間違い(まちが )なく、生きものなのだ。そしてそれは、個体を有さない自然のようなものだ。【9】風や水が、豊かで複雑な変化の様態を示すように、音は私たちの感性の受容度に応じて、豊かにも貧しくもなる。私は音をつかって作曲をするのではない。私は音と協同(コーオペレイト)するのだ。【0】だが、私が、時に「作曲家として」無力感に捉え(とら )られるのは、私がまだ協同者「音」の言葉をうまく話せないからだ。
 先日、ある紙上に、高見順賞を授賞された吉田(よしだ)加南子さんの受賞∵の挨拶(あいさつ)が再録されていた。その中に、現在(いま)の私にはとても身近に感じられる言葉があった。手前勝手に引用させていただく。
 吉田(よしだ)さんは、詩人として歩んだこれまでを簡略に振り返っ(ふ かえ )たあとに、
 「私の意思だけではなく何か大きな力に働きかけられている。私はそれを受け止めなくてはならない。また、子供が遊ぶように詩を書くことが、仕事になって、生き生かされている。そうしたことを通してゆるしのようなものが与え(あた )られているのかもしれない」
 そう現在の心境を述べられ、さらに、
「私は本当は空とか海、木とか葉っぱにとってもお礼を言いたいんです。けれども、残念ながらまだ私は、空の言葉、海の言葉を話すことができません。ですから、そのためにこそ詩を書いてゆかなければならない」と、挨拶(あいさつ)を結ばれている。
 この言葉に深い共感を抱い(いだ )た者として、なぜ、いまここにそれを引用したかを説明するのは、どうにも余分なことに思える。(中略)
 自然から学ぶことは余りにも多い。自然の(この地球の)記憶(きおく)の層の、深い、遥か(はる )な連なりを見出すのは、私のような者には、とても容易なことではないが、せめて季節毎の変化の相、その推移を感じとれる感受性を身につけたい。それは、私に、音が語りかけてくる毀れ(こわ )やすい言葉の表情のいろいろを聴き(き )逃がす(に  )ことがないように働きかけてくれるだろう。作曲は音と人間との協同作業(コラボレーション)だと思うから、作曲家は音に傲慢(ごうまん)であってはならないだろう。

(武満徹(とおる)の文章による)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ミズキ の苗 中1年 7~9月
目標:意見文の基本的な構成を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 要約(感想文)要約 <<構成>>要約を二〇〇字ぐらいでまとめる
構成 ○ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 是非の主題よい 良い べき 大切 <<主題>>私はAがよいと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の理由一理由 <<構成>>…の理由は第一に
題材 【】★ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ◎ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の理由二理由 <<構成>>…の理由は第二に
題材 ◎ データ実例・長文実例データ 長文 <<題材>>数字の実例・長文集の実例
表現 【】★ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 名言の引用名言 言葉 ことば <<表現>>主題に合わせて名言を引用する
主題 【】★ 是非の主題よい 良い べき 大切 <<主題>>私はAがよいと思う
構成 ○ これからの結びこれから <<構成>>自分の問題としてこれからのことを書く

字数 ★ 800字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 90分以内書き始めから書き終わりまで90分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 すべての種類の生物は、それらのまわりの自然を利用することによって生きています。すべての生物は、自分のために自然界で見つかったものを利用する目的で活動を行います。植物は、水と日光を取り入れます。動物は、植物、あるいは他の動物を食べます。もちろん、自然の出来合いのものを利用することは本当の仕事ではありません。本当の仕事は、自分たちの役に立つように改善するためにそれらのものを自然の状態から変化させる活動です。鳥、ハチ及び(および)クモはすべて、巣を作る際に、働いています。したがって、人間も動物もどちらも働きます。動物も人間も自分たちの必要性に、より適するように自然を変えます。
 しかしながら、人間の仕事には、他の動物の仕事とは重要な違い(ちがい)があります。巣を作る際の鳥の仕事は、ほとんどの人間より連続的な安定した努力を示しています。巣を作る際のクモの仕事は、ほとんどの人間の織機職人の仕事をこえています。ハチの仕事は、ほとんどの人間の建築家の建築工事よりすばらしいものです。しかし、建築家とハチの仕事の最も大きな違い(ちがい)は、たとえば、建築家がそれを建築する前に心の中に建物を思い描く(おもいえがく)ことができるが、ハチはできないということです。すべての人間のプロセスの終わりに、私たちは、それが始められる前に仕事をする人の心に既に(すでに)あった結果を得ます。人間の労働者は材料の形を変えるだけではなく、仕事のための目的を持っていますが、動物は目的がわかりません。
 人間の仕事は意識的なものです。一方、他の動物の仕事は本能的です。本能的な活動は学習されたものというより先天的なものです。本能的な活動は固定パターンの一部です。たとえば、巣作りの半分を終えたクモがその半分を取り去られたとしても、残りの半分を作り続けるだろうことがわかっています。 ( n )
 著者は、音楽は生き物だと述べています。詩や彫刻(ちょうこく)などの芸術も、詩人や芸術家が作るものではなく、逆に生き物である詩や彫刻(ちょうこく)が、詩人や彫刻(ちょうこく)家との協同作業で姿を現わすと言えるのかもしれません。「自然から学ぶことはあまりに多い」という部分を主題にして、人為(じんい)的なものと自然なものの対比をしていくといいでしょう。
 人為(じんい)と自然の対比を具体的に言うと、造花の花と自然の花、エアコンの風と自然の風、テレビで見る自然と本物の自然など、いろいろ考えられます。
 ただし、このように主題を自分なりに作り直すと、長文からずれてしまうおそれも出てきます。結びの部分では長文に戻り(もどり)ながらまとめてみましょう。 名言は「カメラマンはレンズのほこりを払う(はらう)前に目のほこりを払わ(はらわ)ねばならない」など。ことわざでは、「やはり野におけ蓮花草」なども使えるかな。
 長文実例は、7.3週の「現代社会では、おむつのあて方や授乳の仕方などまでが、経験ではなく育児書をひもといて……」というような例が使えそう。 ( n )
 第一段落は要約を書きます。「作曲に集中しているとき、不意に、音楽というものが、自分の知力や感覚では、捉え(とらえ)ようもない(神秘的な)ものに思われることがある。」「音楽という有機的な流れの中では、その(ひとつの和音の)響き(ひびき)は千変万化するもので、その表情の豊かさは、まるで、生きたもののようである。」「作曲は音と人間との協同作業(コラボレーション)だと思うから、作曲家は音に傲慢(ごうまん)であってはならないだろう。」続いて意見をあげます。「私たちは自然から多くを学ぶべきだ。」
 第二段落は、理由のその一を書きます。「自然のもののよさがたくさんあるからだ。」そして、自分自身の体験談を書いていきましょう。人為(じんい)的なもの(科学文明)と自然のものの対比を考えてみましょう。映像で見る自然と実際の大自然、エアコンの風と自然の風。管理栽培(さいばい)された野菜と旬(しゅん)の露地(ろじ)野菜。いろいろあります。やはり、自然の大きな力にはかないません。
 第三段落は、理由のそのニを書きます。「自分自身を謙虚(けんきょ)に見つめなおせるからだ。」科学文明が発達して何でも便利に手軽に出来るようになると、ついつい人間は万能だといった傲慢(ごうまん)な気持ちになります。キャンプなどに行って、自然任せの生活をすると、すがすがしい気分になれるのは、自然のやり方に従っている安心感なのかもしれません。
 第四段落は、反対意見に理解を示しながら、自分の意見を主張します。「確かに、自分自身の技術を向上させる努力も必要だ。しかし「カメラマンはレンズのほこりを払う(はらう)前に目のほこりを払わ(はらわ)ねばならない」という名言もあるように、私たちは何かをつくろうとする時に、謙虚(けんきょ)さを持ち、まず自然の中から学ぼうとする気持ちを忘れてはならない。 ( k )
理由と実例のヒント
(1)自然のものには味があるからだ。
たとえば、涼しく(すずしく)するためだけならクーラーは便利ですが、自然の風にはクーラーの涼し(すずし)さにはない趣(おもむき)があります。アスファルトの道と土の道を比べてみても同じことが言えるでしょう。人工のだしを使った料理と自然のだしを使った料理を比べてみることもできそうです。
(2)人工のものには、自然のもののような深みがないからだ。
たとえば、造花と自然の花の色合いを比べてみると、自然の花の方に深みがあることがよくわかります。造花は、最初のうちはきれいに見えても次第に飽き(あき)てしまうものです。自然の花は、見るたびに新鮮(しんせん)で、私たちの気持ちを和ませてくれます。人工素材の家具と自然の木を使った家具とを比べてみても同じことが言えますね。
 ( j )
 第一段落 是非(ぜひ)の主題の例「私たちはもっと自然に親しむべきだ。」
 第二段落 理由の一と体験実例 「自然に触れる(ふれる)と元気になるからだ。」夏休みは、山や川や海などに出かけて、自然の中でゆったりと時間を過ごす機会も多いと思います。自然の中でしかできない遊びをして楽しんだり、リフレッシュしたりした体験を書きましょう。
 第三段落 理由の二と実例 「自然のものには良さがあるからだ。」どこかに出かけることだけが、自然に親しむことではありません。身近にも草花、昆虫(こんちゅう)などの小さな生き物がいますし、空はいつもそこにあります。自然を意識することで、人間も自然の一部なのだと実感できるかもしれませんね。
 第四段落 反対意見への理解を示します。たとえば、「現代人の生活は多忙(たぼう)で、自然に親しむゆとりを見つけるのは難しい。」名言の木などから名言を引用し、是非(ぜひ)の主題を確認してまとめましょう。名言は、たとえば「時間を作る第一の方法は、急ぐことではなく、どこに時間を使うか考えることである。」が使えそうです。 ( s )