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級:★   山:ti   年:★   月:07   週:3  苗:ti
氏名:
題名:
本文:



題名:母屋(おもや)はもうひっそり(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】母屋はもうひっそり寝(ね)しずまっていた。牛小屋もしずかだった。しずかだといって、牛は眠っ(ねむ )ているかめざめているかわかったもんじゃない。牛は起きていても寝(ね)ていてもしずかなものだから。【2】もっとも牛が眼(め)をさましていたって、火をつけるにはいっこうさしつかえないわけだけれども。
 巳之助(みのすけ)はマッチのかわりに、マッチがまだなかったじぶん使われていた火打ちの道具を持ってきた。【3】家を出るとき、かまどのあたりでマッチを探し(さが )たが、どうしたわけかなかなか見つからないので、手にあたったのをさいわい、火打ちの道具を持ってきたのだった。
 巳之助(みのすけ)は火打ちで火を切りはじめた。【4】火花は飛ん(と )だが、火口(ほくち)がしめっているのか、ちっとも燃え(も )あがらないのであった。巳之助(みのすけ)は、火打ちというものは、あまり便利(べんり)なものではないと思った。火が出ないくせにカチカチと大きな音ばかりして、これでは寝(ね)ている人が眼(め)をさましてしまうのである。
 【5】「ちぇッ」と巳之助(みのすけ)は舌打ち(したう )していった。「マッチを持ってくりゃよかった。こげな火打ちみてえな古くせえもなア、いざというとき間にあわねえだなア。」
 そういってしまって巳之助(みのすけ)は、ふと自分の言葉をききとがめた。
【6】「古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ、……古くせえもなア間にあわねえ……」
 ちょうど月が出て空が明るくなるように、巳之助(みのすけ)の頭がこの言葉をきっかけにして明るく晴れてきた。
 【7】巳之助(みのすけ)は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。――ランプはもはや古い道具になったのである。電灯(でんとう)という新しいいっそう便利(べんり)な道具の世の中になったのである。【8】それだけ世の中がひらけたのである。文明開化が進んだのである。巳之助(みのすけ)もまた日本のお国の人間なら、日本がこれだけ進んだことを喜ん(よろこ )でいいはずなのだ。【9】古い自分のしょうばいがうしなわれるからとて、世の中の進むのにじゃましようとしたり、なんのうらみも∵ない人をうらんで火をつけようとしたのは、男としてなんという見苦しいざまであったことか。【0】世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいは棄(す)てて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。
 巳之助(みのすけ)はすぐ家へとってかえした。

(新美南吉(なんきち)著(ちょ) 「おじいさんのランプ」より)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 チカラシバ の苗 小4年 7~9月
目標:表現をくふうし、長くくわしく書く
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ○ 題名の工夫題名の工夫 <<構成>>「○○な○○」「○○の○○」のように工夫
構成 【】★ 三文ぬきがき/感三文抜き書き 三文ぬきがき <<構成>>はじめ中おわりから文を三つ抜き書き
構成 【】★ 書き出しの工夫/作文書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
構成 ○ 中心を決めるいちばん 中心 一番 <<構成>>いちばん……なのは
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
題材 【】★ 自分だけがしたこと私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分だけがしたこと、初めてしたこと
題材 ○ その人らしい会話「 」 <<題材>>人柄や気持ちがあらわれている会話
表現 【】★ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ たぶんたぶん 多分 <<主題>>ほかの人の気持ちを推測する
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
題材 ◎ 前の話聞いた話前 聞 調べ <<題材>>前の話、聞いた話、調べた話
表現 【】★ ダジャレ表現ダジャレ だじゃれ 駄洒落 <<表現>>思ったことなどの中にダジャレを使う
表現 ◎ ですますです ます <<表現>>説明の「です」や描写の「ます」を入れる
表現 ○ いろいろな言ったいろいろな言った <<表現>>言ったのかわりに動作や表情で表わす
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 心の中で思ったこと心 <<主題>>口に出さないが心の中で思ったことを書く
構成 ◎ 動作情景の結び/作文動作の結び 情景の結び <<構成>>作文の結びを動作や情景で書く
表現 ○ 絵をかく そのときのようすを絵でかく

字数 ★ 500字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ○ 短い会話少なく会話はその人らしさが出ているものを
表記 ○ は、そして、会話、とき、のでたらからるとのてん主語のあと、接続語のあとなどに読点
表記 ★ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ★ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 敬体で書くでした・ました・です・ますで書く練習
表記 ○ 一文百字以内一つの文が百字をこえないように


課題のヒント

 最初(さいしょ)に、長文のはじめ・なか・おわりから一文ずつ、合計三文の抜き(ぬき)書きをしましょう。この三文抜き(ぬき)書きは行を続け(つづけ)て書いていっていいです。抜き(ぬき)書きのあと、段落(だんらく)を変え(かえ)て似(に)た話や想像(そうぞう)した話を書いてみましょう。
 似(に)た話は、(1)新しいものが出てきたために古いものの出番がなくなること、(2)自分の失敗(しっぱい)をほかの人のせいにしたくなること、などから考えてみるといいと思います。
 書き方の流れは、次のような感じで。→「(三文抜き(ぬき)書きのあと)この話を読んでいちばんおもしろかったのは電線をキツネやタヌキが伝わっ(つたわっ)てくると言ったところです。ぼくも、友達(ともだち)が新しいゲームの機械(きかい)を買って自慢(じまん)しているのを聞いて『でも、カラーの画面は電池がすぐなくなるんだぞ』と負け惜しみ(まけおしみ)を言ったことがあります。すると……。もしぼくがそのときの巳之助だったら、たぶん……。ぼくは、おとうさんに、『ランプって知ってる』と聞いてみました。すると、おとうさんは田舎(いなか)の家の話をしてくれました。それは……。ぼくは、この話を読んで……と思いました。」
 感想文は最初(さいしょ)はむずかしいので、字数は短くてもかまいません。長く上手に書くことよりも、「いちばん……なのは→もし……だったら→……と思いました」のような流れで最後(さいご)まで書き上げることを目標(もくひょう)にしていきましょう。 ( n )
 母屋(おもや)に火をつけようとした巳之助は、マッチがないので火うち石を使いましたが、大きな音がするだけでなかなか火がつきません。「古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ……」とつぶやいて、ふと自分の言った言葉に気がつきます。 小学4年生のみなさんは、「古くせえもの」などにはあまり縁(えん)がないと思うので、似(に)た話は見つけにくいかもしれません。お父さんやお母さんに、昔の道具で今はもうあまり使われなくなったものを聞いてみるといいでしょう。まさか火うち石を使って火をつけていたお父さんやお母さんはいないでしょうけど。
 4年生は、要約(ようやく)の練習をする前段階(だんかい)として、三文抜き(ぬき)書きの練習をしていきましょう。抜き(ぬき)書きするところはどこでもいいです。はじめ、なか、おわりから、一文ずつ書き出して、そのあと「私(わたし)がこの話を読んでいちばん……だったのは」と続け(つづけ)ていきましょう。
 余裕(よゆう)のある人は「動作情景(じょうけい)の結び(むすび)」にも挑戦(ちょうせん)しましょう。これは自然(しぜん)に入れるのがなかなかむずかしい項目(こうもく)です。初め(はじめ)はかたちだけできればいいと割り切っ(わりきっ)て書いていきましょう。
(三文抜き(ぬき)書きの例(れい)) 母屋はもうひっそり寝(ね)しずまっていた。巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。
 私(わたし)がこの話を読んでいちばん感心したのは、巳之助が自分で正しい生き方に気づいたことです。
 私(わたし)も、似(に)た話が……。
 もし、わたしが……。
 お母さんに聞いてみると……。
 私(わたし)は、この話を読んで、古いものを大事にするのもいいことだけど、時には勇気(ゆうき)を出して古いものをすてることも必要(ひつよう)なのだなと思いました。 私(わたし)は、ふと本棚(ほんだな)にある古い漫画(まんが)「スラムダンク」の全巻(ぜんかん)を見つめました。 ( n )
 第一段落(いちだんらく)で、三文抜き(ぬき)書きをしていきます。長文の最初(さいしょ)の方から一文、途中(とちゅう)から一文、最後(さいご)の方から一文というように、全部で三文くらい選ん(えらん)で、行を続け(つづけ)て書いていきましょう。【例(れい)】「巳之助は火打ちで火を切りはじめた。火花は飛ん(とん)だが、火口(ほくち)がしめっているのか、ちっとも燃え(もえ)あがらないのであった。巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。(三文抜き(ぬき)書き)」
 三文抜き(ぬき)書きに続け(つづけ)て、「私(わたし)がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例(れい)】「私(わたし)がこの話を読んでいちばんよかったと思ったのは、巳之助が自分のまちがいに気づいて、自分の考えを変え(かえ)たことです。」

 第二段落(だんらく)は似(に)た話です。今ではもう役に立たなくなってしまった古いものの話が書けるといいですね。少しむずかしいですが、古い考えにとらわれて失敗(しっぱい)したという話や自分の考えが絶対(ぜったい)に正しいとは限ら(かぎら)ないという話でもいいです。お父さんやお母さんにも似(に)た話を聞いてみましょう。

 第三段落(だんらく)も似(に)た話です。似(に)た話が見つからない場合は、「もしぼくが巳之助だったら……」などと想像(そうぞう)した話を書いてみましょう。

 第四段落(だんらく)は、この長文全体の感想です。【例(れい)】「私(わたし)はこの話を読んで、いつまでも古いものにとらわれていないで、ときには新しいものを進んで取り入れることも必要(ひつよう)なのだと心の中で思いました。」
 ( j )
 3文ぬきがきのヒントです。「巳之助は、火をつけようとした」「うまくいかなかった」「自分のことをはんせいした」この3つのことが書いてある文をさがしてみよう。
 
 にた話のヒント。「古いものが役に立たなくなった」という話がむずかしくてみつからないときは、こういう「にた話」でもいいよ。
 悪いことをしようとして、または、やってしまって、お母さんにおこられたことがあるでしょう。その時、ちゃんとはんせいして、自分がまちがっていた、とわかったかな。「もしもわたしが巳之助だったら、……」と考えて書いてもいいね。 ( h )
 第二段落(だんらく)の似(に)た話。お父さんやお母さんに、子どものころの生活をきいてみると、いろいろな違い(ちがい)がわかるかもしれません。たとえば、お風呂(ふろ)はまきでたくものだったというおうちもあります。
 
 また、長文に「火打ちの道具」や「火口」という言葉が出てきましたが、これらはどんなもので、どんな使い方をしたかを調べてみてもいいですね。火のおこし方については、縄文(じょうもん)時代の生活体験(たいけん)で、火をおこす実験(じっけん)もあります。火きりぼうや火きり板を使い、もみぎりという方法(ほうほう)で火をおこしたそうです。それに比べる(くらべる)と、火打ちの道具ははるかに文明的(てき)なものだったことがわかりますね。 ( s )