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級:★   山:ti   年:★   月:09   週:3  苗:ti
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題名:「くッくッくッ。」(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
【1】「くッくッくッ。」
とかしらは、笑い(わら )が腹の中(はら うち)からこみあげてくるのが、とまりませんでした。
「これで弟子たちに自慢(じまん)ができるて。きさまたちが、ばかづらさげて、村の中をあるいているあいだに、わしはもう牛の仔(こ)をいっぴき盗ん(ぬす )だ、といって。」
 【2】そしてまた、くッくッくッと笑い(わら )ました。あんまり笑っ(わら )たので、こんどは涙(なみだ)が出てきました。
「ああ、おかしい。あんまり笑っ(わら )たんで涙(なみだ)が出てきやがった。」
 ところが、その涙(なみだ)が、流れて流れてとまらないのでありました。
【3】「いや、はや、これはどうしたことだい、わしが涙(なみだ)を流すなんて、これじゃ、まるで泣い(な )てるのと同じじゃないか。」
 そうです。ほんとうに、盗人(ぬすびと)のかしらは泣い(な )ていたのであります。――かしらは嬉しかっ(うれ   )たのです。【4】じぶんは今まで、人から冷たい(つめ  )眼(め)でばかり見られてきました。じぶんが通ると、人々はそら変(へん)なやつが来たといわんばかりに、窓(まど)をしめたり、すだれをおろしたりしました。【5】じぶんが声をかけると、笑い(わら )ながら話しあっていた人たちも、きゅうに仕事のことを思いだしたように向こうをむいてしまうのでありました。【6】池の面(おもて)にうかんでいる鯉(こい)でさえも、じぶんが岸に立つと、がばッと体をひるがえしてしずんでいくのでありました。あるとき猿回し(さるまわ )の背中(せなか)に負われている猿(さる)に、柿(かき)の実をくれてやったら、一口もたべずに地べたにすててしまいました。【7】みんながじぶんを嫌っ(きら )ていたのです。みんながじぶんを信用(しんよう)してはくれなかったのです。ところが、この草鞋(わらじ)をはいた子どもは、盗人(ぬすびと)であるじぶんに牛の仔(こ)をあずけてくれました。じぶんをいい人間であると思ってくれたのでした。【8】またこの仔(こ)牛も、じぶんをちっともいやがらずおとなしくしております。じぶんが母牛ででもあるか∵のように、そばにすりよっています。子どもも仔(こ)牛も、じぶんを信用(しんよう)しているのです。こんなことは、盗人(ぬすびと)のじぶんには、はじめてのことであります。【9】人に信用(しんよう)されるというのは、なんといううれしいことでありましょう。……
 そこで、かしらはいま、美しい心になっているのでありました。子どものころにはそういう心になったことがありましたが、あれから長い間、わるい汚い(きたな )心でずっといたのです。【0】久しぶり(ひさ   )でかしらは美しい心になりました。これはちょうど、垢(あか)まみれの汚い(きたな )着物を、きゅうに晴れ着にきせかえられたように、奇妙(きみょう)なぐあいでありました。
 かしらの眼(め)から涙(なみだ)が流れてとまらないのはそういうわけなのでした。

(新美南吉(なんきち)著(ちょ) 「花のき村と盗人(ぬすびと)たち」より)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 チカラシバ の苗 小4年 7~9月
目標:表現をくふうし、長くくわしく書く
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ○ 題名の工夫題名の工夫 <<構成>>「○○な○○」「○○の○○」のように工夫
構成 【】★ 三文ぬきがき/感三文抜き書き 三文ぬきがき <<構成>>はじめ中おわりから文を三つ抜き書き
構成 【】★ 書き出しの工夫/作文書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
構成 ○ 中心を決めるいちばん 中心 一番 <<構成>>いちばん……なのは
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
題材 【】★ 自分だけがしたこと私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分だけがしたこと、初めてしたこと
題材 ○ その人らしい会話「 」 <<題材>>人柄や気持ちがあらわれている会話
表現 【】★ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ たぶんたぶん 多分 <<主題>>ほかの人の気持ちを推測する
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
題材 ◎ 前の話聞いた話前 聞 調べ <<題材>>前の話、聞いた話、調べた話
表現 【】★ ダジャレ表現ダジャレ だじゃれ 駄洒落 <<表現>>思ったことなどの中にダジャレを使う
表現 ◎ ですますです ます <<表現>>説明の「です」や描写の「ます」を入れる
表現 ○ いろいろな言ったいろいろな言った <<表現>>言ったのかわりに動作や表情で表わす
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 心の中で思ったこと心 <<主題>>口に出さないが心の中で思ったことを書く
構成 ◎ 動作情景の結び/作文動作の結び 情景の結び <<構成>>作文の結びを動作や情景で書く
表現 ○ 絵をかく そのときのようすを絵でかく

字数 ★ 500字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ○ 短い会話少なく会話はその人らしさが出ているものを
表記 ○ は、そして、会話、とき、のでたらからるとのてん主語のあと、接続語のあとなどに読点
表記 ★ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ★ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 敬体で書くでした・ました・です・ますで書く練習
表記 ○ 一文百字以内一つの文が百字をこえないように


課題のヒント

 内容(ないよう):子牛をあずかった盗人(ぬすびと)(ぬすびと)の頭(かしら)は、笑っ(わらっ)ているうちに涙(なみだ)が出てきました。これまで多くの人にきらわれていた自分が、子供(こども)や子牛に信頼(しんらい)されていることがうれしくてたまらなくなったのです。頭(かしら)の心は、いつのまにか美しい心になっていました。
 解説(かいせつ):みんなからきらわれていれば、心もだんだんひねくれてきます。みなさんも、おこられたときは、「いいよ、いいよ、どうせぼくは悪い子なんだから。ふん」という気持ちになったことがあるでしょう。逆(ぎゃく)に、ほめられたり期待されたりしたときは、その期待にこたえようとして「ようし、もっとがんばるぞ」と思ったことがあるでしょう。
 漫画(まんが)やゲームなどでも、はじめは悪の手先だった人が、正義(せいぎ)の味方に助けられ、そのやさしさにふれて正しい心を取り戻す(とりもどす)という展開(てんかい)がよくあります。人間というのは、もともとそういういい心を持っているのですね。 似(に)た話は、自分の体験(たいけん)ばかりでなく、読んだ本の話や、お母さんやお父さんに聞いた話などからさがしていきましょう。 ( n )
 第一段落(いちだんらく)で、三文抜き(ぬき)書きをしていきます。長文の最初(さいしょ)の方から一文、途中(とちゅう)から一文、最後(さいご)の方から一文というように、全部で三文くらい選ん(えらん)で、行を続け(つづけ)て書いていきましょう。【例(れい)】「ほんとうに、盗人(ぬすびと)(ぬすびと)のかしらは泣い(ない)ていたのであります。子どもも仔牛も、じぶんを信用(しんよう)しているのです。こんなことは、盗人(ぬすびと)のじぶんには、はじめてのことであります。かしらの眼(め)から涙(なみだ)が流れてとまらないのはそういうわけなのでした。(三文抜き(ぬき)書き)」

 三文抜き(ぬき)書きに続け(つづけ)て、「私(わたし)がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例(れい)】「私(わたし)がこの話を読んでいちばんよかったと思ったのは、子どもと仔牛から信用(しんよう)されて、かしらが美しい心になったことです。」

 第二段落(だんらく)は似(に)た話です。誰か(だれか)からほめられてやる気が出た話などを書いてみましょう。テストで百点を取ってお母さんにほめられると、次も百点を取ろうという気持ちになりますね。逆(ぎゃく)に、悪い点数を取ってお母さんにおこられると、やる気をなくしてしまいます。そんなときでも「この次がんばればいいじゃない。」などと励まし(はげまし)てもらえると、やる気が出ます。また、友達(ともだち)から、「絵がうまいね。」と言われたことがきっかけで絵が得意(とくい)になったなどという話も書けそうです。

 第三段落(だんらく)も似(に)た話です。似(に)た話が見つからない場合は、「もしぼくがかしらだったら……」などと想像(そうぞう)した話を書いてみましょう。

 第四段落(だんらく)は、この長文全体の感想です。【例(れい)】「私(わたし)はこの話を読んで、みんながお互い(おたがい)を信用(しんよう)できるような世の中になったらすばらしいなと心の中で思いました。」
 ( j )