ヘレンは一歳半のころ 読解マラソン集 小1 秋 1番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
ヘレンは一歳半のころ、重い病気で、目が見えなくなり、耳も聞こえなくなりました。声を出すことはできましたが、他の人の話が聞こえないため、正しく話すこともできませんでした。そのために、人に思っていることをうまく伝えられずに、毎日癇癪をおこしてはあばれ、まるで動物のように手づかみでものを食べるというような生活ぶりでした。家族の人たちは、いったいこの子は将来どうなってしまうのだろうと、胸がつぶれる思いでした。
ぽかぽかとおひさまがほほえむ四月のはじめ、運命の日がやってきました。サリバン先生は、庭の井戸から水をくみ、ヘレンの手をとって、そのつめたい水をかけました。 ヘレンはおどろいて手をひっこめました。その手をまたとって、サリバン先生は水をかけました。何度かそうするうちに、ヘレンは気持ちよさそうに、手をのばしたままにしました。そこで先生は、ヘレンの手のひらに指でこう書きました。 「w a t e r」 ウォーター、そう、水のことです。ヘレンは不思議そうな顔をしています。そこで、サリバン先生はもう一度、その手に水をかけました。そして、すぐにまた、「water」と書きました。ヘレンは、考えているようすです。さらに先生が、ヘレンの手に水をかけたところ、ヘレンがうなずいたのです。すかさず、先生は「water」と書きました。すると、へレンが、先生の手を探りあて、同じように何かをその手に書こうとしました。 「わかってくれたのね」サリバン先生は、胸の高鳴りをおさえつつ、ヘレンの手をとり自分の顔に持って行き、ほおをなぞらせたあと、くちびるにあてがいました。それから、ゆっくりとそしてはっきり、発音しました。 「ウ、ォーター」∵ もう一度、言いました。 「ウォーター」 すると、ヘレンもまねをするようにくちびるを少しうごかしました。息とも声ともつかないかすかな音がヘレンの口から出ました。 この日のことをサリバン先生は一生忘れなかったでしょう。目が見えず耳も聞こえず、口もきけなかったヘレンが、生まれてはじめて言葉にふれた瞬間です。ヘレンは、服をびしょぬれにしながら、何度も水にさわり、先生の手をとって、文字らしきものをその手に書き、くちびるを動かしました。サリバン先生も、よろこびの涙と水でぐしゃぐしゃになりながら、「ウォーター」「ウォーター」と繰り返すのでした。 言葉の森長文作成委員会(φ) ![]()
急いで食べると 読解マラソン集 小1 秋 2番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
急いで食べると、食べ物がのどにつまり、せきこんでしまうことがあります。私たちののどのおくは、二つの道にわかれています。ひとつは、鼻や口から入った空気の通る道、もうひとつは、食べ物の通る道です。空気の通る道は気管とよばれ、のどの前の方にあり、空気はそこから肺へ送られます。食べ物の通る道は、食道と呼ばれ、後ろのほうにあり、食べたものはそこから胃に送られます。
食べ物が、のどのかべにあたると、空気の通る道は反射的にふさがれて、食べ物の通る道だけがあきます。まるで、手旗信号で「赤上げて。」「白上げて。」とやるように、「食べ物だ。」「次は空気だぞ。」と、弁を開きます。だから、急いで食べると、「赤上げて、白上げて、赤上げないで、白下げない。」などという命令になって、弁がまちがえてしまうことがあるのです。 きちんとかんで、唾液が十分まざっている食べ物は、食道の動きによって胃に送られます。しかし、大きいままのものや、よくかんでいない食べ物は、二つの道のわかれるところにつまってしまうことがあります。歯の生えていない赤ちゃんやかむ力の弱いお年寄りが、流動食といって、水分が多く柔らかいものを食べるのはこのためです。 食べ物がのどにつまった時は、背中をたたいてもらったり、それでも取れない場合は指をつっこんで取ってもらったりします。空気の通る道をあけてやるためです。いずれにしてもすばやい対処が必要となります。最近では、とっさに掃除機を使って、おばあさんがのどにつまらせたおもちを吸い込んで取った例もあるそうです。 空気と食べ物の区別のように、体が自然に動作する似たような例として、イルカやクジラの鼻があります。イルカやクジラは水中に入ると、自然に鼻の穴が閉じるので、水が入りません。 言葉の森長文作成委員会(φ) ![]()
牛乳から生まれたチーズ 読解マラソン集 小1 秋 3番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
牛乳から生まれたチーズは、今では世界中で食べられており、その数は千種類にものぼるそうです。わが国でも、小さな子供からお年寄りまで、手軽なカルシウム源として用いられ、スーパーマーケットなどには必ず売られています。ワインととても相性がよいチーズは、日本でも研究が進み、日本製のチーズもフランスなどの本場のものにひけをとらなくなりました。風味がよく牛乳より保存がきき、持ち運びに便利で栄養豊富なこの食べ物は実は、偶然発見されたものなのです。
古いアラビアの民話にチーズ発見のつぎのような話が残っています。発見者は古代オリエントの商人です。砂漠を旅する商人は、羊の胃袋を干して作った水筒にヤギの乳を入れ、それをラクダにくくりつけて、暑い中を歩いていました。夕方、のどがかわき、乳を飲もうとしたところ、中から黄色い水と白いかたまりがでてきました。それを食べてみたら、とてもおいしかったそうです。これがチーズの始まりといわれています。古い牛乳が出てくると思っていたら、不思議な白いかたまりがころんと出たのですから、まさにひょうたんからコマ、商人はさぞかし驚いたことでしょう。 現代では、原料の乳を乳酸菌などを使って発酵させたあと、水分をぬいてかためて作ります。ここで使われる乳酸菌は生きているので、時間がたつと変化が起き、味わいが変わっていきます。白カビや青カビにおおわれたチーズなどもあり、そのおいしさにやみつきになる人も多いようです。 発酵を使った食べ物には、ほかに納豆があります。昔、武士が戦っているときに食糧がなくなり、近くの農民に煮た大豆を出させたことがありました。しかし、急いでいたので入れ物が間に合わず、農民は俵につめて武士のところに持っていきました。その俵につめた煮大豆が、二、三日たつと何と納豆になっていたのです。∵最初、大豆が腐ってしまったと思い、しぶしぶ口にした武士も、食べてみてそのおいしさに驚いたことでしょう。 言葉の森長文作成委員会(φ) ![]()
大きな赤いハサミを 読解マラソン集 小1 秋 4番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
大きな赤いハサミを持ったアメリカザリガニは、子供たちに人気があります。このアメリカザリガニは、名前のとおり元々はアメリカで暮らす生き物でした。昭和の初めごろ、食用ガエルだったウシガエルの餌にするために、わざわざ海の向こうのアメリカから買われてきたのです。
「ウシガエルに食べられるなんてまっぴらだ。」 きっとそんな考えをもったアメリカザリガニたちがいたのでしょう。カエルに食べられるぐらいならもう帰るとばかりに、近くの川や池に逃げ出し、そこで子供を生み、あっという間に日本中に広がりました。それだけ生きる力が強い生き物だったのです。それもそのはず、アメリカザリガニはなんでもムシャムシャと食べてしまうし、少しくらい汚れた水の中でもへっちゃらなのです。もし、アメリカザリガニがグルメできれい好きだったら、今ごろ日本には生息していなかったかもしれません。 さて、立派なハサミを持つアメリカザリガニは、他の生き物はもちろん、仲間同士でもよくケンカをします。そんな時に足やハサミが取れてしまうことがあります。さあ、大変です。でも、心配はいりません。何度か脱皮をしていくうちに足やハサミは元のように戻ってしまいます。まるでしっぽを切られたトカゲのようです。 エビやカニの仲間には、このように優れた再生能力を持つものがあります。もちろん人間にも、ちょっとした怪我なら元のように直してしまう力が備わっています。 アメリカザリガニは、仲間同士でもケンカをしてしまいますから、たくさんつかまえたときは、全部うちに持って帰らずに、川へ返してあげましょう。 言葉の森長文作成委員会(ω) ![]()
梅雨の季節になると 読解マラソン集 小1 秋 5番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
梅雨の季節になるとよく見かけるカタツムリ。まるでシャワーを楽しむように雨の中をのんびりと散歩しています。カタツムリは虫ではありません。海に住む貝の仲間なのです。昔々、カタツムリは水の中に住んでいました。ですから、陸に上がって生活するようになった今でも、雨の降る日が大好きなのです。からっとさわやかに晴れた日や暑い日は大の苦手です。しかし、殻があるから、からからに乾いてしまうことはありません。暑い日は、木の葉や草の陰に隠れてじっとしています。梅雨の季節にあれだけよく見かけることができたカタツムリが、夏になるとすっかり消えてしまうのはそのためです。カエルやヘビが冬眠するように、カタツムリは夏のあいだ、ひたすら眠り続けます。そして秋になり雨が多くなってくると、眠りから覚め、活動を開始するのです。
動物や昆虫にはオスとメスの区別があります。けれども、カタツムリにはオスもメスもありません。一匹のカタツムリがオスの役目とメスの役目をするのです。だから、どのカタツムリも大人になると卵を生みます。一回の産卵でニ十個から六十個の卵を生みますが、一つの卵を生むのには十分から二十分もかかります。卵からかえったカタツムリの赤ちゃんは、生まれたときから殻があります。 言葉の森長文作成委員会(ω) ![]()
画用紙と色鉛筆 読解マラソン集 小1 秋 6番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
画用紙と色鉛筆を手渡され山の絵をかくようにいわれたらほとんどの人が緑色の山の絵をかくでしょう。一面を緑色の木でおおわれているのですから、たしかに山は緑色です。しかし、秋になるとまるですてきな衣装をまとったかのように、山は赤や黄色に色づいてきます。これを紅葉と言います。紅葉が美しいことで有名な山は、たくさんの人でにぎわいます。紅葉狩りという言葉を耳にしたことがありませんか? 美しく色づいた木や山を楽しむということです。山に出かけなくても公園や街路樹の木も美しく色づきます。真っ赤なもみじや黄色のいちょうなど、みなさんも見たことがあるはずです。
では、どうして秋になると木の葉の色が変わるのでしょう? これは冬になって葉を落とすための用意をしているからなのです。 木には、冬に葉の落ちる落葉樹と冬に葉の落ちない常緑樹とがあります。冬に葉の落ちる木は、夏の日差しの強いときは光のエネルギーでたくさんの栄養を作ります。しかし、冬になって日差しが弱くなると、栄養を作るよりも、乾燥や寒さから身を守るために葉を落とすのです。落葉樹は、「冬になったら、葉を落としたほうが楽よう。」と思っているのでしょう。 葉の緑色の部分は、光を栄養に変えるところです。落葉樹は、葉を落とす前に、だんだんと緑色の部分を少なくしていきます。そのため、黄色や赤といった緑色以外の成分が顔を出してくるのです。 木の葉が美しく変身するには、昼間の気温と夜の気温の差が大きいほうがよいそうです。また、空気が澄んでいて葉に十分な日光が当たることも大切な条件になります。 言葉の森長文作成委員会(ω) ![]()
インドという暑い国に 読解マラソン集 小1 秋 7番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
インドという暑い国にカルカッタという大きな町があります。この国は貧富の差がとても大きい国です。つまり、お金持ちは気が遠くなるほどの財産を持ち、貧しい人々は、今日食べるものにも困ってしまうという具合です。そんな豊かな暮らしを送っているある家に、幼い男の子がいました。毎年、その子の誕生日がやってくると、家をあげての盛大なパーティーが繰り広げられます。そして、たくさんのプレゼントがこの子に贈られるのでした。
ある年の誕生日のことです。 「今年はどんなプレゼントがほしいの? 」 とたずねられたその子は、お父さんの目をじっと見つめてこう言いました。 「ぼくは何もいらないんだ。パーティーをするお金やプレゼントを買うお金を全部、マザー・テレサのところにあげてください。貧しい人たちを助けたいんだ。」 はっとした両親は、この子を連れてマザーテレサのもとをおとずれ、お金の入った封筒をさし出しました。両親はこの男の子からとても大切なことを教えてもらったのでした。 地球上の貧富の差は、なかなかなくなりません。しかし、もし、ある人が自分の幸せをほかの人に少し分けることができ、そして、その人もまた自分の幸せをほかの人に少し分けることができたらどうなるでしょう。分けられた豊かさは次々と広がっていき、やがて地球上から貧しさはなくなっていくでしょう。 言葉の森長文作成委員会(ω) ![]()
どこの水族館でも 読解マラソン集 小1 秋 8番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
どこの水族館でも人気のショーといえば、イルカのショーでしょう。水の中を気持ちよさそうに泳いでいるイルカは、実は魚の仲間ではありません。私たち人間と同じほ乳類と呼ばれる生き物なのです。私たちは水の中で呼吸をすることはできません。それと同じように、あれほど自由自在に泳ぎ回れるイルカも、水の中では呼吸ができません。イルカの頭の上には噴気孔と呼ばれる小さい穴が開いています。イルカは、私たちの鼻の穴のように、この穴をつかって呼吸をしているのです。
イルカは、昼間起きているときには、一分間におよそ六回、水から頭を出して呼吸をします。そして、眠りにつく夜は、昼間のほぼ半分の二回から三回呼吸をします。ですから、水面に近い浅いところをゆっくりと泳ぎながら寝ているのです。 けれども、餌をとるために深くもぐる必要があるときなどは、十五分くらいの間は息を止めていることもできます。 生物は昔、海から誕生しました。魚のひれが足になり、地上を歩き回る生物になりました。イルカの先祖も、大昔は、地上を歩いていたのでしょう。それがなぜか「やっぱり海にいるか。」と、再び海に戻り、自分の手足を泳ぐのに適したひれのような形に変えていきました。海に戻ったイルカが今どんな気持ちでいるか、聞いてみたい気がします。 言葉の森長文作成委員会(ω) ![]()
カタツムリとナメクジは 読解マラソン集 小1 秋 9番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
カタツムリとナメクジは、どちらも巻き貝のなかまで、大昔、海に住んでいました。海に住んでいたころは、ナメクジにも殻があったのですが、どういうわけか、ナメクジは殻を捨ててしまいました。もっと身軽になりたいと思ったのかもしれません。カタツムリは、海に住んでいたときのまま、今でも殻をつけています。殻のないナメクジは、水気のないところではからからになってしまいます。一方、カタツムリは、雨が降るまで、殻の入り口に膜をはって待つことができます。
カタツムリの殻は、ヤドカリのようにだれかにもらったものではなく、生まれながらに身につけているものです。この殻は、体からしみ出した石灰分で作られ、体にくっついているので、カタツムリの殻と体とを引きはなすことはできません。この殻があるおかげで、カタツムリは、いつでも敵から身をかくすことができますが、ナメクジは、カタツムリのように殻の中にかくれることができないので、夜にしか行動しません。 ナメクジに塩をかけると小さくなっていきます。これは、塩をかけられたことによって、ナメクジの体の中の水分が外に出ていくためです。塩だけではなく、砂糖やこしょうでも同じです。ナメクジは、とけていなくなってしまったように見えますが、じっさいには、水分がなくなったために小さくなるだけです。もちろん、そのままにしておくと死んでしまいますが、水をかけてやると、まるで魔法をかけられたように、また元気になります。 もともとは海の中の生き物だったカタツムリとナメクジ。陸に上がってからは、殻を捨ててしまったナメクジの方が苦労が多そうです。歌にも歌われて人気のあるカタツムリに比べると、ナメクジは少し分が悪いようです。ナメクジは、びんぼうくじをひいてしまったと思っているかもしれません。 言葉の森長文作成委員会(Λ) ![]()
地震、雷、火事、おやじ 読解マラソン集 小1 秋 10番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
「地震、雷、火事、おやじ」は、昔から怖いものの代表としてあげられてますが、最後の「おやじ」は、本来は「大山風」と言っていたもので、台風のときの強い風を意味していたそうです。自然には、人間の力では太刀打ちできない脅威が秘められています。ここでは、その中の雷に焦点を当ててみましょう。
雷は、まず、雲ができるところから始まります。地面や海面近くの湿った空気は、水分をたくさんふくみ、あたたまると上にのぼっていきます。その空気が上昇すると、温度が下がり、水分が積乱雲となります。積乱雲の上の方では更に温度が下がり、水分が氷になります。その氷が雲の中を落ちていくときに、上に向かう空気と激しくぶつかり合ってプラスとマイナスの静電気が発生します。プラスの静電気を帯びた比較的軽い氷の結晶は雲の上のほうに舞い上げられ、マイナスの静電気を帯びた重い氷の粒は雲の下のほうにたまります。 雲が大きくなればなるほど電気も強くなり、雲の下の方にたまったマイナスの電気は、地上のプラスの電気を目指して一目散に飛んでいきます。このとき、とても大きな電流が一度に流れるので、激しい光と大きな音を出します。こういう形の落雷は雷の九十パーセントを占めています。残りの十パーセントの落雷は、雲の上のほうにあるプラスの電気が、地上のマイナスの電気目指して飛んでいく形の雷です。雷にはこのほかに、雲から雲へ飛んでいくものもあります。 雷のエネルギーは、雲の大きさなどによってもちがいがありますが、およそ五万アンペアにもなります。これは、六〇ワットの電球を八万個以上灯せるエネルギーに相当します。わっとおどろくほどのエネルギーを一瞬のうちに放出しているのです。∵ 昔の人は、雷を、雲の中にいる魔物があばれているのだと思っていたそうです。雷が鳴り始めたら、外には出ずに家の中で魔物の機嫌がおさまるのを静かに待ちましょう。 言葉の森長文作成委員会(Λ) ![]()
暑かった夏も 読解マラソン集 小1 秋 11番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
暑かった夏も終わりに近づき、涼しい風が吹き始めるころ、夜になると虫たちの声が聞こえてきます。そんな虫たちの鳴き声は、秋の到来を知らせてくれます。
生まれつき日本語を使っている人は、自然の音を左脳で聞きます。左脳は言葉を理解する脳ですから、虫の音も声のように聴こえます。これに対して、英語など欧米の言葉を使っている人は、自然の音を右脳で聞きます。右脳は音楽を感じる脳ですから、虫の音は雑音にしか聴こえないそうです。 コオロギ、キリギリス、スズムシ、マツムシ、ウマオイ、カンタン、クツワムシなど、秋に鳴く虫にはいろいろな種類がいますが、大きく分けるとコオロギ類とキリギリス類に分けられます。上から見て、右羽を上にして鳴くのがコオロギ類、左羽を上にして鳴くのがキリギリス類です。「右」という漢字の左半分を消すとコオロギの「コ」という字に、「左」という字の左半分を消して、たての棒を少し伸ばすとキリギリスの「キ」という字になります。これが覚え方です。 コオロギ類には、コオロギ科やカネタタキ科の虫がいます。キリギリス類には、クサキリ、クツワムシ、ウマオイなど、たくさんの虫がいます。どちらの種類も、鳴き羽を持っているのはオスだけです。なぜなら、虫が鳴くのはメスを呼ぶためだからです。また、自分の縄張りを他のオスに知らせるために鳴くこともあります。 コオロギは、「コロコロ」と鳴いたり、「リーンリーン」と鳴いたりします。スズムシは、その名のとおり鈴のように、「リンリン」と鳴きます。「ガチャガチャ」とうるさく鳴くのはクツワムシ。まるでスイッチがオンになったように「スイッチョン」と鳴き始めるのはウマオイ。「リーリーリーリー」と簡単な鳴き方をするのはカンタンです。いろいろな音色を楽しむことができる秋の夜の草原は、まさに地球のコンサート会場です。 言葉の森長文作成委員会(Λ) ![]()
生きているものには 読解マラソン集 小1 秋 12番
読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
生きているものには、すべて寿命があります。しかし、生物の体を作っている細胞のレベルで考えると、実は寿命がないのです。
例えば、アメーバは、自分の体を分裂させながら増えていきます。栄養がいいと、自分の体の一部を分裂させて、自分を増やしていきます。 このアメーバのような増え方をしている生物は、たまたま一つの個体が死んでも自分の分身は生きていますから、死んだことにはなりません。 実は人間にも、同じようなことが言えます。人間はアメーバのように分裂して増えるわけではありませんが、自分の細胞の一部を子供に伝えて生きています。だから、子供は、お父さんやお母さんに似ているのです。 このように細胞は無限に生き続けていきますが、人間の個体には寿命があります。どうして、このような寿命があるのかはわかりませんが、この理由は次のように考えることができるかもしれません。 例えば、もし何百年間も壊れない自動車があったらどうでしょう。古くなって、いろいろ改良したいところが出てきても、いつまでもその古い車に乗り続けなければなりません。物は壊れるから、また新しいものを作ることができるのです。 プラスチックは、人間が人工的に作ったものです。そのプラスチックの特徴は、腐りにくいことでしたが、その腐りにくさのためにいつまでも自然の中に残り環境を汚染するようになりました。壊れないものばかりで世の中ができていると、新しいものが登場できなくなるのです。 生物も似ています。寿命があるから、新しい生物が生まれ、その新しい生物が古い生物のできなかったことをできるようにしていくのです。∵ アメーバと同じような生き物にゾウリムシがいます。このゾウリムシは、栄養状態のよいときに自分を分裂させて増えていきます。しかし、七百回ぐらい分裂を繰り返すと、それ以上の分裂はできなくなり、突然すべてのゾウリムシが死んでしまいます。そうならないように、ゾウリムシはときどき別のゾウリムシと結婚して、今までの自分とは違う新しい子孫を作ります。と言ってももちろん、ゾウリムシがゲタムシやサンダルムシになるのではありません。ゾウリムシのまま新しい性質を手に入れるのです。 寿命があるということは、新しいものを生み出す条件だと言えるのかもしれません。 言葉の森長文作成委員会(Σ) ![]()
|