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 読解マラソン集(ルビなし)小2夏
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 世界一小さい犬 読解マラソン集 小2 夏 1番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 なんでもコンパクトがもてはやされるこのごろですが、犬の世界も例外ではありません。品種改良の結果、たくさんの犬が小型化され、今や世界中で飼われています。つまり、コンパクトな犬はそのほとんどが人工的に作り出されたものなのです。
 しかし、天然の小型犬もいます。チワワです。餌代もかからず、場所もとらず、小さいのに勇敢なこの犬は、ペットとして大変人気があります。
 チワワの出身地はメキシコで、意外にも南国の生まれなのです。
 実はこの犬は、もともとテチチという名前で知られていました。チワワと呼ばれるようになったのは十九世紀の中ごろです。メキシコに旅行したアメリカ人が、メキシコのチワワ州でこの小さい犬を見つけ、何匹か持ち帰りました。そして、土地の名前からチワワと命名したのです。同じころ、メキシコのお妃様がヨーロッパ旅行のお供にこの犬を連れて行ったため、チワワは世界的に有名になりました。
 チワワは人間が大好きです。人間との接触が多いほど元気に育つと言われています。
 しかし、注意も必要です。この犬の大きさからすると、ベッドやソファは高所ですから、高いところから無造作に飛び降りて骨折してしまうことがあります。また、消化器官が小さい上にカロリーを早く消費するため、血糖値が下がりやすいのもチワワの特徴です。ですから、少量のえさをたびたび与えてやる必要があります。
 震えるのはこの犬の特徴です。寒いときだけでなく、興奮したときや心配なとき、不満があるとき、怖がっているときなどに震えます。
 小さいけれど大きな存在感を持つチワワ。もしメキシコへ旅行することがあったなら、「こんにチワ、ワたしの国へようこそ」と歓迎してくれるかもしれません。
∵
「チワワって、おでんに入れるとおいしいんだよね。」
「それは、チクワ。」

 言葉の森長文作成委員会(Μ)
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 地球を棒で測った人 読解マラソン集 小2 夏 2番
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 スカートやズボンを買うときは、まずウエストのサイズを確かめます。では、地球のウエスト、つまり円周はどうやって測るのでしょう。
 現代の科学者たちは、メジャーの代わりに人工衛星を使います。北極と南極を通る二つの衛星で、地球を外がわから測るのです。そのようにして算出された数値は、約四万八千キロメートル。大変なウエストサイズです。
 しかし、今からおよそ二千二百年前、すでに地球を測った人がいたのです。エラトステネスは、ギリシャの数学者で天文学者でもありました。彼の時代には人工衛星などないので、地球が丸いことさえ知らない人がたくさんいました。もちろん、地球を測ることのできるほど長い巻尺もありません。エラトステネスが使ったのは、一本の棒きれでした。
 エジプトのシエネという都市にいたときのことです。エラトステネスは、一年でいちばん昼間の長い夏至の正午に、太陽が真上に来ることに気づきました。太陽の光が影を作らずに井戸の底まで届いていたからです。しかし、そこから北に八百五十キロメートルほど行ったところにあるアレクサンドリアでは、同じ夏至の日の正午に影が見えたのです。そこで、エラトステネスはあることを思いつきます。
 彼はまず、アレクサンドリアにまっすぐな棒を立てました。正午にその棒が作る影を観察するためです。影の角度を測ったところ、垂直方向に対して七・二度でした。エラトステネスは地球が丸いことと円周の全体が三百六十度であることを知っていました。三百六十を七・二で割ると五十ですから、棒の角度七・二度は円周の五十分の一になります。ということは、シエネとアレクサンドリアの間の距離も、地球の円周の五十分の一と等しいはずです。そこで二つの町の距離を五十倍し、地球の円周は、約四万キロメートルから∵四万六千キロメートルだという結論に達したのです。それは、驚くほど正確な数値でした。

「エラトステネスさん、棒で測るなんて、いつ思いついたんですか。」
「ぼうっとしているときにね。」 

 言葉の森長文作成委員会(Μ)
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 食べられる花 読解マラソン集 小2 夏 3番
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 お腹がすいたら花屋さんに入る、という人はいません。「花より団子」のことわざに見られるとおり、花は見るものであり食べるものではない、というのが普通の考え方です。しかし世の中には、目や鼻だけでなく、舌まで楽しませてくれる花が数多くあるのです。
 例えば、バラは、美しいだけではなく食用にもなります。花びらの根元は苦味があるので取り除きます。また、花の中心部は食べません。バラの花びらをチーズやナッツ類と合わせてサラダにしたり、刻んだものをスパゲッティにふりかけたりするとおいしいのだそうです。バラを使って、アイスクリームや飲み物に風味を添えることもできます。
 また、野菜の花も食用になります。カボチャの花は、すでに十六世紀ごろから南北アメリカで食卓に上っていました。しかし、いくらおいしいからといっても、花を全部食べてしまうとカボチャの実ができなくなってしまいます。ですから、雌花は残して雄花だけを食べるのです。
 レモンやオレンジなど柑橘系の花は、飲み物に入れたりデザートに添えたりすると、風味が引き立ちます。春になると、菜の花が八百屋さんの店頭に並びます。フキノトウやイチジクも、食べるところは花の部分です。

「花さん。食べられたときの気持ちはどうですか。」
「はあ、なんというか。」
「やはり、見てもらった方がうれしいでしょう。」
「はあ、なんといっても。」
「花さんは、きれいですからね。」
「はあ、なにしろ。」
「もっと驚くようなことを言ってください。」
「ハッ!、なあんてね。」

 言葉の森長文作成委員会(Μ)
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 微生物の働き 読解マラソン集 小2 夏 4番
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 かつお節、みそ、納豆、漬物、パン、チーズ、乳酸菌飲料、ビール、ワイン。これらのおいしさの共通点は、独得の風味です。その共通の風味をもたらしている秘密は、どれもが発酵食品だということにあります。
 同じ発酵食品でも、発酵を行う微生物のちがいによって、いくつかのグループに分けることができます。一つ目は、かつお節のように、主にカビの作用によるものです。二つ目は、納豆、乳酸菌飲料、チーズのように、主に細菌の作用によるものです。三つ目は、ビール、ワイン、パンのように、主に酵母の作用によるものです。そして、みそ、しょうゆ、漬物のように、三つの作用が重なり合って生まれるものもあります。
 このように、目に見えない微生物は、生育するときに周りの材料を分解して、消化しやすく変化させたり、独得のおいしい風味を与えたりします。ところが、微生物には反対の働きもあって、材料を分解するときに食中毒をひきおこす有害物質を作ったり、悪臭を放つ不快な物質を作ったりすることもあります。これを、私たちは腐敗と表現しています。
 地球上のあらゆるところに生育する微生物は、忍者のように目には見えませんが、私たちの暮らしに深く関わってきました。私たちが健康で環境にやさしい生き方をするためにも、微生物との共存がこれからいっそう大切になってくるでしょう。
「カビさんが役に立っているなんて、初めて知りました。」
「そうカビ。」
「細菌さんも、がんばっているんですね。」
「最近だけどね。」
「酵母さんも、たまに失敗することがあるんですか。」
「コウボうも筆の誤りと言うぐらいだから。」

 言葉の森長文作成委員会(μ)
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 香水になるフルーツ 読解マラソン集 小2 夏 5番
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 人間は昔から、香りに興味を持ち、香りの原料つまり香料を探してきました。
 香料には動物性のものと植物性のものとがあります。動物性のものとしては、ジャコウ鹿からとれるムスクが代表的です。植物性の香料として一般的なものは、なんと言っても花々です。例えば、ブルガリアのダマスクローズは、古くから貴重な香料とされてきました。この花のエッセンスは高値で取引され、今でも世界中で愛されています。
 しかし、植物性の香料は花だけではありません。どちらかといえばなじみの薄い、しかし大変広く使われている香料、それがフルーツの一種であるベルガモットです。この果実のエッセンスは、女性用の香水の約三分の一に、また男性用のコロンの約半分に入っています。このフルーツからとれるエッセンスには、いろいろな香りをまとめて一つの香りにするという働きがあり、これがほかの香料にはない特性なのです。
 ベルガモットはミカン科の植物で、秋から冬にかけてオレンジほどの大きさの実をつけます。香水になるエッセンスは、この果実の皮からとれます。ベルガモットの主な産地は、イタリア半島のカラブリア地方で、ほかの土地ではほとんど育ちません。というのも、この植物は、暖かくしかも南向きの土地で、強い風の吹かない、湿度の低いところでないと育たないからです。
 この植物の起源そのものは深いなぞに包まれています。野生のベルガモットというものはなく、この植物を種から育てることもできません。ベルガモットは、ほかの柑橘系の木々に挿し木をして育てるしかないのです。野生のベルガモットがあれば、香水も、もっとヤセイものになっていたでしょう。
 神秘に包まれた香りの世界。だからこそ、より魅力的なのかもしれません。
 言葉の森長文作成委員会(Μ)
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 味を感じる仕組み 読解マラソン集 小2 夏 6番
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 物を食べると、いろいろな味を感じます。たとえば目かくしをしていても、それが知っている味なら、今食べたものが何か、当てることができるでしょう。また、初めて食べたものでも、「塩辛い」とか「甘酸っぱい」などと、言葉で表すことができます。この味は、いったいどこでどうやって感じているのでしょうか。
 味を感じる体の部分は舌である、というのは、よく知られていることです。その証拠に、味見をするときは、ちょっと舌を出してなめてみます。この舌をよく見てみると、表面はなめらかではなく、ざらざらで、更によく見ると小さなでこぼこやつぶつぶがあります。実は、このつぶつぶが、味蕾と呼ばれるものです。
 「蕾」というのが「つぼみ」という漢字であることからわかるように、味蕾は花のつぼみのような形をしています。味蕾は舌の表面だけではなく、上あごの奥やのどにもあります。ですから、舌だけで味を感じているのではないようです。
 ところで、動物の中でも肉食動物は、においをかぎ分ける能力である嗅覚がとても発達している代わりに、味覚はそれほど優れていません。犬やネコも、この肉食動物の仲間です。おおざっぱに苦味、酸味、辛味、甘味などはわかり、苦いものがきらいで甘いものが好きなのは人間と同じです。肉食動物は、生肉をあっという間に食べてしまうため、それほどおいしさを味わう必要がなかったのです。それに対し、いつまでもゆっくりと草を食べている草食動物は、肉食動物よりは味覚が発達していると言われています。
 みなさんの家にも、おいしいものしか食べない、グルメな犬やネコがいるかもしれません。これは、おいしいものをいろいろもらってしまったので、学習して「違いがわかる」ようになってしまったのです。現代の犬たちが、おしゃれなカフェで犬用のケーキを食べているなんて、犬のご先祖のオオカミには、想像もできなかったにちがいありません。  言葉の森長文作成委員会(Μ)
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 竹と人間の工夫 読解マラソン集 小2 夏 7番
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 竹は、中に節があって、まるで空き部屋がひとつひとつ区切られているように、空っぽになっています。これは、竹が木の仲間でなくて、草の仲間だからです。竹は、身のまわりにたくさんあるので、大昔から、人間は、この竹を利用する工夫をしてきました。
 まず、あいたところにお米をつめて、蒸す道具にしました。水をつめて、水筒にもしました。二つにわって、お皿にもしました。
 まっすぐにきれいに割れることから、細くして、ザルやカゴをあんだり、スダレを編んだりもしました。また、更に細くして、竹ヒゴというものにもしました。竹ヒゴは、しなやかにまがっても折れることがないので、模型飛行機などの材料にも使われています。
 更に、人間は、竹によって弓矢や、槍も作りました。剣道の竹刀には、今も竹が使われています。
 竹は、遊ぶものにも使われました。穴をあけて、尺八という楽器にもなりました。長い竹を打ちあわせて、その上をとんで踊るバンブーダンスにも使われました。竹馬や竹トンボという子どものおもちゃにもなり、竹から生まれた「かぐやひめ」というお話も作られました。
 エジソンが電球を発明したとき、光を長くもたせるためのフィラメントの材料を長い間さがして、とうとう京都の竹の炭がいちばんいいことを発見しました。
 こんなに役に立つ竹は、値段も決してタケーわけではありません。身の回りに豊富にある材料です。日本人は、昔からこの役に立つ竹を尊敬してきました。だから、おめでたいことに使われるものは、松竹梅と言いますし、お正月には門松を立てるのです。また、七夕の日には笹に願い事を書いた短冊をつるします。子どもの日には、笹の葉でまいたチマキを食べて、元気に育つことを祈ります。∵
 竹もまさか、こんなに人間に利用されるとは思わなかったでしょう。しかし、竹はきっと「竹をわったような性格」ですから、「どんどん工夫していいよ!」と快く言っているはずです。

 言葉の森長文作成委員会(λ)
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 バナナは大きい草 読解マラソン集 小2 夏 8番
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 南の国に行くと、バナナの木のジャングルがあります。日本でも、南の方に行けば、バナナの木を見ることができます。
 バナナは高さがニ、三メートルにもなりますから、このように「バナナの木」と言っていますが、実はバナナは木の仲間ではありません。見上げるほど背が高くても、草の仲間なのです。だから、バナナの木を切っても、木のような年輪は見られません。
 バナナは栄養たっぷりで腹持ちもいいので、ごはんのかわりにもなります。南の国では大昔から、一年中身のまわりに実っているバナナをとって食べることができたので、お腹をへらすことがありませんでした。
 バナナは実を食べるだけではなく、南の国では、葉っぱも使われています。なにしろ、大きい草ですから、葉も大きくて幅が広いのです。しかも、ほのかによいかおりがします。
 そこで、南の国では、四角く折って器にし、そこに材料を入れて、蒸して食べるおかずを作ったり、ごはんをのせるお皿のかわりにしたりしています。
 また、南の国では、紙をつくるよい材料がないので、葉っぱを安い紙のかわりにもしています。きれいに折りたたんで、お供え物の灯篭にしたり、子どものおもちゃとして使ったりもします。細く切ったバナナの葉を編んで、エンゼルフィッシュの形にしたおもちゃは、今でもよく作られています。これは、ちょうど、日本で折り紙の鶴を作るようなものです。バナナの葉のエンゼルフィッシュは、ひもをつけて、モビールにすることもできるので、赤ちゃんのベッドの上にも、よくつるしてあるそうです。
 バナナは人を笑わせることもできます。「道に捨てられたバナナの皮で、すべってころぶ人」というのが、昔から、映画やマンガなどで使われています。
 こんなに役に立つバナナを見習って、私たちもがんバナナいといけませんね。
 言葉の森長文作成委員会(λ)
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 詰め物だったシロツメクサ 読解マラソン集 小2 夏 9番
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 シロツメクサは、日本人にとても愛されている草花のひとつです。天気のいい休日になると、シロツメクサが生えている場所で、シートを広げてお弁当を食べる家族連れの姿を見ることができます。シロツメクサの上は、ふんわりしていて座り心地がよいのです。お弁当のあとには、子どもたちは花を編んでかわいい冠にしたり、茎をからませて両側から引っ張る草相撲をしたりして遊ぶこともできます。
 私たちになじみの深いシロツメクサですが、実はもともとは日本ではなく、ヨーロッパが原産の植物です。江戸時代、ヨーロッパのガラス製品は大変な貴重品でした。遠くヨーロッパから船でガラス製品を運んでくるとき、船がゆれてガラスが割れてしまわないように箱の中につめものとして入れられたものが、このシロツメクサなのです。つめものの草だからツメクサという名前がつきました。
 シロツメクサは生命力の強い植物なので、つめものとして日本にやってきて役目を終えたあと、ゴミとして捨てられた場所で再び息を吹き返し、次第に日本中に広がっていきました。今では北海道から沖縄まで、日本全国で見られるようになっています。シロツメクサのように外国が原産で、何らかの理由で日本に定着した植物のことを帰化植物と言います。セイヨウタンポポやヒメジョオンなども帰化植物として有名です。
 ところで、このシロツメクサの英語名はクローバーですが、クローバーといえば、四つ葉のクローバーが幸運のシンボルであることはよく知られています。しかし、四つ葉を見つけようと思っても、クローバかり多くてなかなか見つからないことがほとんどです。ところが、世の中には、五つ葉や六つ葉のクローバーもあるのです。今までに見つかった最高記録はなんと十八枚葉。これは日本で発見され、ギネスブックにも載りました。十八枚葉のクローバーなんて見つけたら、びっくりして白目をむいて倒れてしまいそうです。これぞまさにシロ(ツ)メクサ!  言葉の森長文作成委員会(Ν)
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 塩の働き 読解マラソン集 小2 夏 10番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 「青菜に塩」ということわざは、ほうれん草などの青い葉に塩をかけると急にしおれてしまうことから、人が急に元気がなくなってしょんぼりする様子をたとえることわざになりました。
 フライパンで青菜を炒めているところを見ると、こぼれんばかりに山盛りになった青菜がさっと小さくなってしまいます。
 さて、この「青菜に塩」の魔法はどうして起こるのでしょうか。野菜は、人間と同じようにたくさんの細胞が集まってできています。ひとつひとつの細胞を包んでいる細胞膜は、水も塩も通すようになっています。生きている細胞膜であれば、細胞の中に入った塩をうまく細胞の外に排出する機能を持っています。しかし、死んだ細胞の場合、塩は細胞内にしみ込んだままになります。その一方で、細胞からは水が出ていくので、青菜のカサがへってしまうのです。この脱水作用をうまく利用したものが漬物で、漬物にされた野菜は、もとの大きさよりはるかにしおれて縮んでいます。
 私たち人間が健康に生きていくためにも、塩分のバランスは大切です。体の細胞とそれをつつむ液体の塩分濃度は、腎臓の働きで常に一定に保たれています。細胞の内と外の圧力が均衡しているために、細胞は同じ形を保つことができます。塩辛いものを食べたあと、のどが渇いてくるのもそのためです。また、夏の暑い日に、熱射病にならないために水分と塩分をとるように注意するのも同じ理由からです。

「漬物さんには、塩が必要なんですね。」
「シオうだよ。」
「ちょっと苦しいですね。」
「エーン。」
 ブーン。
(飛んでいっちゃった。)

 言葉の森長文作成委員会(μ)
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 カエルの秘密 読解マラソン集 小2 夏 11番
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 カエルは両生類ですから、陸上の生活にも水中の生活にも、どちらにも都合のよい体のつくりをしています。
 まず、体全体を見てみましょう。先のとがった頭、首がなく頭がそのまま体につながった形は、水を切って泳ぐのに大変便利です。
 うしろ足は、指と指のあいだに薄い膜がある水かきになっていて、水をいきおいよく蹴ることができます。しかし、水かきが小さく、泳ぐのがへたなカエルもいます。それは、ヒキガエルで、卵をうむときのほかには、ほとんど水に入りません。また、アマガエルやモリアオガエルは、指先に何にでも吸いつく吸盤がついていて、木の枝や葉に登って暮らします。
 カエルのうしろ足の腿は、丈夫な筋肉がはりめぐらされていて、水や地面を強く蹴ることができます。アメリカのカリフォルニアでは、毎年世界中からカエルを集めて、カエルとび大会がひらかれます。ウシガエルは三段跳びのチャンピオンで、これまでに五メートルという記録がのこっています。これは体の長さの約二十五倍です。人間は、オリンピックの選手でもせいぜい身長の約十倍ですから、大変な跳躍力です。
 カエルは夜行性の動物です。昼は穴の中や茂みに隠れていて、夜になると活発に動きまわります。その暮らしに合うように、昼は瞳を絞りこんで光をおさえ、夜は、少しの光でも物が見えるように瞳を全部開きます。
 目の構造も変わっています。人間とは反対に目の下まぶたが動きます。陸にいるとき、下まぶたは下がったままですが、水の中に潜ると、さっと下まぶたが上に動いて目を覆ってしまいます。下まぶたが透明ですから、ちょうど備えつけの水中メガネのようです。∵
 カエルには、このほかにも変わった種類がいます。
 ヒックリカエル、デングリガエル、イキカエル、ツッカエル、ソリカエル、キガエル、ハキカエル、トッカエル。それでは、そろそろ、モウカエル。

 言葉の森長文作成委員会(Κ)
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 のんびり泳ぐマンボウ 読解マラソン集 小2 夏 12番
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 マンボウの大きさは、だいたい畳一枚ほどもあり、体の後ろ半分が切り取られたような形をしているため、まるで頭だけが泳いでいるように見えます。
 人気のあるマンボウですが、実は水族館での飼育はたいへん難しいのです。その理由は、えさをうまく食べられないことや、泳ぎが下手で水槽の壁に体をぶつけて弱ってしまうことが多いためです。
 魚の仲間は驚くほど卵をたくさん産みます。その中でもナンバーワンはマンボウで、メスが一度に産む卵の数は、三億個近くにもなります。
 マンボウのお母さんは、卵を産みっぱなしで、保護するということをしません。卵や孵化したマンボウの子どもは、海中に漂っている間に、どんどんほかの生き物に食べられてしまいます。最初のごく小さいうちは、イワシやサンマ、アジなどのえじきになり、少し大きくなったマンボウの子どもは、マグロやカツオ、海鳥、ウミガメなどに襲われてしまいます。
 けれども、マンボウの子どもたちも、ただ何の抵抗もせずに食べられているわけはありません。子どものマンボウの体には長いとげがたくさんあります。まるでお菓子のコンペイトウのようで、大人のマンボウとは似ても似つかない形です。大きな魚に対しては、この程度のとげはなんの役にも立ちませんが、小型の魚に食べられる確率は小さくなります。このとげは、成長するにつれて短くなり、マンボウ独特の形に変わっていきます。
 マンボウの兄弟たちは、大人になるまでにどんどん数が減っていきます。生き残ることができるのは、三億個もあった卵のうち、たったの三十個ほどです。
∵
「マンボウさん、のんびりしていますね。」
「ヒマンボウ。」
「えさは、吸い込むだけですか。」
「カマンボウ。」
「いつも海に浮いているだけですね。」
「シズマンボウ。」
「もっと別のセリフ、ないですか。」
「スマンボウ。」

 言葉の森長文作成委員会(κ)
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