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 読解マラソン集(ルビつき)小2夏
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 世界一小さい犬 読解マラソン集 小2 夏 1番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 なんでもコンパクトがもてはやされるこのごろですが、犬の世界(せかい)も例外(れいがい)ではありません。品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)の結果(けっか)、たくさんの犬が小型(こがた)化(か)され、今や(いま )世界中(せかいじゅう)で飼わ(か )れています。つまり、コンパクトな犬はそのほとんどが人工(じんこう)的(てき)に作り出さ(つく だ )れたものなのです。
 しかし、天然(てんねん)の小型犬(こがたけん)もいます。チワワです。餌(えさ)代(だい)もかからず、場所(ばしょ)もとらず、小さいのに勇敢(ゆうかん)なこの犬は、ペットとして大変(たいへん)人気があります。
 チワワの出身(しゅっしん)地(ち)はメキシコで、意外(いがい)にも南国(なんごく)の生まれなのです。
 実は(じつ )この犬は、もともとテチチという名前(なまえ)で知ら(し )れていました。チワワと呼ば(よ )れるようになったのは十九世紀(せいき)の中ごろです。メキシコに旅行(りょこう)したアメリカ人が、メキシコのチワワ州(しゅう)でこの小さい犬を見つけ、何匹(なんびき)か持ち帰り(も かえ )ました。そして、土地(とち)の名前(なまえ)からチワワと命名(めいめい)したのです。同じ(おな )ころ、メキシコのお妃(きさき)様(さま)がヨーロッパ旅行(りょこう)のお供( とも)にこの犬を連れ(つ )て行っ(い )たため、チワワは世界(せかい)的(てき)に有名(ゆうめい)になりました。
 チワワは人間(にんげん)が大好き(だいす )です。人間(にんげん)との接触(せっしょく)が多い(おお )ほど元気(げんき)に育つ(そだ )と言わ(い )れています。
 しかし、注意(ちゅうい)も必要(ひつよう)です。この犬の大きさからすると、ベッドやソファは高所(こうしょ)ですから、高い(たか )ところから無造作(むぞうさ)に飛び降り(と お )て骨折(こっせつ)してしまうことがあります。また、消化(しょうか)器官(きかん)が小さい上にカロリーを早く消費(しょうひ)するため、血糖(けっとう)値(ち)が下がりやすいのもチワワの特徴(とくちょう)です。ですから、少量(しょうりょう)のえさをたびたび与え(あた )てやる必要(ひつよう)があります。
 震える(ふる  )のはこの犬の特徴(とくちょう)です。寒い(さむ )ときだけでなく、興奮(こうふん)したときや心配(しんぱい)なとき、不満(ふまん)があるとき、怖(こわ)がっているときなどに震え(ふる )ます。
 小さいけれど大きな存在(そんざい)感(かん)を持つ(も )チワワ。もしメキシコへ旅行(りょこう)することがあったなら、「こんにチワ、ワたしの国(くに)へようこそ」と歓迎(かんげい)してくれるかもしれません。
∵
「チワワって、おでんに入れるとおいしいんだよね。」
「それは、チクワ。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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 地球を棒で測った人 読解マラソン集 小2 夏 2番
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 スカートやズボンを買う(か )ときは、まずウエストのサイズを確かめ(たし  )ます。では、地球(ちきゅう)のウエスト、つまり円周(えんしゅう)はどうやって測る(はか )のでしょう。
 現代(げんだい)の科学(かがく)者(しゃ)たちは、メジャーの代わり(か  )に人工(じんこう)衛星(えいせい)を使い(つか )ます。北極(ほっきょく)と南極(なんきょく)を通る(とお )二つの衛星(えいせい)で、地球(ちきゅう)を外(そと)がわから測る(はか )のです。そのようにして算出(さんしゅつ)された数値(すうち)は、約(やく)四万(まん)八千キロメートル。大変(たいへん)なウエストサイズです。
 しかし、今(いま)からおよそ二千二百年前(まえ)、すでに地球(ちきゅう)を測っ(はか )た人がいたのです。エラトステネスは、ギリシャの数学(すうがく)者(しゃ)で天文学者(てんもんがくしゃ)でもありました。彼(かれ)の時代(じだい)には人工(じんこう)衛星(えいせい)などないので、地球(ちきゅう)が丸い(まる )ことさえ知ら(し )ない人がたくさんいました。もちろん、地球(ちきゅう)を測る(はか )ことのできるほど長い(なが )巻尺(まきじゃく)もありません。エラトステネスが使っ(つか )たのは、一本の棒(ぼう)きれでした。
 エジプトのシエネという都市(とし)にいたときのことです。エラトステネスは、一年でいちばん昼間(ひるま)の長い(なが )夏至(げし)の正午(しょうご)に、太陽(たいよう)が真上(まうえ)に来る(く )ことに気づきました。太陽(たいよう)の光(ひかり)が影(かげ)を作ら(つく )ずに井戸(いど)の底(そこ)まで届い(とど )ていたからです。しかし、そこから北(きた)に八百五十キロメートルほど行(い)ったところにあるアレクサンドリアでは、同じ(おな )夏至(げし)の日の正午(しょうご)に影(かげ)が見えたのです。そこで、エラトステネスはあることを思いつき(おも   )ます。
 彼(かれ)はまず、アレクサンドリアにまっすぐな棒(ぼう)を立てました。正午(しょうご)にその棒(ぼう)が作る(つく )影(かげ)を観察(かんさつ)するためです。影(かげ)の角度(かくど)を測っ(はか )たところ、垂直(すいちょく)方向(ほうこう)に対して( たい  )七・二度(ど)でした。エラトステネスは地球(ちきゅう)が丸い(まる )ことと円周(えんしゅう)の全体(ぜんたい)が三百六十度(ど)であることを知っ(し )ていました。三百六十を七・二で割る(わ )と五十ですから、棒(ぼう)の角度(かくど)七・二度(ど)は円周(えんしゅう)の五十分の(ぶん )一になります。ということは、シエネとアレクサンドリアの間(あいだ)の距離(きょり)も、地球(ちきゅう)の円周(えんしゅう)の五十分の(ぶん )一と等しい(ひと  )はずです。そこで二つの町の距離(きょり)を五十倍(ばい)し、地球(ちきゅう)の円周(えんしゅう)は、約(やく)四万(まん)キロメートルから∵四万(まん)六千キロメートルだという結論(けつろん)に達し(たっ )たのです。それは、驚く(おどろ )ほど正確(せいかく)な数値(すうち)でした。

「エラトステネスさん、棒(ぼう)で測る(はか )なんて、いつ思いつい(おも   )たんですか。」
「ぼうっとしているときにね。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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 食べられる花 読解マラソン集 小2 夏 3番
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 お腹( なか)がすいたら花屋(はなや)さんに入る、という人はいません。「花より団子(だんご)」のことわざに見られるとおり、花は見るものであり食べる(た  )ものではない、というのが普通(ふつう)の考え方(かんが かた)です。しかし世の中(よ なか)には、目や鼻(はな)だけでなく、舌(した)まで楽しま(たの  )せてくれる花が数多く(かずおお )あるのです。
 例えば(たと  )、バラは、美しい(うつく  )だけではなく食用(しょくよう)にもなります。花びらの根元(ねもと)は苦味(にがみ)があるので取り除き(と のぞ )ます。また、花の中心(ちゅうしん)部(ぶ)は食べ(た )ません。バラの花びらをチーズやナッツ類(るい)と合わせ(あ  )てサラダにしたり、刻ん(きざ )だものをスパゲッティにふりかけたりするとおいしいのだそうです。バラを使っ(つか )て、アイスクリームや飲み物(の もの)に風味(ふうみ)を添える(そ  )こともできます。
 また、野菜(やさい)の花も食用(しょくよう)になります。カボチャの花は、すでに十六世紀(せいき)ごろから南北(なんぼく)アメリカで食卓(しょくたく)に上(のぼ)っていました。しかし、いくらおいしいからといっても、花を全部(ぜんぶ)食べ(た )てしまうとカボチャの実(み)ができなくなってしまいます。ですから、雌花(めばな)は残し(のこ )て雄花(おばな)だけを食べる(た  )のです。
 レモンやオレンジなど柑橘(かんきつ)系(けい)の花は、飲み物(の もの)に入れたりデザートに添え(そ )たりすると、風味(ふうみ)が引き立ち(ひ た )ます。春(はる)になると、菜の花(な はな)が八百屋(やおや)さんの店頭(てんとう)に並び(なら )ます。フキノトウやイチジクも、食べる(た  )ところは花の部分(ぶぶん)です。

「花さん。食べ(た )られたときの気持ち(きも )はどうですか。」
「はあ、なんというか。」
「やはり、見てもらった方(ほう)がうれしいでしょう。」
「はあ、なんといっても。」
「花さんは、きれいですからね。」
「はあ、なにしろ。」
「もっと驚く(おどろ )ようなことを言っ(い )てください。」
「ハッ!、なあんてね。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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 微生物の働き 読解マラソン集 小2 夏 4番
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 かつお節(   ぶし)、みそ、納豆(なっとう)、漬物(つけもの)、パン、チーズ、乳酸菌(にゅうさんきん)飲料(いんりょう)、ビール、ワイン。これらのおいしさの共通(きょうつう)点(てん)は、独得(どくとく)の風味(ふうみ)です。その共通(きょうつう)の風味(ふうみ)をもたらしている秘密(ひみつ)は、どれもが発酵(はっこう)食品(しょくひん)だということにあります。
 同じ(おな )発酵(はっこう)食品(しょくひん)でも、発酵(はっこう)を行う(おこな )微生物(びせいぶつ)のちがいによって、いくつかのグループに分ける(わ  )ことができます。一つ目は、かつお節(   ぶし)のように、主(おも)にカビの作用(さよう)によるものです。二つ目は、納豆(なっとう)、乳酸菌(にゅうさんきん)飲料(いんりょう)、チーズのように、主(おも)に細菌(さいきん)の作用(さよう)によるものです。三つ目は、ビール、ワイン、パンのように、主(おも)に酵母(こうぼ)の作用(さよう)によるものです。そして、みそ、しょうゆ、漬物(つけもの)のように、三つの作用(さよう)が重なり合っ(かさ  あ )て生まれるものもあります。
 このように、目に見えない微生物(びせいぶつ)は、生育(せいいく)するときに周り(まわ )の材料(ざいりょう)を分解(ぶんかい)して、消化(しょうか)しやすく変化(へんか)させたり、独得(どくとく)のおいしい風味(ふうみ)を与え(あた )たりします。ところが、微生物(びせいぶつ)には反対(はんたい)の働き(はたら )もあって、材料(ざいりょう)を分解(ぶんかい)するときに食中毒(しょくちゅうどく)をひきおこす有害(ゆうがい)物質(ぶっしつ)を作っ(つく )たり、悪臭(あくしゅう)を放つ(はな )不快(ふかい)な物質(ぶっしつ)を作ったりすることもあります。これを、私(わたし)たちは腐敗(ふはい)と表現(ひょうげん)しています。
 地球(ちきゅう)上のあらゆるところに生育(せいいく)する微生物(びせいぶつ)は、忍者(にんじゃ)のように目には見えませんが、私(わたし)たちの暮らし(く  )に深く(ふか )関わっ(かか  )てきました。私(わたし)たちが健康(けんこう)で環境(かんきょう)にやさしい生き方(い かた)をするためにも、微生物(びせいぶつ)との共存(きょうぞん)がこれからいっそう大切(たいせつ)になってくるでしょう。
「カビさんが役に立っ(やく た )ているなんて、初めて(はじ  )知り(し )ました。」
「そうカビ。」
「細菌(さいきん)さんも、がんばっているんですね。」
「最近(さいきん)だけどね。」
「酵母(こうぼ)さんも、たまに失敗(しっぱい)することがあるんですか。」
「コウボうも筆(ふで)の誤り(あやま )と言う(い )ぐらいだから。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(μ)
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 香水になるフルーツ 読解マラソン集 小2 夏 5番
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 人間(にんげん)は昔(むかし)から、香り(かお )に興味(きょうみ)を持ち(も )、香り(かお )の原料(げんりょう)つまり香料(こうりょう)を探し(さが )てきました。
 香料(こうりょう)には動物(どうぶつ)性(せい)のものと植物(しょくぶつ)性(せい)のものとがあります。動物(どうぶつ)性(せい)のものとしては、ジャコウ鹿(じか)からとれるムスクが代表(だいひょう)的(てき)です。植物(しょくぶつ)性(せい)の香料(こうりょう)として一般(いっぱん)的(てき)なものは、なんと言っ(い )ても花々です。例えば(たと  )、ブルガリアのダマスクローズは、古く(ふる )から貴重(きちょう)な香料(こうりょう)とされてきました。この花のエッセンスは高値(たかね)で取引(とりひき)され、今(いま)でも世界中(せかいじゅう)で愛さ(あい )れています。
 しかし、植物(しょくぶつ)性(せい)の香料(こうりょう)は花だけではありません。どちらかといえばなじみの薄い(うす )、しかし大変(たいへん)広く(ひろ )使わ(つか )れている香料(こうりょう)、それがフルーツの一種(いっしゅ)であるベルガモットです。この果実(かじつ)のエッセンスは、女性(じょせい)用(よう)の香水(こうすい)の約(やく)三分の(ぶん )一に、また男性(だんせい)用(よう)のコロンの約(やく)半分(はんぶん)に入っています。このフルーツからとれるエッセンスには、いろいろな香り(かお )をまとめて一つの香り(かお )にするという働き(はたら )があり、これがほかの香料(こうりょう)にはない特性(とくせい)なのです。
 ベルガモットはミカン科(か)の植物(しょくぶつ)で、秋(あき)から冬(ふゆ)にかけてオレンジほどの大きさの実(み)をつけます。香水(こうすい)になるエッセンスは、この果実(かじつ)の皮(かわ)からとれます。ベルガモットの主(おも)な産地(さんち)は、イタリア半島(はんとう)のカラブリア地方(ちほう)で、ほかの土地(とち)ではほとんど育ち(そだ )ません。というのも、この植物(しょくぶつ)は、暖かく(あたた  )しかも南(みなみ)向き(む )の土地(とち)で、強い(つよ )風(かぜ)の吹か(ふ )ない、湿度(しつど)の低い(ひく )ところでないと育た(そだ )ないからです。
 この植物(しょくぶつ)の起源(きげん)そのものは深い(ふか )なぞに包ま(つつ )れています。野生(やせい)のベルガモットというものはなく、この植物(しょくぶつ)を種(たね)から育てる(そだ  )こともできません。ベルガモットは、ほかの柑橘(かんきつ)系(けい)の木々に挿し木(さ き)をして育てる(そだ  )しかないのです。野生(やせい)のベルガモットがあれば、香水(こうすい)も、もっとヤセイものになっていたでしょう。
 神秘(しんぴ)に包ま(つつ )れた香り(かお )の世界(せかい)。だからこそ、より魅力(みりょく)的(てき)なのかもしれません。
 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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 味を感じる仕組み 読解マラソン集 小2 夏 6番
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 物(もの)を食べる(た  )と、いろいろな味(あじ)を感じ(かん )ます。たとえば目かくしをしていても、それが知っ(し )ている味(あじ)なら、今(いま)食べ(た )たものが何(なに)か、当てる(あ  )ことができるでしょう。また、初めて(はじ  )食べ(た )たものでも、「塩辛い(しおから )」とか「甘酸っぱい(あまず   )」などと、言葉(ことば)で表す(あらわ )ことができます。この味(あじ)は、いったいどこでどうやって感じ(かん )ているのでしょうか。
 味(あじ)を感じる(かん  )体(からだ)の部分(ぶぶん)は舌(した)である、というのは、よく知ら(し )れていることです。その証拠(しょうこ)に、味見(あじみ)をするときは、ちょっと舌(した)を出してなめてみます。この舌(した)をよく見てみると、表面(ひょうめん)はなめらかではなく、ざらざらで、更に(さら )よく見ると小さなでこぼこやつぶつぶがあります。実は(じつ )、このつぶつぶが、味蕾(みらい)と呼ば(よ )れるものです。
 「蕾(らい)」というのが「つぼみ」という漢字(かんじ)であることからわかるように、味蕾(みらい)は花のつぼみのような形(かたち)をしています。味蕾(みらい)は舌(した)の表面(ひょうめん)だけではなく、上あごの奥(おく)やのどにもあります。ですから、舌(した)だけで味(あじ)を感じ(かん )ているのではないようです。
 ところで、動物(どうぶつ)の中でも肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)は、においをかぎ分ける(わ  )能力(のうりょく)である嗅覚(きゅうかく)がとても発達(はったつ)している代わり(か  )に、味覚(みかく)はそれほど優れ(すぐ )ていません。犬やネコも、この肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)の仲間(なかま)です。おおざっぱに苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、辛味(からみ)、甘味(あまみ)などはわかり、苦い(にが )ものがきらいで甘い(あま )ものが好き(す )なのは人間(にんげん)と同じ(おな )です。肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)は、生肉(せいにく)をあっという間に(     ま )食べ(た )てしまうため、それほどおいしさを味わう(あじ  )必要(ひつよう)がなかったのです。それに対し( たい )、いつまでもゆっくりと草を食べ(た )ている草食(そうしょく)動物(どうぶつ)は、肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)よりは味覚(みかく)が発達(はったつ)していると言わ(い )れています。
 みなさんの家(いえ)にも、おいしいものしか食べ(た )ない、グルメな犬やネコがいるかもしれません。これは、おいしいものをいろいろもらってしまったので、学習(がくしゅう)して「違い(ちが )がわかる」ようになってしまったのです。現代(げんだい)の犬たちが、おしゃれなカフェで犬用(よう)のケーキを食べ(た )ているなんて、犬のご先祖(せんぞ)のオオカミには、想像(そうぞう)もできなかったにちがいありません。  言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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 竹と人間の工夫 読解マラソン集 小2 夏 7番
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 竹は、中に節(ふし)があって、まるで空き部屋(べや)がひとつひとつ区切ら(くぎ )れているように、空っぽになっています。これは、竹が木の仲間(なかま)でなくて、草の仲間(なかま)だからです。竹は、身(み)のまわりにたくさんあるので、大昔(おおむかし)から、人間(にんげん)は、この竹を利用(りよう)する工夫(くふう)をしてきました。
 まず、あいたところにお米(こめ)をつめて、蒸す(む )道具(どうぐ)にしました。水をつめて、水筒(すいとう)にもしました。二つにわって、お皿(さら)にもしました。
 まっすぐにきれいに割れる(わ  )ことから、細く(ほそ )して、ザルやカゴをあんだり、スダレを編ん(あ )だりもしました。また、更に(さら )細く(ほそ )して、竹ヒゴというものにもしました。竹ヒゴは、しなやかにまがっても折れる(お  )ことがないので、模型(もけい)飛行機(ひこうき)などの材料(ざいりょう)にも使わ(つか )れています。
 更に(さら )、人間(にんげん)は、竹によって弓矢(ゆみや)や、槍(やり)も作り(つく )ました。剣道(けんどう)の竹刀(しない)には、今(いま)も竹が使わ(つか )れています。
 竹は、遊ぶ(あそ )ものにも使わ(つか )れました。穴(あな)をあけて、尺八(しゃくはち)という楽器(がっき)にもなりました。長い(なが )竹を打ちあわせ(う    )て、その上をとんで踊る(おど )バンブーダンスにも使わ(つか )れました。竹馬(たけうま)や竹トンボという子どものおもちゃにもなり、竹から生まれた「かぐやひめ」というお話( はなし)も作ら(つく )れました。
 エジソンが電球(でんきゅう)を発明(はつめい)したとき、光(ひかり)を長く(なが )もたせるためのフィラメントの材料(ざいりょう)を長い(なが )間(あいだ)さがして、とうとう京都(きょうと)の竹の炭(すみ)がいちばんいいことを発見(はっけん)しました。
 こんなに役に立つ(やく た )竹は、値段(ねだん)も決して(けっ  )タケーわけではありません。身の回り(み まわ )に豊富(ほうふ)にある材料(ざいりょう)です。日本人は、昔(むかし)からこの役に立つ(やく た )竹を尊敬(そんけい)してきました。だから、おめでたいことに使わ(つか )れるものは、松竹梅(しょうちくばい)と言い(い )ますし、お正月には門松(かどまつ)を立てるのです。また、七夕の日には笹(ささ)に願い事(ねが ごと)を書い(か )た短冊(たんざく)をつるします。子どもの日には、笹(ささ)の葉(は)でまいたチマキを食べ(た )て、元気(げんき)に育つ(そだ )ことを祈り(いの )ます。∵
 竹もまさか、こんなに人間(にんげん)に利用(りよう)されるとは思わ(おも )なかったでしょう。しかし、竹はきっと「竹をわったような性格(せいかく)」ですから、「どんどん工夫(くふう)していいよ!」と快く(こころよ )言っ(い )ているはずです。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(λ)


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 バナナは大きい草 読解マラソン集 小2 夏 8番
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 南(みなみ)の国(くに)に行く(い )と、バナナの木のジャングルがあります。日本でも、南(みなみ)の方(ほう)に行け(い )ば、バナナの木を見ることができます。
 バナナは高(たか)さがニ、三メートルにもなりますから、このように「バナナの木」と言っ(い )ていますが、実は(じつ )バナナは木の仲間(なかま)ではありません。見上げるほど背(せ)が高く(たか )ても、草の仲間(なかま)なのです。だから、バナナの木を切っ(き )ても、木のような年輪(ねんりん)は見られません。
 バナナは栄養(えいよう)たっぷりで腹持ち(はらも )もいいので、ごはんのかわりにもなります。南(みなみ)の国(くに)では大昔(おおむかし)から、一年中(いちねんじゅう)身(み)のまわりに実っ(みの )ているバナナをとって食べる(た  )ことができたので、お腹( なか)をへらすことがありませんでした。
 バナナは実(み)を食べる(た  )だけではなく、南(みなみ)の国(くに)では、葉っぱ(は  )も使わ(つか )れています。なにしろ、大きい草ですから、葉(は)も大きくて幅(はば)が広い(ひろ )のです。しかも、ほのかによいかおりがします。
 そこで、南(みなみ)の国(くに)では、四角く(しかく )折っ(お )て器(うつわ)にし、そこに材料(ざいりょう)を入れて、蒸し(む )て食べる(た  )おかずを作っ(つく )たり、ごはんをのせるお皿(さら)のかわりにしたりしています。
 また、南(みなみ)の国(くに)では、紙(かみ)をつくるよい材料(ざいりょう)がないので、葉っぱ(は  )を安い(やす )紙(かみ)のかわりにもしています。きれいに折りたたん(お    )で、お供え物(そな もの)の灯篭(とうろう)にしたり、子どものおもちゃとして使っ(つか )たりもします。細く(ほそ )切っ(き )たバナナの葉(は)を編ん(あ )で、エンゼルフィッシュの形(かたち)にしたおもちゃは、今(いま)でもよく作ら(つく )れています。これは、ちょうど、日本で折り紙(お がみ)の鶴(つる)を作る(つく )ようなものです。バナナの葉(は)のエンゼルフィッシュは、ひもをつけて、モビールにすることもできるので、赤ちゃんのベッドの上にも、よくつるしてあるそうです。
 バナナは人を笑わせる(わら   )こともできます。「道(みち)に捨て(す )られたバナナの皮(かわ)で、すべってころぶ人」というのが、昔(むかし)から、映画(えいが)やマンガなどで使わ(つか )れています。
 こんなに役に立つ(やく た )バナナを見習っ(みなら )て、私(わたし)たちもがんバナナいといけませんね。
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 詰め物だったシロツメクサ 読解マラソン集 小2 夏 9番
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 シロツメクサは、日本人にとても愛さ(あい )れている草花のひとつです。天気のいい休日になると、シロツメクサが生えている場所(ばしょ)で、シートを広げ(ひろ )てお弁当(べんとう)を食べる(た  )家族連れ(かぞくづ )の姿(すがた)を見ることができます。シロツメクサの上は、ふんわりしていて座り(すわ )心地(ごこち)がよいのです。お弁当(べんとう)のあとには、子どもたちは花を編ん(あ )でかわいい冠(かんむり)にしたり、茎(くき)をからませて両側(りょうがわ)から引っ張る(ひ ぱ )草相撲(くさずもう)をしたりして遊ぶ(あそ )こともできます。
 私(わたし)たちになじみの深い(ふか )シロツメクサですが、実は(じつ )もともとは日本ではなく、ヨーロッパが原産(げんさん)の植物(しょくぶつ)です。江戸(えど)時代(じだい)、ヨーロッパのガラス製品(せいひん)は大変(たいへん)な貴重(きちょう)品(ひん)でした。遠く(とお )ヨーロッパから船(ふね)でガラス製品(せいひん)を運ん(はこ )でくるとき、船(ふね)がゆれてガラスが割れ(わ )てしまわないように箱(はこ)の中につめものとして入れられたものが、このシロツメクサなのです。つめものの草だからツメクサという名前(なまえ)がつきました。
 シロツメクサは生命(せいめい)力の強い(つよ )植物(しょくぶつ)なので、つめものとして日本にやってきて役目(やくめ)を終え(お )たあと、ゴミとして捨て(す )られた場所(ばしょ)で再び(ふたた )息(いき)を吹き返し(ふ かえ )、次第に(しだい )日本中に広がっ(ひろ  )ていきました。今(いま)では北海道(ほっかいどう)から沖縄(おきなわ)まで、日本全国(ぜんこく)で見られるようになっています。シロツメクサのように外国(がいこく)が原産(げんさん)で、何らかの(なん   )理由(りゆう)で日本に定着(ていちゃく)した植物(しょくぶつ)のことを帰化(きか)植物(しょくぶつ)と言い(い )ます。セイヨウタンポポやヒメジョオンなども帰化(きか)植物(しょくぶつ)として有名(ゆうめい)です。
 ところで、このシロツメクサの英語(えいご)名はクローバーですが、クローバーといえば、四つ葉(ば)のクローバーが幸運(こううん)のシンボルであることはよく知ら(し )れています。しかし、四つ葉(ば)を見つけようと思っ(おも )ても、クローバかり多く(おお )てなかなか見つからないことがほとんどです。ところが、世の中(よ なか)には、五つ葉(ば)や六つ葉(ば)のクローバーもあるのです。今(いま)までに見つかった最高(さいこう)記録(きろく)はなんと十八枚(まい)葉(ば)。これは日本で発見(はっけん)され、ギネスブックにも載り(の )ました。十八枚(まい)葉(ば)のクローバーなんて見つけたら、びっくりして白目をむいて倒れ(たお )てしまいそうです。これぞまさにシロ(ツ)メクサ!  言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Ν)
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 塩の働き 読解マラソン集 小2 夏 10番
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 「青菜(あおな)に塩(しお)」ということわざは、ほうれん草などの青い葉(は)に塩(しお)をかけると急(きゅう)にしおれてしまうことから、人が急(きゅう)に元気(げんき)がなくなってしょんぼりする様子(ようす)をたとえることわざになりました。
 フライパンで青菜(あおな)を炒め(いた )ているところを見ると、こぼれんばかりに山盛り(やまも )になった青菜(あおな)がさっと小さくなってしまいます。
 さて、この「青菜(あおな)に塩(しお)」の魔法(まほう)はどうして起こる(お  )のでしょうか。野菜(やさい)は、人間(にんげん)と同じ(おな )ようにたくさんの細胞(さいぼう)が集まっ(あつ  )てできています。ひとつひとつの細胞(さいぼう)を包ん(つつ )でいる細胞(さいぼう)膜(まく)は、水も塩(しお)も通す(とお )ようになっています。生きている細胞(さいぼう)膜(まく)であれば、細胞(さいぼう)の中に入った塩(しお)をうまく細胞(さいぼう)の外(そと)に排出(はいしゅつ)する機能(きのう)を持っ(も )ています。しかし、死ん(し )だ細胞(さいぼう)の場合(ばあい)、塩(しお)は細胞(さいぼう)内(ない)にしみ込ん(  こ )だままになります。その一方(いっぽう)で、細胞(さいぼう)からは水が出ていくので、青菜(あおな)のカサがへってしまうのです。この脱水(だっすい)作用(さよう)をうまく利用(りよう)したものが漬物(つけもの)で、漬物(つけもの)にされた野菜(やさい)は、もとの大きさよりはるかにしおれて縮ん(ちぢ )でいます。
 私(わたし)たち人間(にんげん)が健康(けんこう)に生きていくためにも、塩分(えんぶん)のバランスは大切(たいせつ)です。体(からだ)の細胞(さいぼう)とそれをつつむ液体(えきたい)の塩分(えんぶん)濃度(のうど)は、腎臓(じんぞう)の働き(はたら )で常に(つね )一定(いってい)に保た(たも )れています。細胞(さいぼう)の内(うち)と外(そと)の圧力(あつりょく)が均衡(きんこう)しているために、細胞(さいぼう)は同じ(おな )形(かたち)を保つ(たも )ことができます。塩辛い(しおから )ものを食べ(た )たあと、のどが渇い(かわ )てくるのもそのためです。また、夏(なつ)の暑い(あつ )日に、熱射病(ねっしゃびょう)にならないために水分(すいぶん)と塩分(えんぶん)をとるように注意(ちゅうい)するのも同じ(おな )理由(りゆう)からです。

「漬物(つけもの)さんには、塩(しお)が必要(ひつよう)なんですね。」
「シオうだよ。」
「ちょっと苦しい(くる  )ですね。」
「エーン。」
 ブーン。
(飛ん(と )でいっちゃった。)

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(μ)
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 カエルの秘密 読解マラソン集 小2 夏 11番
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 カエルは両生類(りょうせいるい)ですから、陸上(りくじょう)の生活(せいかつ)にも水中の生活(せいかつ)にも、どちらにも都合(つごう)のよい体(からだ)のつくりをしています。
 まず、体(からだ)全体(ぜんたい)を見てみましょう。先のとがった頭(あたま)、首(くび)がなく頭(あたま)がそのまま体(からだ)につながった形(かたち)は、水を切っ(き )て泳ぐ(およ )のに大変(たいへん)便利(べんり)です。
 うしろ足は、指(ゆび)と指(ゆび)のあいだに薄い(うす )膜(まく)がある水かきになっていて、水をいきおいよく蹴る(け )ことができます。しかし、水かきが小さく、泳ぐ(およ )のがへたなカエルもいます。それは、ヒキガエルで、卵(たまご)をうむときのほかには、ほとんど水に入りません。また、アマガエルやモリアオガエルは、指先(ゆびさき)に何(なに)にでも吸い(す )つく吸盤(きゅうばん)がついていて、木の枝(えだ)や葉(は)に登っ(のぼ )て暮らし(く  )ます。
 カエルのうしろ足の腿(もも)は、丈夫(じょうぶ)な筋肉(きんにく)がはりめぐらされていて、水や地面(じめん)を強く(つよ )蹴る(け )ことができます。アメリカのカリフォルニアでは、毎年(まいとし)世界中(せかいじゅう)からカエルを集め(あつ )て、カエルとび大会(たいかい)がひらかれます。ウシガエルは三段跳び(さんだんと )のチャンピオンで、これまでに五メートルという記録(きろく)がのこっています。これは体(からだ)の長(なが)さの約(やく)二十五倍(ばい)です。人間(にんげん)は、オリンピックの選手(せんしゅ)でもせいぜい身長(しんちょう)の約(やく)十倍(ばい)ですから、大変(たいへん)な跳躍(ちょうやく)力です。
 カエルは夜行(やこう)性(せい)の動物(どうぶつ)です。昼(ひる)は穴(あな)の中や茂み(しげ )に隠れ(かく )ていて、夜(よる)になると活発(かっぱつ)に動き(うご )まわります。その暮らし(く  )に合う(あ )ように、昼(ひる)は瞳(ひとみ)を絞り(しぼ )こんで光(ひかり)をおさえ、夜(よる)は、少し(すこ )の光(ひかり)でも物(もの)が見えるように瞳(ひとみ)を全部(ぜんぶ)開き(ひら )ます。
 目の構造(こうぞう)も変わっ(か  )ています。人間(にんげん)とは反対(はんたい)に目の下まぶたが動き(うご )ます。陸(りく)にいるとき、下まぶたは下がったままですが、水の中に潜る(もぐ )と、さっと下まぶたが上に動い(うご )て目を覆っ(おお )てしまいます。下まぶたが透明(とうめい)ですから、ちょうど備えつけ(そな   )の水中メガネのようです。∵
 カエルには、このほかにも変わっ(か  )た種類(しゅるい)がいます。
 ヒックリカエル、デングリガエル、イキカエル、ツッカエル、ソリカエル、キガエル、ハキカエル、トッカエル。それでは、そろそろ、モウカエル。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Κ)
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 のんびり泳ぐマンボウ 読解マラソン集 小2 夏 12番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 マンボウの大きさは、だいたい畳(たたみ)一枚(まい)ほどもあり、体(からだ)の後ろ(うし )半分(はんぶん)が切り取ら(き と )れたような形(かたち)をしているため、まるで頭(あたま)だけが泳い(およ )でいるように見えます。
 人気のあるマンボウですが、実は(じつ )水族館(すいぞくかん)での飼育(しいく)はたいへん難しい(むずか  )のです。その理由(りゆう)は、えさをうまく食べ(た )られないことや、泳ぎ(およ )が下手で水槽(すいそう)の壁(かべ)に体(からだ)をぶつけて弱っ(よわ )てしまうことが多い(おお )ためです。
 魚(さかな)の仲間(なかま)は驚く(おどろ )ほど卵(たまご)をたくさん産み(う )ます。その中でもナンバーワンはマンボウで、メスが一度(ど)に産む(う )卵(たまご)の数(かず)は、三億(おく)個(こ)近く(ちか )にもなります。
 マンボウのお母さん( かあ  )は、卵(たまご)を産み(う )っぱなしで、保護(ほご)するということをしません。卵(たまご)や孵化(ふか)したマンボウの子どもは、海中(かいちゅう)に漂っ(ただよ )ている間(あいだ)に、どんどんほかの生き物(い もの)に食べ(た )られてしまいます。最初(さいしょ)のごく小さいうちは、イワシやサンマ、アジなどのえじきになり、少し(すこ )大きくなったマンボウの子どもは、マグロやカツオ、海鳥(うみどり)、ウミガメなどに襲わ(おそ )れてしまいます。
 けれども、マンボウの子どもたちも、ただ何(なん)の抵抗(ていこう)もせずに食べ(た )られているわけはありません。子どものマンボウの体(からだ)には長い(なが )とげがたくさんあります。まるでお菓子( かし)のコンペイトウのようで、大人のマンボウとは似(に)ても似つか(に  )ない形(かたち)です。大きな魚(さかな)に対して( たい  )は、この程度(ていど)のとげはなんの役(やく)にも立ちませんが、小型(こがた)の魚(さかな)に食べ(た )られる確率(かくりつ)は小さくなります。このとげは、成長(せいちょう)するにつれて短く(みじか )なり、マンボウ独特(どくとく)の形(かたち)に変わっ(か  )ていきます。
 マンボウの兄弟(きょうだい)たちは、大人になるまでにどんどん数(かず)が減っ(へ )ていきます。生き残る(い のこ )ことができるのは、三億(おく)個(こ)もあった卵(たまご)のうち、たったの三十個(こ)ほどです。
∵
「マンボウさん、のんびりしていますね。」
「ヒマンボウ。」
「えさは、吸い込む(す こ )だけですか。」
「カマンボウ。」
「いつも海(うみ)に浮い(う )ているだけですね。」
「シズマンボウ。」
「もっと別(べつ)のセリフ、ないですか。」
「スマンボウ。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(κ)
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