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 読解マラソン集(ルビつき)小3春
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 ソーラーハウス 読解マラソン集 小3 春 1番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 省エネルギー(しょう     )という言葉(ことば)を聞いたことがあるでしょう。部屋(へや)の電気をこまめに消し(け )たり、冷房(れいぼう)や暖房(だんぼう)の温度(おんど)設定(せってい)を控え目(ひか め)にしたり、エレベーターや自動車(じどうしゃ)をやめて自分の足で歩くように心がけたりすることです。今は、身近(みぢか)な省エネルギー(しょう     )から広がって、社会全体(ぜんたい)で取り組ん(と く )でいこうという運動(うんどう)になっています。
 エネルギーを生みだすためには、もとになる資源(しげん)が必要(ひつよう)です。ちょうど私(わたし)たち人間や動物(どうぶつ)が、歩いたり手を動かし(うご  )たり喋っ(しゃべ )たりするために、食べ物(た もの)をとるのと同じです。ところが、地球(ちきゅう)の資源(しげん)には限り(かぎ )がありますから、ひとりひとりが節約(せつやく)をしていかなくてはなりません。
 また、資源(しげん)をエネルギーに変換(へんかん)するためには、要ら(い )ないものを空気中に排出(はいしゅつ)しなくてはなりません。二酸化炭素(にさんかたんそ)などの排出(はいしゅつ)物(ぶつ)は、大気汚染(おせん)を引き起こし(ひ お  )、やがては地球(ちきゅう)全体(ぜんたい)の気温(きおん)を徐々に(じょじょ )あげてしまいます。これが地球(ちきゅう)温暖(おんだん)化(か)と呼ば(よ )れるもので、異常(いじょう)気象(きしょう)や農作物(のうさくもつ)への影響(えいきょう)、海水面(めん)の上昇(じょうしょう)、紫外線(しがいせん)の問題(もんだい)など、さまざまな問題(もんだい)の原因(げんいん)となっています。人間だけでなく、すべての生き物(い もの)の住み(す )やすい環境(かんきょう)を守る(まも )ためにも、エネルギーの節約(せつやく)は必要(ひつよう)なのです。
 では、使っ(つか )てもなくなる心配(しんぱい)のないエネルギーはないのでしょうか。それは、身の回り(み まわ )に見つけることができます。冬の寒い(さむ )日の猫(ねこ)は日の当たる明るい窓際(まどぎわ)で、いちばん温か(あたた )そうな床(ゆか)の上に、幸せ(しあわ )そうにまるくなってねむっています。猫(ねこ)は日向ぼっこ(ひなた   )の名人です。
 このとき、猫(ねこ)の体の毛のあいだにさしこんだ太陽(たいよう)は、猫(ねこ)の毛の奥深く(おくふか )に入りこみ、熱(ねつ)に変化(へんか)してほとんどが猫(ねこ)の体に吸収(きゅうしゅう)されています。とても効率(こうりつ)のいい、太陽(たいよう)エネルギー活用の仕組み(しく )になっているのです。忙しい(いそが  )ときに、よく猫(ねこ)の手も借り(か )たいと言いますが、寒い(さむ )ときには、猫(ねこ)の毛も借り(か )たいと言えるかもしれません。
 この猫(ねこ)の日向ぼっこ(ひなた   )の原理を、私(わたし)たちのくらしに活用したもの∵が、太陽熱(たいようねつ)温水(おんすい)器(き)やソーラーハウスという住宅(じゅうたく)です。太陽(たいよう)のエネルギーを建物(たてもの)の中にとらえて、それでお風呂(ふろ)の温水(おんすい)をつくったり、温水(おんすい)で建物(たてもの)全体(ぜんたい)を暖房(だんぼう)したりしています。
 更に(さら )、ソーラーハウスが猫(ねこ)の日向ぼっこ(ひなた   )より一歩進ん(すす )でいるところは、太陽(たいよう)のエネルギーを電気エネルギーに変え(か )られることです。天気のいいときに発電(はつでん)した電気で、家の中の電化(でんか)製品(せいひん)が使え(つか )ます。あまった電気は、電力会社が買い取っ(か と )てほかの家で使わ(つか )れます。科学の力を使っ(つか )ていくと、日向ぼっこ(ひなた   )のおすそ分けができるのです。
 省エネルギー(しょう     )という節約(せつやく)の考え方から、エネルギーの変換(へんかん)という新しい考え方に目を向ける(む  )と、さまざまな可能(かのう)性(せい)が見えてきます。太陽(たいよう)のような自然(しぜん)のエネルギーから、より効率(こうりつ)のよいエネルギーがもらえるように科学の研究(けんきゅう)は続い(つづ )ています。
 日向ぼっこ(ひなた   )をしている猫(ねこ)も言っています。
「ソーラーエネルギーか。ソーラー、エエネエ。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(μ)
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 コーヒーの歴史 読解マラソン集 小3 春 2番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 コーヒーは、世界(せかい)で最も(もっと )親しまれている飲み物(の もの)のひとつです。世界中(せかいじゅう)で、毎日二十億(おく)杯(はい)分ものコーヒーが消費(しょうひ)されています。世界中(せかいじゅう)で売り買いされるコーヒーの量(りょう)は膨大(ぼうだい)で、その売上額(がく)は年間八兆(ちょう)円にも上(のぼ)ります。
 このように世界中(せかいじゅう)で親しまれているコーヒーですが、その歴史(れきし)がアフリカに始まっ(はじ  )たことはあまり知られていません。コーヒーの木は、もともとエチオピアの高原に自生していました。コーヒーは、十五世紀(せいき)までもっぱらアラビア半島(はんとう)でのみ栽培(さいばい)され、国外に持ち出す(も だ )ことはできませんでした。
 十七世紀(せいき)に、オランダ人がコーヒーの苗木(なえぎ)をオランダ本国へ持ち込み(も こ )ました。そして十八世紀(せいき)に、コーヒーの木は、フランスの国王ルイ十四世(せい)への贈り物(おく もの)として、フランスの植物(しょくぶつ)園に送ら(おく )れました。当時、コーヒーの木は大変(たいへん)な貴重(きちょう)品(ひん)でした。
 やがて、フランスはコーヒーの栽培(さいばい)と輸出(ゆしゅつ)に乗り出そ(の だ )うとしますが、計画はことごとく失敗(しっぱい)します。
 あるとき、一人の海軍(かいぐん)士官(しかん)が、ひそかにコーヒーの苗木(なえぎ)を持ち出し(も だ )、カリブ海にある自分の農園(のうえん)で栽培(さいばい)しようと考えました。当時の船は帆船(はんせん)で、長い船旅(ふなたび)の間に飲む(の )水もなくなるほどでしたが、彼(かれ)は自分の飲み(の )水を苗木(なえぎ)に分け与え(わ あた )て、ようやく農園(のうえん)にたどりつきました。
 海を渡っ(わた )たこの苗木(なえぎ)は、その後、南北アメリカ諸国(しょこく)にコーヒーの栽培(さいばい)を広めるもととなりました。今では、八十もの国や地域(ちいき)で、推定(すいてい)百五十億(おく)本のコーヒーの木が栽培(さいばい)されています。
 コーヒーの成分(せいぶん)であるカフェインは、神経(しんけい)を興奮(こうふん)させる働き(はたら )があります。人間の体にはもともとドーパミンという物質(ぶっしつ)があり、これは快感(かいかん)を感じる(かん  )とたくさん分泌(ぶんぴつ)されます。このドーパミンの働き(はたら )を抑制(よくせい)する物質(ぶっしつ)がアデノシンで、人間は普段(ふだん)興奮(こうふん)と安静(あんせい)のバランスを∵とって暮らし(く  )ています。ところが、カフェインはアデノシンと形が似(に)ているので、アデノシンのかわりに先にドーパミンに結びつい(むす   )てしまい、そのためにコーヒーを飲む(の )とドーパミンの興奮(こうふん)が続く(つづ )ようになります。子供(こども)のうち、コーヒーは控え(ひか )た方がよいと言われるのはこのためです。
 さて、コーヒー豆(まめ)には、いろいろな種類(しゅるい)があります。有名(ゆうめい)なところでは、ブルーマウンテン、モカ、コナ、キリマンジャロなどです。みなさんも大きくなったら、いろいろなコーヒーの味(あじ)を飲み(の )比べ(くら )てみてはどんなモンジャロ。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(Μ)
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 ホタルの光 読解マラソン集 小3 春 3番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 毎年五月の終わり(お  )から七月にかけて、ホタルのすがたを見ることができます。夏の夜、水辺(みずべ)の草むらなどで、ホタルが光っているのを見た人もいるでしょう。ホタルは夕方、西の空がだんだん暗く(くら )なって星の光が見えはじめるころから、少しずつ光りはじめます。風がなくて空気が生あたたかい、月明かりのない夜には、特に(とく )多く飛ぶ(と )のが見られます。その光は幻想(げんそう)的(てき)で、多くの人の心をとらえてきました。ではホタルは、何のために光るのでしょうか。 
 ホタルの光は、恋人(こいびと)と知り合うための信号(しんごう)です。ホタルのオスとメスは、真っ暗(ま くら)な夜に相手(あいて)がどこにいるのか探し(さが )ます。しかし暗闇(くらやみ)の中では、お互い( たが )のすがたを見つけるのは大変(たいへん)です。そこでホタルは、光で合図を送っ(おく )て、相手(あいて)のすがたを探し出す(さが だ )のです。 
 まず、オスが一生懸命(いっしょうけんめい)光を出して、暗闇(くらやみ)のどこかにいるメスに信号(しんごう)を送り(おく )ます。それを草の陰(かげ)から見て気に入ったメスは、自分も光を出して「オッケー」のサインを返し(かえ )ます。そうしてオスはメスの光をたよりに、ゆらゆらと近づいて行くわけなのです。
 このため、人間が懐中(かいちゅう)電灯(でんとう)でホタルを照らし(て  )たり、カメラのフラッシュをたいたりすると、ホタルは恋人(こいびと)がさがせなくなってしまうことがあります。
 ホタルには、いろいろな敵(てき)がいます。クモもそのひとつです。ホタル見物(けんぶつ)に行って、光りっぱなしで少しも位置(いち)の変わら(か  )ないホタルは、たいていクモの巣(   す)にひっかかったホタルです。
 川の汚れ(よご )や農薬(のうやく)によって年々数を減らし(へ  )てきたホタルですが、人間の力でホタルを復活(ふっかつ)させる試み(こころ )も各地(かくち)で行われています。ホタルのえさになるカワニナは清流(せいりゅう)で育つ(そだ )ので、川をきれいにすることが最初(さいしょ)の仕事(しごと)です。ホタルの棲め(す )る自然(しぜん)を取り戻す(と もど )ことが、人間にとっても住み(す )よい世界(せかい)を作ることなのです。
「ところで、ホタルさんの好き(す )なカワニナはどこにいるんですか。」
「きれいな川にな。」∵

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(γ)
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 体の軽い鳥 読解マラソン集 小3 春 4番
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 大昔(おおむかし)の鳥の祖先(そせん)は、ほかの動物(どうぶつ)と同じように四本足を使っ(つか )て歩いていました。長い年月のあいだに、前足が翼(つばさ)に進化(しんか)し、今のように空を飛べる(と  )ようになったのです。鳥は、爬虫類(はちゅうるい)の仲間(なかま)から進化(しんか)してきたので、トカゲの前足の骨組み(ほねぐ )と鳥の翼(つばさ)の骨組み(ほねぐ )は、たいへんよく似(に)ており、この二つをくらべると、前足が翼(つばさ)に変わっ(か  )たことがよくわかります。また、前足だけではなく、体をおおっている羽毛の一部(いちぶ)も翼(つばさ)に変わり(か  )ました。風に向かっ(む  )て進む(すす )と、何枚(まい)も重なっ(かさ  )た風切羽(かざきりばね)によって、鳥は体を空中に浮かせる(う   )ことができます。
 しかし、翼(つばさ)だけがいくら立派(りっぱ)でも、飛ぶ(と )ことはできません。翼(つばさ)を動かす(うご  )部分(ぶぶん)も大事(だいじ)です。鳥の胸(むね)の骨(ほね)には大きな出っ張り(で ぱ )があり、船底(ふなぞこ)のような形をしています。そこに、翼(つばさ)をはばたかせる筋肉(きんにく)がついています。鳥の胸(むね)の筋肉(きんにく)は、たいへん発達(はったつ)しており、この筋肉(きんにく)の力で大きな翼(つばさ)をはばたかせることができます。
 自由(じゆう)に空を飛ぶ(と )ためには、体が重く(おも )てはいけません。普通(ふつう)、体を作っているもので、いちばん重い(おも )のは骨(ほね)です。そこで鳥の骨(ほね)は、竹のように中が空洞(くうどう)になっていたり、スポンジのようにスカスカになっているなど、体を軽く(かる )するための工夫(くふう)が見られます。しかし、スカスカの骨(ほね)といっても、すぐ折れ(お )てしまうような弱いものではなく、たいへんかたくて丈夫(じょうぶ)にできています。
 また、体全体(ぜんたい)を軽く(かる )するために、骨(ほね)の数も少なくなっています。あごの骨(ほね)は歯(は)と一緒(いっしょ)になって、くちばしに変わり(か  )ました。歯(は)がないため、鳥は食べ物(た もの)をすべて丸のみにしてしまいます。「鵜(う)のみ」にするのは、鵜(う)だけではなかったということです。ただ、そのままではたいへん消化(しょうか)が悪い(わる )ので、おなかの中で食べた物(もの)を砕く(くだ )ことができるようになっています。その役目(やくめ)をするのが砂肝(すなぎも)です。砂肝(すなぎも)は砂嚢(さのう)とも呼ば(よ )れ、その名のとおり砂(すな)が入っています。砂粒(すなつぶ)によって∵食べ物(た もの)をすりつぶすのです。
 変わっ(か  )ているのはくちばしだけではありません。背骨(せぼね)の数も少なくなっていて、しかも棒(ぼう)のようにまっすぐです。首が自由(じゆう)に動く(うご )のに比べ(くら )て、背骨(せぼね)は自由(じゆう)な動き(うご )がほとんどできません。羽(は)づくろいをする鳥を見ると、体全体(ぜんたい)をひねることができないので、首だけをぐるりとうしろに回しています。しかし、そのおかげで、空を飛ぶ(と )ときに体が安定(あんてい)する上、離着陸(りちゃくりく)の衝撃(しょうげき)から体全体(ぜんたい)が守ら(まも )れるようになったのです。
 体を軽く(かる )しなくてはいけない一方で、鳥は飛ぶ(と )ために多くのエネルギーを必要(ひつよう)とし、どんどん食べ物(た もの)を食べなくてはなりません。そこで鳥は、食べてすぐエネルギーに変わる(か  )ような食物(しょくもつ)をとるようになりました。多くの鳥は草食ではなく肉食です。植物(しょくぶつ)性(せい)のものを食べる鳥もいますが、種子(しゅし)や果実(かじつ)など、すぐにエネルギーになるものを食べます。
 鳥は、少しでも体を軽く(かる )するために、もう一つ工夫(くふう)をしています。それは、フンをためこまないということです。もし、鳥が便秘(べんぴ)になったら大変(たいへん)なことです。フンの重(おも)さで飛べ(と )なくなってしまうからです。公園などでハトにフンをかけられてハッと驚い(おどろ )ても、「フン!」などと憤慨(ふんがい)せずに、「フーン、飛ぶ(と )ためには仕方(しかた)がないのだな」と優しく(やさ  )理解(りかい)してあげましょう。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(κ)
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 人に飼われる昆虫、カイコ 読解マラソン集 小3 春 5番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 カイコは、じょうぶな絹糸(きぬいと)をとるために、昔(むかし)から人間が飼育(しいく)してきた昆虫(こんちゅう)です。中国では、四千年以上(いじょう)も前からカイコを育て(そだ )、美しい(うつく  )絹織物(きぬおりもの)が作られていました。やがて中国で作られた絹織物(きぬおりもの)は、インド、ペルシア、トルコ、ローマなどに運ば(はこ )れるようになりました。そのころの商人(しょうにん)が通った道は、シルクロードとよばれています。ローマでは、絹(きぬ)はたいへん高価(こうか)なものであり、同じ重(おも)さの金と交換(こうかん)されるほどでした。
 カイコの飼育(しいく)は、世界(せかい)各国(かっこく)に広まっていきました。日本でも大正時代(じだい)の終わり(お  )から昭和(しょうわ)の初め(はじ )にかけて、養蚕(ようさん)がさかんになりました。当時、カイコの品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)が進み(すす )、それまでの二倍(ばい)から三倍(ばい)もの長さの糸が取れる(と  )ようになったのです。また、自然(しぜん)の状態(じょうたい)では、カイコが生まれてくるのは春と夏の年二回ですが、季節(きせつ)を問わ(と )ず何度(ど)でもカイコを飼育(しいく)することができるようになりました。そのころ、生糸(きいと)や絹織物(きぬおりもの)の輸出(ゆしゅつ)は、日本の輸出(ゆしゅつ)総額(そうがく)の半分近くを占め(し )ていました。
 生まれてきたカイコの成虫(せいちゅう)、カイコガは、羽が小さいわりに腹(はら)が大きくて、筋肉(きんにく)も弱いため飛ぶ(と )ことができません。人間に飼わ(か )れているカイコガは、野外を飛びまわっ(と    )て仲間(なかま)を見つける必要(ひつよう)もなく、幼虫(ようちゅう)の食べ物(た もの)であるクワの木をさがしてたまごを生む必要(ひつよう)もありません。メスは、クワの木でなくても、手近なものに何でもたまごを産みつけ(う   )ます。まるで、人間がちゃんと幼虫(ようちゅう)の世話(せわ)をしてくれることを知っているようです。飛ぶ(と )必要(ひつよう)がなくなったカイコガは、飛ぶ(と )能力(のうりょく)を失っ(うしな )てしまったのです。
 生まれた幼虫(ようちゅう)は、クワの葉(は)を食べてどんどん大きくなります。カイコを育て(そだ )ているカイコ棚(だな)では、幼虫(ようちゅう)がバリバリとクワの葉(は)を食べる音が、一日中雨の音のように聞こえます。これほど食欲(しょくよく)旺盛(おうせい)な幼虫(ようちゅう)ですが、歩く力がたいへん弱く、三十センチでもクワ∵の葉(は)から離れ(はな )たところに置く(お )と、自分でそこまでたどりつくことができません。歩いて「どこカ、イコう」とはしないのです。
 また、ものにつかまる力も弱いので、野外のクワの木にカイコを放し(はな )ても、生きていくことができません。人間に頼っ(たよ )てクワをクワせてもらっているカイコは、農家(のうか)の人にとっては「カイコ」というより「可愛い(かわい )子」なのかもしれません。
 長い間、人に飼わ(か )れてきたカイコは、人間の世話(せわ)なしでは生きられないようになりました。人間にとって、ほとんど動か(うご )ないカイコは、飼育(しいく)するのにたいへん都合(つごう)がよい昆虫(こんちゅう)です。
 大きく育っ(そだ )た幼虫(ようちゅう)は、さなぎになる準備(じゅんび)を始め(はじ )ます。人間がボール紙などで作った枠(わく)の中に、二日ぐらいかかって厚く(あつ )てじょうぶな繭(まゆ)を作ります。カイコのほかにも、繭(まゆ)を作る昆虫(こんちゅう)はたくさんいますが、糸の量(りょう)と強さでカイコにかなうものはいません。
 一個(こ)の繭(まゆ)からは、約(やく)千五百メートルの絹糸(きぬいと)が取れ(と )ます。着物(きもの)を一着(ちゃく)作るには、約(やく)二千六百個(こ)の繭(まゆ)が必要(ひつよう)で、それだけの繭(まゆ)を作るために必要(ひつよう)なクワの葉(は)は百キログラムです。
「ところで、カイコさん。クワの葉(は)以外(いがい)は食べないんですか。」
「クワンヨ。」
(※最近(さいきん)の品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)では、クワの葉(は)以外(いがい)のものを食べるカイコも作られています)

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(κ)
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 不死身のクマムシ 読解マラソン集 小3 春 6番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 クマムシの体長は、最大(さいだい)でも一ミリメートルぐらいです。八本の脚(あし)でゆっくり歩く姿(すがた)がクマに似(に)ているので、クマムシと名づけられました。熱帯(ねったい)地方から北極(ほっきょく)や南極(なんきょく)まで、深海(しんかい)の底(そこ)から高山の上まで、地球(ちきゅう)上のほぼあらゆるところに生息(せいそく)しています。
 このクマムシは小さなスーパーマンです。といっても、空を飛ん(と )だり列車(れっしゃ)を止めたりするわけではありません。実は(じつ )、この生き物(い もの)はほとんど不死身(ふじみ)なのです。
 クマムシの体の大部分(ぶぶん)は水分ですが、周囲(しゅうい)が乾燥(かんそう)してくると、水分を極度(きょくど)に減らし(へ  )、樽(たる)のような形になって眠り(ねむ )に入ります。
 この樽(たる)の状態(じょうたい)になったクマムシは、宇宙(うちゅう)の真空(しんくう)の中でも生き続け(つづ )ます。また、マイナス二百七十二度(ど)という絶対(ぜったい)零(れい)度(ど)の世界(せかい)でも、摂氏(せっし)百五十度(ど)という熱湯(ねっとう)より熱い(あつ )温度(おんど)の中でも生きています。更に(さら )、七万五千気圧(きあつ)という高圧(こうあつ)を受け(う )ても、人間の致死(ちし)量(りょう)の千倍(ばい)のX線を浴び(あ )ても、樽(たる)になったまま生きているのです。百二十年間眠っ(ねむ )ていたクマムシに水を与え(あた )たら動き出し(うご だ )たという報告(ほうこく)もあります。
 クマムシはどこにでも棲ん(す )でいますが、採集(さいしゅう)するには、コケの中を探す(さが )のが簡単(かんたん)です。建物(たてもの)の陰(かげ)などに生えているコケを取っ(と )てきて、ストッキングなど細かい網(あみ)の上に乗せ(の )ます。コケに水を注ぐ(そそ )と、網(あみ)の下に落ち(お )てくる水と一緒(いっしょ)にクマムシも落ち(お )てきます。それを顕微鏡(けんびきょう)で丹念(たんねん)に探す(さが )のです。
 樽(たる)状態(じょうたい)になったクマムシを参考(さんこう)にして、人間の臓器(ぞうき)を長期間(ちょうきかん)保存(ほぞん)する研究(けんきゅう)も行われています。将来(しょうらい)、宇宙(うちゅう)飛行(ひこう)で何年も先の星に行くときには、人間も樽(たる)になって行くようになるかもしれません。
「クマムシさん、こんなに過酷(かこく)な実験(じっけん)をされて、よク、マー、ムシしていられましたね。もっと厳しい(きび  )実験(じっけん)をされたらどうしますか。」∵
「タルになったる。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(Μ)
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 森の掃除屋、キノコ 読解マラソン集 小3 春 7番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 秋の雨あがりの日に、林に出かけると、たくさんのキノコが落ち葉(お ば)の間から顔を出しています。色とりどりのキノコの中には、食べられるキノコもたくさんあります。毒(どく)キノコと食べられるキノコは、どうやって見分けたらよいのでしょう。毒々しい(どくどく  )派手(はで)な色のキノコや、嫌(いや)な臭い(にお )がするキノコは毒(どく)キノコである、茎(くき)が縦(たて)に裂ける(さ  )ものは食べられる、ナスと一緒(いっしょ)に煮れ(に )ば毒(どく)が消える(き  )など、昔(むかし)からの言い伝え(い つた )はたくさんあります。しかし、これらの多くは迷信(めいしん)です。キノコ中毒(ちゅうどく)を防ぐ(ふせ )には、とったキノコを一つ一つ図鑑(ずかん)などできちんと調べる(しら  )必要(ひつよう)があります。
 食用キノコの代表(だいひょう)は、マツタケやシメジ、シイタケなどです。「香り(かお )マツタケ、味(あじ)シメジ」という言葉(ことば)があるように、マツタケはたいへん香り(かお )が良く(よ )、シメジは味(あじ)の良い(よ )キノコです。タマゴタケは、あざやかな色をしていて、毒(どく)キノコと間違え(まちが )られますが、西洋(せいよう)では「帝王(ていおう)のキノコ」と言われ、おいしい食用キノコです。毒(どく)キノコの代表(だいひょう)は、テングタケやツキヨタケなどで、ドクツルタケは、うっかり食べると死ん(し )でしまうほどの猛毒(もうどく)があります。
 キノコの体は、地面(じめん)から出ている部分(ぶぶん)だけではありません。地下の部分(ぶぶん)を見ると、白い綿(わた)のように、細い糸がからまっているのがわかります。キノコの本体は、この菌糸(きんし)体という部分(ぶぶん)なのです。地面(じめん)から出ているキノコは、たいてい数日で腐っ(くさ )てしまいますが、菌糸(きんし)体は何十年も成長(せいちょう)し続け(つづ )ます。菌糸(きんし)体は、円形に広がるように大きくなっていくので、キノコも輪(わ)になって生えていることがよくあります。キノコ狩(が)りに行って、キノコを一つ見つけたら、そこから輪(わ)を描く(えが )ようにキノコが生えていないか、よく探し(さが )てみるとよいでしょう。
 普通(ふつう)、植物(しょくぶつ)には緑色(みどりいろ)の葉緑素(ようりょくそ)があり、太陽(たいよう)の光を受け(う )て光合成(こうごうせい)を行い、自分で栄養(えいよう)を作って成長(せいちょう)します。しかし、葉緑素(ようりょくそ)を持っ(も )∵ていないキノコは、自分で栄養(えいよう)を作り出すことができません。キノコは、カビや細菌(さいきん)と同じ仲間(なかま)で、菌類(きんるい)に分類(ぶんるい)されます。では、菌類(きんるい)はどこから栄養(えいよう)をとっているのでしょうか。
 キノコの生える森や林では、大量(たいりょう)の落ち葉(お ば)や動物(どうぶつ)の死骸(しがい)など、たくさんのゴミが出ます。しかし、森や林がゴミだらけになっていることはありません。実は(じつ )、落ち葉(お ば)や死骸(しがい)などのゴミを食べているのが、キノコやカビという菌類(きんるい)なのです。生き物(い もの)の死骸(しがい)を分解(ぶんかい)して、食べてくれる菌類(きんるい)は、森の掃除屋(そうじや)のような役割(やくわり)をしています。みなさんも、自分の部屋(へや)を掃除(そうじ)せずに、ずっとゴミを散らかし(ち   )ておくと、ゴミの中からかわいいキノコが顔を出すかもしれません。
 植物(しょくぶつ)が光合成(こうごうせい)をするには、二酸化炭素(にさんかたんそ)などの原料(げんりょう)が必要(ひつよう)です。もし、二酸化炭素(にさんかたんそ)を補給(ほきゅう)しないで、地球(ちきゅう)上の植物(しょくぶつ)が光合成(こうごうせい)を続け(つづ )たら、数百年で二酸化炭素(にさんかたんそ)はなくなってしまいます。しかし、植物(しょくぶつ)は何億(おく)年もの長い間、生き続け(つづ )てきました。実は(じつ )、これはキノコなどの菌類(きんるい)のおかげなのです。動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)の死骸(しがい)は、菌類(きんるい)の酵素(こうそ)によってだんだん単純(たんじゅん)な物質(ぶっしつ)に分解(ぶんかい)されていきます。こうして、動植物(どうしょくぶつ)のからだを作っていた物質(ぶっしつ)は、菌類(きんるい)の働き(はたら )によって、もとの単純(たんじゅん)な水や二酸化炭素(にさんかたんそ)などの物質(ぶっしつ)に戻る(もど )のです。
 そんな重要(じゅうよう)な役割(やくわり)を果たし(は  )ているキノコさんに聞いてみました。
「キノコさんは木の子なんですか。」
「いや、ぼくはキノコの子だよ。」
「すると、キノコさんの子は、キノコノコですね。」
「そう、そのまた子供(こども)はキノコノコノコだよ。」
「十代(だい)先まで言えますか。」
「キノコノコノコ ノコノコノコ ノコノコノコ……。」
「歩いて行っちゃった。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(κ)
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 命を救った犬ぞり 読解マラソン集 小3 春 8番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 シベリアやアラスカといった、寒(さむ)さの厳しい(きび  )地方で暮らす(く  )人々は、古くから、人や物(もの)を運ぶ(はこ )ために、犬ぞりを使っ(つか )てきました。シベリアン・ハスキーやサモエド、アラスカン・マラミュートといった種類(しゅるい)の、寒(さむ)さに強く、力持ち(ちからも )の犬たちにそりを引かせるのです。これらの犬たちは、ふさふさした毛と厚い(あつ )脂肪(しぼう)を持っ(も )ているため、北極(ほっきょく)の氷(こおり)の上で眠っ(ねむ )ても平気(へいき)です。また、長い距離(きょり)を走っても耐え(た )られる、すぐれた体力の持ち主(も ぬし)です。
 なかでもハスキー犬は、探検(たんけん)家ピアリーやアムンゼンによる北極(ほっきょく)や南極(なんきょく)探検(たんけん)に使わ(つか )れ有名(ゆうめい)になりました。また、ドッグレースや犬ぞりレースで、いつも優秀(ゆうしゅう)な成績(せいせき)を収め(おさ )ていました。
 あるとき、アラスカのノームという町に、ジフテリアという恐ろしい(おそ   )病気(びょうき)がはやりました。現在(げんざい)では多くの国で予防(よぼう)接種(せっしゅ)が行われているので、ジフテリアはほとんど流行(りゅうこう)することがありません。しかし、当時はまだ、おおぜいの人が死ぬ(し )こともある怖い(こわ )病気(びょうき)でした。ジフテリアの症状(しょうじょう)を抑える(おさ  )には、ワクチンという薬(くすり)が必要(ひつよう)ですが、この時ノームの町では、ワクチンが底(そこ)をついてしまいました。あまりに患者(かんじゃ)が多かったからです。このままでは、人々がどんどん死ん(し )でしまいます。
 ノームの町からアラスカ州(しゅう)の政府(せいふ)があるアンカレッジに、助け(たす )を求める(もと  )連絡(れんらく)が入りました。すぐにでも、ワクチンを送ら(おく )なければなりません。しかし、その時はとても天気が悪く(わる )、猛(もう)吹雪(ふぶき)が続き(つづ )、飛行機(ひこうき)を飛ばす(と  )ことができません。自動車(じどうしゃ)でさえ走れないようなひどい嵐(あらし)です。ワクチンをラクチンに運べる(はこ  )ような状況(じょうきょう)ではありませんでした。
 「そうだ。犬ぞりで運ぼ(はこ )う。」政府(せいふ)は、そう決断(けつだん)しました。そして、すぐさま村々に連絡(れんらく)が行きました。ただちに二十の犬ぞりチームが、ワクチンを届ける(とど  )ために準備(じゅんび)をしました。
 外は、マイナス五十度(ど)にもなる厳しい(きび  )寒(さむ)さと、荒れ狂う(あ くる )吹雪(ふぶき)で∵す。この中を、二十の犬ぞりチームは五日間かけて走り通し、ワクチンは無事(ぶじ)にノームに届け(とど )られたのです。このおかげで、数百人の命(いのち)が救わ(すく )れました。
 このときの働き(はたら )をたたえて、ハスキー犬の銅像(どうぞう)が、ニューヨークのセントラル・パークに立てられています。また、この出来事(できごと)を記念(きねん)して、毎年、世界(せかい)でいちばん難しく(むずか  )いちばん長い犬ぞりレースがアラスカで行われるようになりました。このレースは、アンカレッジからノームまでを人間一人と犬たち十数匹(ひき)で走るレースです。ふつう、ゴールするのに三週間くらいかかるそうです。
 犬たちのがんばりも相当(そうとう)なものですが、人間の根性(こんじょう)もたいしたものです。こんなに大変(たいへん)なレースの後では、犬たちに号令(ごうれい)をかけ続け(つづ )た人間の声もしわがれて、きっと「ハスキー・ボイス」になってしまうことでしょう。
 寒い(さむ )地方で使わ(つか )れる犬ぞりのほかに、日本にもさまざまなそりがあります。有名(ゆうめい)なところでは、エビぞり、ひげそり、のっそり、ごっそり、もっそり、こっそり、ひっそり、げっそり、などです。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(τ)
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 アジサイの花の色 読解マラソン集 小3 春 9番
 読解マラソン集は、みなさんの声を取り入れて編集します。ご意見ご要望は、マラソン広場まで。 http://www.mori7.com/marason/hiroba/
 梅雨(つゆ)の季節(きせつ)をいろどってくれる花に、アジサイがあります。この花は、いろいろな色に変化(へんか)することで有名(ゆうめい)で、そのせいか、花言葉(はなことば)には「移り気(うつ ぎ)な心」などというものもあります。そのほかの花言葉(はなことば)、「強い愛情(あいじょう)」や「家族(かぞく)の結びつき(むす   )」は、きっと、小さい花がたくさんあつまって咲い(さ )ているところからきたのでしょう。
 アジサイの花の色は、咲き(さ )始め(はじ )の緑(みどり)がかった白っぽい青色から、薄い(うす )ピンク、紫(むらさき)、そしてしだいに濃い(こ )紫(むらさき)や藍色(あいいろ)に変わっ(か  )ていきます。色がついているこれらの部分(ぶぶん)は、じつは花びらではありません。葉(は)が変化(へんか)したもので、「がく」と呼ば(よ )れることもあります。本当の花は、このがくの真ん中(ま なか)に、ちょこんと小さく丸くついています。このように花以外(いがい)の部分(ぶぶん)が発達(はったつ)して花のようになっている花を装飾(そうしょく)花と言います。南国の雰囲気(ふんいき)を持つ(も )ブーゲンビリアや、クリスマスに飾ら(かざ )れるポインセチアなども装飾(そうしょく)花です。
 では、アジサイの花は、どうして色が変わる(か  )のでしょうか。
 どんな色のアジサイも、その色の素(もと)になっているのは、アントシアニンという色素(しきそ)です。この色素(しきそ)は、条件(じょうけん)によって、赤い色を出したり、青い色を出したりすることができます。ここで、色の鍵(かぎ)を握っ(にぎ )ているのが、アジサイが土の中から吸い上げる(す あ  )、アルミニウムという金属(きんぞく)です。一円玉は、このアルミニウムで作られています。土の中には、アルミニウムをはじめ、いろいろな金属(きんぞく)が目に見えない形で溶け(と )ています。これを植物(しょくぶつ)の根(ね)が吸い上げる(す あ  )のです。
 アルミニウムが多いと、アジサイは青くなります。逆に(ぎゃく )、アルミニウムが少ないと赤くなります。その中間は紫(むらさき)です。このアルミニウムは、土の性質(せいしつ)が酸性(さんせい)だと、土の中にイオンとして溶け(と )出すので、アジサイが吸い上げ(す あ )やすくなります。逆に(ぎゃく )、土の性質(せいしつ)がアルカリ性(    せい)だと、アルミニウムはアルカリと結びつい(むす   )て塩(えん)になってしまうので、アジサイが吸い上げ(す あ )にくくなります。こうして、土の∵性質(せいしつ)によって、アジサイの色は変わる(か  )のです。ですから、おとなりのアジサイの色が気に入って分けてもらい、わが家に植え(う )ても、同じ色になるとは限り(かぎ )ません。
 ところで、日本のアジサイを世界(せかい)に紹介(しょうかい)したのは、江戸(えど)時代(じだい)の終わり(お  )ごろに日本にやってきたドイツ人の医者(いしゃ)、シーボルトでした。この時代(じだい)の日本は、鎖国(さこく)の状態(じょうたい)で、人も物(もの)も自由(じゆう)に外国と行き来することはできませんでした。しばらくのあいだ日本に暮らし(く  )た彼(かれ)は、植物(しょくぶつ)にもたいへん興味(きょうみ)を持ち(も )、日本のいろいろな植物(しょくぶつ)を持ち帰り(も かえ )ました。シーボルトは、その中でもひときわ大きくてきれいなアジサイに、「オタクサ」という名前をつけました。これは、シーボルトが日本にいるときに愛し(あい )た女性(じょせい)、「お滝(たき)さん」の名前です。ドイツに戻っ(もど )たシーボルトは、庭(にわ)にそのオタクサを植え(う )て、「オー、タクサんのオタクサが咲い(さ )た。」と見とれていたかもしれません。
 アジサイと同じように、人間も、好き(す )な人の前で赤くなったり、宿題(しゅくだい)を忘れ(わす )て青くなったりしますが、これはアルミニウムとは関係(かんけい)ありません。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(τ)
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 お茶の種類 読解マラソン集 小3 春 10番
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 最近(さいきん)では、ペットボトル入りのお茶や缶(かん)入りのお茶が、たくさん売られるようになってきました。緑茶(りょくちゃ)、ウーロン茶、紅茶(こうちゃ)、その他(  た)さまざまな種類(しゅるい)のお茶がブレンドされて、いろいろな名前で売られています。では、これらのお茶は、みんな違う(ちが )種類(しゅるい)の木からとれるのでしょうか。
 じつは、緑茶(りょくちゃ)もウーロン茶も紅茶(こうちゃ)も、同じお茶の木(き)の葉(は)が原料(げんりょう)です。それなのに、なぜ色も味(あじ)も違う(ちが )かというと、作り方が違う(ちが )からです。
 お茶を作るには、まず、お茶の木から葉(は)を摘み取り(つ と )ます。このあと、放(ほう)っておくと、お茶の葉(は)はすぐに発酵(はっこう)を始め(はじ )ます。お茶の葉(は)の中にある酸化(さんか)酵素(こうそ)が酸素(さんそ)を取り込ん(と こ )で、お茶の葉(は)の成分(せいぶん)を変化(へんか)させてしまうのです。特に(とく )お茶の葉(は)の中にあるカテキンやビタミンCは、酸素(さんそ)と結びつき(むす   )やすく、たくさんの酸素(さんそ)と結びつく(むす   )ほど、お茶の色も緑色(みどりいろ)から茶色そして赤色へと変化(へんか)していきます。ですから、緑茶(りょくちゃ)とウーロン茶と紅茶(こうちゃ)の色の違い(ちが )は、酸化(さんか)の色の違い(ちが )なのです。
 緑茶(りょくちゃ)は、葉(は)を摘み取る(つ と )とすぐに熱い(あつ )蒸気(じょうき)に当てたり釜(かま)で炒っ(い )たりして、発酵(はっこう)させないようにします。熱い(あつ )温度(おんど)にすることで、お茶の葉(は)の中の酵素(こうそ)がこわれて発酵(はっこう)できなくなるのです。このお茶の葉(は)をよくもんで形を整え(ととの )、乾燥(かんそう)させたものが緑茶(りょくちゃ)です。発酵(はっこう)しないので緑(みどり)の色が残り(のこ )、カテキンやビタミンCもたくさん残っ(のこ )ています。
 これに対して( たい  )、ウーロン茶や紅茶(こうちゃ)は、逆(ぎゃく)に発酵(はっこう)を助け(たす )てやるために摘み取り(つ と )の後に別(べつ)の処理(しょり)をします。お茶の葉(は)を日光に当てたり、温風(おんぷう)に当てたりして葉(は)をしおれさせる作業(さぎょう)です。ウーロン茶は、半発酵(はっこう)の状態(じょうたい)のときに釜(かま)で炒っ(い )て発酵(はっこう)を止めます。そして乾燥(かんそう)をさせ、再び(ふたた )加熱(かねつ)して香ばし(こう  )さを出します。紅茶(こうちゃ)は完全(かんぜん)発酵(はっこう)になるまで発酵(はっこう)させ、乾燥(かんそう)させて完成(かんせい)させます。∵
 ウーロン茶と紅茶(こうちゃ)は、発酵(はっこう)させた分だけ緑茶(りょくちゃ)に比べ(くら )てカテキンやビタミンCが少なくなりますが、その代わり(か  )に、大変(たいへん)よい香り(かお )を持っ(も )ています。
 緑茶(りょくちゃ)に多く含ま(ふく )れているカテキンは、緑茶(りょくちゃ)の渋味(しぶみ)と色を作る大切な成分(せいぶん)ですが、最近(さいきん)、このカテキンの殺菌(さっきん)作用が注目(ちゅうもく)されています。カテキンには、インフルエンザのウィルスや食中毒(しょくちゅうどく)の菌(きん)の働き(はたら )を抑える(おさ  )力があります。ですから、カゼのはやる季節(きせつ)には、お茶でうがいをするといいそうです。
 また、カテキンには、癌(がん)を予防(よぼう)したり、高血圧(こうけつあつ)を下げたり、虫歯(むしば)になりにくくしたり、といった健康(けんこう)にいい効果(こうか)もあると言われています。私(わたし)たち日本人は、昔(むかし)から食事(しょくじ)のときに緑茶(りょくちゃ)を飲ん(の )できましたが、これは健康(けんこう)のためにはとてもいいことだったのです。
 では、カテキンの多い緑茶(りょくちゃ)と、香り(かお )のよいウーロン茶や紅茶(こうちゃ)を混ぜ(ま )て飲ん(の )だらどうなるでしょう。答えは、ゴチャゴ茶です。そりゃ、無茶苦茶(むちゃくちゃ)や。

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(τ)
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 ハチの社会 読解マラソン集 小3 春 11番
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 朝早くから夜遅く(おそ )まで、一生懸命(いっしょうけんめい)働く(はたら )ことを「働きバチ(はたら   )のように働く(はたら )」と言うことがあります。忙しく(いそが  )花の周り(まわ )を飛び回っ(と まわ )てせっせと蜜(みつ)や花粉(かふん)を集め(あつ )て巣(す)へ運ぶ(はこ )働きバチ(はたら   )の様子(ようす)が、日本のサラリーマンの働き(はたら )方に似(に)ていることからできた言葉(ことば)です。働き者(はたら もの)というよりは、むしろ働き(はたら )過ぎ(す )という悪い(わる )意味(いみ)で使わ(つか )れることが多いようです。しかし、働きバチ(はたら   )たちは、本当に長い時間忙しく(いそが  )働い(はたら )ているのでしょうか。
 ある学者(がくしゃ)が、働きバチ(はたら   )に背番号(せばんごう)をつけて観察(かんさつ)をしました。それによると、働きバチ(はたら   )が一日に働く(はたら )時間は五、六時間で、それ以外(いがい)の時間は巣(す)の中でのんびり過ごし(す  )ていることがわかりました。日本人の一日の平均(へいきん)労働(ろうどう)時間は約(やく)八時間ですから、人間の大人の方がよっぽど働い(はたら )ているように思えます。
 ミツバチもそうですが、、多くの動物(どうぶつ)は、よけいな仕事(しごと)はできるだけしないようにして、休息(きゅうそく)の時間が多くなるような生活をしています。豊か(ゆた )な暮らし(く  )のためにたくさん働こ(はたら )うとする人間とは、全く(まった )逆(ぎゃく)の生活に見えます。敵(てき)の攻撃(こうげき)から巣(す)を守り(まも )、なわばりをつくり、生き抜い(い ぬ )ていく必要(ひつよう)のある動物(どうぶつ)にとっては、財産(ざいさん)よりも休息(きゅうそく)のほうが意味(いみ)があるというわけです。
 さて、パワーのある働きバチ(はたら   )はオスでしょうかメスでしょうか。意外(いがい)なことに働きバチ(はたら   )はすべてメスです。人間の社会も、サラリーマンという男性(だんせい)中心の社会から、キャリアウーマンという女性(じょせい)が活躍(かつやく)する社会になりましたが、ハチの世界(せかい)の方が一歩進ん(すす )でいたようです。
 働きバチ(はたら   )は、生まれてから期間(きかん)ごとに仕事(しごと)の内容(ないよう)を変え(か )て行きます。羽化(うか)してから五日ほどは、巣(す)のそうじをし、その後十二日目くらいまでは女王や幼虫(ようちゅう)の世話(せわ)をします。二週目から三週目ほどは巣(す)作りや、蜜(みつ)を巣(す)にためる仕事(しごと)をします。それから四週目までは巣(す)∵の見張り(みは )をするようになり、やがて外に出て蜜(みつ)集め(あつ )をするようになります。巣(す)の内側(うちがわ)の仕事(しごと)から、段階(だんかい)を追っ(お )て外回りの仕事(しごと)になっていく様子(ようす)がわかります。働きバチ(はたら   )の寿命(じゅみょう)は六、七週間ですから、年を取る(と )につれて、巣(す)から離れ(はな )て遠くまで蜜(みつ)を取り(と )に行ったり、敵(てき)と戦っ(たたか )たりする危険(きけん)な仕事(しごと)になっていることがわかります。
 それでは、ハチの世界(せかい)の男性(だんせい)、オスバチは何をしているのでしょう。オスは、女王バチと一緒(いっしょ)に子供(こども)をつくるとき以外(いがい)は、巣(す)の中で何もせずにただ暮らし(く  )ているだけです。しかし、そんなオスバチにバチが当たるようなことはありません。ハチの社会は、心優しい(やさ  )働き者(はたら もの)の女性(じょせい)たちで支え(ささ )られているのです。
 今日もハチたちは、花から花へ蜜(みつ)を集め(あつ )て回っています。
「あ、ミツ、ミツけた。」
「じゃあ、仲間(なかま)に知らせてこよう。おーい、ミツ……」
「バチン。」
「あいたたた。ハチ合わせしちゃった。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(μ)
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 コロンブスの大陸発見 読解マラソン集 小3 春 12番
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 コロンブスの時代(じだい)、人々はまだ、地球(ちきゅう)が丸いとは思っていませんでした。そのころ、ヨーロッパ諸国(しょこく)は、貿易(ぼうえき)を行いキリスト教を広めるため、さかんに船で東方にあるアジア進出(しんしゅつ)を目指し(めざ )ていました。この時代(じだい)を大航海(こうかい)時代(じだい)と呼ん(よ )でいます。
 イタリア生まれのコロンブスは、東を目指す(めざ )人々とは異なる(こと  )考えを持っ(も )ていました。彼(かれ)は、地球(ちきゅう)が丸いことを信じ(しん )ていました。アフリカの南をまわってアジアを目指す(めざ )よりも、大西洋(たいせいよう)を西へ進ん(すす )だほうが、ずっと早くアジアにたどり着ける(   つ  )はずだと考えたのです。もう一つ、コロンブスに航海(こうかい)を決心(けっしん)させたものがあります。それは、マルコ・ポーロの「東方見聞録(ろく)」でした。そこに書かれていた、黄金の国ジパング(日本)は、ヨーロッパの人のあこがれの的(まと)でした。彼(かれ)はスペインの女王の援助(えんじょ)を受け(う )、サンタ・マリア号(ごう)に乗っ(の )て、西回りでアジアに行く計画を実行(じっこう)することになりました。
 このとき、コロンブスが要求(ようきゅう)したことは、もしインドを見つけたらその宝(たから)の十分の一を自分がもらうこと、発見(はっけん)した土地の総督(そうとく)になること、スペインの貴族(きぞく)になることなどでした。当時、遠洋(えんよう)航海(こうかい)には莫大(ばくだい)な資金(しきん)が必要(ひつよう)でした。このため、イギリスやフランスは、コロンブスの提案(ていあん)を受け入れる(う い  )ことができませんでした。コロンブスにとってもスペインの女王にとっても、航海(こうかい)は大きな賭け(か )だったのです。
 サンタ・マリア号(ごう)の乗組(のりくみ)員(いん)たちは、地図にも載っ(の )ていない未知(みち)の海域(かいいき)へと航海(こうかい)に出ました。そして、二か月以上(いじょう)の航海(こうかい)を経(へ)て、ようやく陸地(りくち)を見つけることができたのです。コロンブスの考えでは、そこはアジアのはずでした。
 地球儀(ちきゅうぎ)を見るとわかりますが、ヨーロッパから西に向かっ(む  )て大西洋(たいせいよう)を横断(おうだん)すると、巨大(きょだい)なアメリカ大陸(    たいりく)にぶつかります。アメリカ大陸(    たいりく)を越え(こ )て広い太平洋(たいへいよう)を横断(おうだん)しなければ、アジアに∵到着(とうちゃく)することはできません。実際(じっさい)の地球(ちきゅう)は、コロンブスが考えているより、ずっと大きかったのです。
 アメリカ大陸(    たいりく)の存在(そんざい)を知らなかったのですから、コロンブスが新大陸(しんたいりく)をアジアだと思ったのも無理(むり)はありません。コロンブスは、上陸(じょうりく)した島々(しまじま)に名前をつけ、スペインの領土(りょうど)としました。
 当時、インドという言葉(ことば)は漠然と(ばくぜん )アジア全体(ぜんたい)を指す(さ )言葉(ことば)としても使わ(つか )れていました。アメリカ大陸(    たいりく)にもともと住ん(す )でいた人々を、コロンブスはインドの人という意味(いみ)でインディオスと呼び(よ )ました。
 スペインに帰ったあと、彼(かれ)の発見(はっけん)はたいへんな評判(ひょうばん)になりました。彼(かれ)は一生、自分が発見(はっけん)した陸地(りくち)をアジアだと信じ(しん )ていたそうです。
 コロンブスのタマゴの話は有名(ゆうめい)です。この話を聞いて、ある人が同じようにタマゴを立てようとすると、タマゴはうまく立たずに、コロン。その人はブスっとしていたそうです。はい、縮め(ちぢ )て言うと、コロン。ブス。

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