森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 レコードのしくみ τ
 世界で初めて、音を記録する機械を発明したのは、発明王エジソンです。今から百三十年くらい前、一八七七年のことでした。彼は、薄い金属のスズを筒のようにしたものに、音の強さによって深さのちがう溝を刻みました。音というのは、空気がふるえて聞こえるものですが、大きな音は大きなふるえなので深い溝、小さな音は小さなふるえなので浅い溝として記録することができます。このエジソンの発明にさらに工夫が重ねられ、この記録をまた音として再生することができるようになりました。
 最初は筒状だった記録器は、やがて薄い円盤状のものになりました。これはレコードと呼ばれ、昭和の時代には、みんなこのレコードで音楽を聞いていました。ちなみに、「レコード」というのは、英語で「記録」という意味も持っています。
 レコードは塩化ビニルというプラスチックでできていて、音は表と裏の両面に、目に見えないくらいの細かい溝として刻まれていました。そして、先端にダイヤモンドの針がついたプレーヤーにのせて、針を溝にあて、レコードを回転させます。その針のふるえを音に直して聞くのです。ですから、全部を聞くためには、途中で表と裏をひっくり返さなければなりませんでした。
 また、レコードはプラスチックでできていますので、何度も繰り返し聞いていると、溝のでこぼこがすり減ってきて、音が悪くなります。また、雑音も入りやすかったのです。それに、一番長い曲を録音できるLPレコードは、両面合わせて最大1時間くらいの曲が録音可能でしたが、直径が三十センチメートルくらいある大きなものでした。
 今ではすっかりCDに取って代わられてしまいましたが、しかし、雑音を含めたレコードの音に温かみがあっていい、という昔ながらのファンも根強くいるようです。そういうファンの人たちに言わせると、オーケストラの演奏などのレコードでは、楽器の当たるかすかな音、演奏者の息づかいなども聞こえてくるそうです。
 CDが出回り始めたころ、裏面も聞こうと思い、ひっくりかえしてプレーヤーにかけてみた人は、かなりいたことでしょう。