森の長文/読解マラソン長文
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大時計の針 μ
時計には、時を指す針のあるアナログのものと、数字で時刻を示すデジタルがあります。アナログの時計では、腕時計をはじめとして、時針と分針のほかに秒針のついているものもあります。短い時間を計るときや、正確な時刻をカウントダウンするときに、大変便利です。ところが、駅にある時計やビルについている時計のように大きな物になると、時針と分針だけになります。これは、どうしてでしょうか。
その理由は、簡単に言うと時計の大きさと針の重さの問題です。腕時計の針を見るとわかるように、秒針はたいへん細くて軽く出来ています。針を動かす時に、重さの影響を受けるのを少なくしているのです。サイズが小さく軽いと、小さな力で動かすことが出来ます。ところが、建物の壁に取り付けられる時計は、遠くからでも、たくさんの人が見ることが出来るように大きく作られています。大きくなれば針も丈夫に作らなければならず、どうしても重くなってしまうため、簡単には動かすことが出来なくなるというわけです。 針を動かす力を考えていくと、同じひとつの時計の中でも違いが出てきます。針が一時から五時くらいまでの位置では、針は上から下へ動くため、針の重さで速く動こうとします。ところが、七時から十二時までの位置では、重力に逆らって針を持ち上げなくてはならないため、反対に動きが遅くなってしまいます。しかも、針の傾く角度によって、針にかかる重力が違うので、いつも同じ力で同じ速度を保つということにはならないのです。 したがって、大きく重い秒針を動かそうと思ったら、秒針の速度を調節するための複雑な機械を付けておかなくてはなりません。大きな時計では、針や時計本体の重さに加えてさらに装置の重さが増えることになるのです。こういった理由で、大きな時計には秒針が取り付けられなくなったのです。
このことは秒針だけではなく、もっと重く大きな時針や分針にも言えることです。何十キロもある針を動かすには、摩擦などすごい力がかかっています。だから機械に負担をかけずに正確に動かすために、大きな時計の分針は、三十秒に一回動くような仕組みになっています。そうすることによって、機械を壊れにくくしているわけです。
伊豆の土肥海岸には、世界最大の針を持つ時計があります。ここでは、時計を地面に水平に設置することで、針にかかる重力をいつも同じに保てるような工夫がされています。ギネス記録の大時計は、大空に向かって時を刻んでいます。地上からは、ちょっと時刻が読みづらいかもしれません。