森の長文/読解マラソン長文
●文章類似度判定
魚のうろこ κ
私たち人間の体は、やわらかい皮膚でおおわれていますが、魚の体の表面には、かたいうろこがあります。うろこは、皮膚の一部が変化したものです。魚の種類によって、うろこの形はさまざまです。マツカサウオは分厚いうろこを持っていますし、ハリセンボンは、針のようにとがったうろこを持っています。なぜ魚にはうろこがあるのでしょうか。
生物の体は、細胞からできています。細胞は、小さな部屋のようなもので、まわりは薄い膜がおおっています。この膜には、特別な性質があります。それは、薄い水から濃い水のほうにだけ水分を通す性質です。たとえば、細胞の中に入っている水が、まわりの水より薄ければ、細胞から外へ、水がどんどん出ていきます。ナメクジに塩をかけると小さくなるのは、ナメクジの細胞から水が出ていってしまうからです。逆に、細胞の中の水のほうが濃いときは、まわりからどんどん水が入ってきます。
魚が住んでいるのは、池や川のような真水か、塩分の濃い海の水の中です。もし魚の体の表面が、ナメクジのようだったらどうなるでしょう。真水に住む魚は、体の中にどんどん水が入ってきてしまうし、海水に住む魚は、まわりの海水を薄めるように、体の中の水がどんどん出て行ってしまいます。それを防ぐ働きをするのがうろこです。うろこは水を通さないようにできているので、体の水が勝手に出て行ったり、外の水が勝手に入ったりしません。
一枚のうろこを、くわしく観察すると、おもしろいことがわかります。魚の種類によっても違いますが、うろこには模様があり、中心から放射状にみぞがあります。このみぞを見ると、魚のだいたいの年齢を知ることができます。これは、ちょうど植物の年輪によく似ています。サバにもうろこがあるので、残念ながら年齢をサバ読むことができないのです。