森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 アザラシ κ
 アザラシは、よく見るとかわいらしい動物です。ある動物学者は著書に、アザラシの顔はネコにそっくりだと書いています。しかし、ドイツ語では「海のイヌ」という名前だし、日本語では「海のヒョウ(海豹)」と書きます。アザラシは、見方によっては、いろいろな動物に似ているのかもしれません。
 かわいらしい顔で人気のアザラシですが、水族館でアシカのショーがあっても、アザラシのショーはめったにありません。その理由は、アシカの方が陸上で動きやすい体をしているからです。アザラシは、ずんぐりした体型をしているため、陸上を歩くのが下手で、アシカのような離れ業はできないのです。アザラシに、なぜアシカのように上手に歩けないのか聞いてみると、こう言うかもしれません。「問題は足か……。」
 アザラシは、たいてい一匹ずつ子どもを生みます。ところが、たまに双子の赤ちゃんが生まれることがあります。そうすると、アザラシのお母さんは、元気な方の一匹だけを連れて水の中に入り、もう一匹は陸上に置き去りにします。人間から見ると、ひどい仕打ちに見えますが、二匹を育てるには、お母さんアザラシのお乳が足りません。お母さんは、両方死なせてしまうよりは、一匹だけでも育てた方がよいと考えます。自然界では、強い方が生き残るというのは、ごく当たり前のことなのです。
 日本では、ときどき迷いアザラシがニュースになります。たいていは、生まれて間もない赤ちゃんや、小さな子どものアザラシです。アザラシの子どもは泳ぐのがまだ下手なので、天候が悪くなると流されて、親とはぐれてしまうのです。迷いアザラシは野生の動物なので、見つけてもエサをやったりするのは好ましくありません。見つけたら静かに見守り、水族館や動物園に知らせて、専門家にまかせるのが一番です。