森の長文/読解マラソン長文
●文章類似度判定
右と左 α
鏡をつかっておもしろいことをしてみましょう。あなたの顔が正面から大きくうつっている写真を用意します。それから、目のまんなか、鼻、口を通る顔の中心の線の上に鏡を立てます。すると、写真の半分と鏡にうつったその半分とを合わせて、片方側だけからできた左右対称の顔になります。鏡の向きを変えると、もう片方側でも同じことができます。
するとどうでしょう。右側だけでできた顔と左側だけでできた顔とでは、かなりちがった印象を受けます。目の大きさやほっぺたの形など、意外に右と左とでは異なっているものです。
顔だけではありません。人の体は、左右対称に思えますが、実は少しちがっています。手足の長さや筋肉のつきかたなども同じではないのです。
人がまっすぐに歩くのは当たり前のようですが、実は目で周りの景色を確認しながら体の向きをコントロールしています。そのため、視界のきかない吹雪の時など、ただやみくもに進んでいくと、弱い足の方に少しずつ曲がっていってしまいます。そして、長い時間歩いたあげく、結局最初と同じ地点にもどってしまうこともあるといいます。迷ったらじっとしている方が安全なのです。
外見だけではなく、内臓ではもっと右と左とでちがいます。たとえば心臓は体の少し左側にあります。赤ちゃんを抱っこする時、お母さんは自然と赤ちゃんの頭が自分の左にくるように抱きます。無意識に、心臓の音が赤ちゃんに聞こえるようにしているのです。赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいる時、お母さんのドクンドクンという心臓の音をずっと聞いていたので、この音を聞くと安心するのです。
わたしたちの体は、自分では意識しなくてもいろいろな部分が補い合い、助け合って生きている、家族やチームのようなものです。あサユウ(朝夕)、道路は右見て左見て渡り、細かい気分に左右されず、元気に働く体の右と左に感謝して、これでサユウなら。