森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 生命を宿したカプセル Κ
 たまごはにわとりからうまれる。そのニワトリはたまごからうまれる。さてどちらが先なのでしょう。もし、ニワトリがたまごをうまなかったら、ニワトリはこの世からすがたを消してしまいます。一定の寿命をもったニワトリは、自分が死んだあと、子孫がたえないようにちゃんとたまごの中に生命を伝えているのです。
 たまごをうむ動物は、ニワトリばかりでなく、サケ、マス、カエル、カメ、ヘビ、トカゲ、ハト、キジ、ダチョウ、それに乳で子どもを育てるカモノハシまで、たまごをうみます。サケとマスのたまごは見分けがつかないほどよくにていますが、サケのたまごからはサケが、マスのたまごからはマスが、まちがいなくうまれます。たまごは、その動物の生命を宿したカプセルのようなものです。
 鳥がたまごをうみ、それをひなにかえすには、何日もかかります。その間、親鳥は、外的からたまごをまもるために、いろいろな工夫をします。
 高山にすむライチョウは、ハイマツの中に巣をつくり、巣を枯れ草でわからなくし、敵の目をあざむきます。川原にすむコアジサシは、石ころと見分けのつかないようなたまごを、小石の上にうみます。コウノトリは、高い木の上に巣をつくり、敵が近づくのをふせぎます。このように親鳥たちは、いっしょうけんめいたまごをまもっています。
 では、たまごから子どもになるまでの変化をいろいろな動物でくらべてみましょう。メダカは水中生活をする魚です。カエルは水と陸の両方で生活します。ニワトリは陸だけで生活します。このように、メダカもカエルもニワトリも、生活する場所はちがうし、親になったときの大きさや形もちがいますが、たまごの中で育つようすをくらべてみると、よくにたところがあるのです。
 まずはじめに、細胞がこまかくわれて、数がふえます。そして、神経や目ができます。つづいて、胚の体はまがり、目や尾やせきずいがだんだんつくられてきます。胚は水中生活をしていて、ニワトリは羊水という水の中にういています。そして、ニワトリにも人間にも魚のようなエラをもつ時期があるというのです。このように、人間もニワトリも胚の育ちはじめはひじょうによくにていて、区別しにくいくらいです。このことは、これらの動物の祖先が、きっと同じだったのではないか、というしょうこになっています。