森の長文/読解マラソン長文
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おいしいいも虫はいかが? Μ
買ってきた野菜の葉に、いも虫がたくさんついていたらどうしますか。普通は「わあいやだ」と急いで取り除き、野菜すっかりきれいにしてから調理するでしょう。しかし世界には、いも虫を見て「わあおいしそう」と感じる人たちもたくさんいるのです。
アフリカの一部では、蛾の幼虫であるいも虫が食用にされています。それらの地域ではキャッサバやトウモロコシなどのでんぷん質が食事の中心なので、どうしてもたんぱく質が不足しがちです。しかし、質のよいたんぱく源は高価だったりして手に入りにくいのが現状です。ですから、たんぱく質のかたまりであるいも虫は大変貴重な補助食品なのです。実際、一皿のいも虫は、大人が一日に必要とするたんぱく質・ビタミン・ミネラルの約四分の三を含むと言われています。
十一月初旬の雨が過ぎるといも虫の『収穫』が始まります。村の女性たちは、総出でいも虫を集めます。いも虫は内臓を抜き、ゆでてから天日干しにします。この乾燥いも虫を、おやつがわりにそのままぽりぽりと食べるのです。また、水で戻して料理にも使います。シチューにしたり、たまねぎやトマトと一緒に炒め物にしたりするとおいしいのだそうです。
このいも虫はただおいしいだけではありません。ある意味でとても効率のよい食品でもあります。いも虫は、人間には食べられないような有毒の植物でもかまわず大量に食べてくれます。そしてどんどん肥え太り、わずか六週間で体重がなんと四千倍に増えるのです。その丸々としたおいしそうないも虫を、今度は人間が食べるわけです。つまりいも虫は、食用にならないものを消費して、貴重な食料に変換してくれるのです。これは大変ありがたい話です。
しかし、いくらいも虫のありがたさについて聞いても、やはり食べる気にはならない人が多いでしょう。もし明日の夕食に、いも虫料理が一皿出たらどうでしょう。いも虫のように、這ってでも逃げたいかもしれませんね。