森の長文/読解マラソン長文
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星の一生 κ
夜空にはたくさんの星が輝いています。しかし、これらの美しい星は永遠に輝き続けるわけではありません。星にも一生があり、生まれたり死んだりしているのです。ただし、星の一生は人間の一生とはくらべものにならないほど長く、その寿命は人間の一億倍もあります。
宇宙のあちこちには、冷たいガスやチリが集まった暗黒星雲と呼ばれるものがあります。暗黒星雲は、その名のとおり光を持たない黒い雲です。実は、この暗黒星雲の中には星の元になる物質がたくさんあるのです。何かのきっかけで暗黒星雲が縮み始めると、ガスやチリが集まってうずを巻きはじめます。このうず巻きが星のたまごです。
重力によってさらに縮んでいくと、うず巻きの中心部が濃くなり、熱くなっていきます。それは、やがて自ら光を放つようになります。赤ちゃん星の誕生です。冬の夜、肉眼でも見ることができるオリオン座の大星雲も、新しい星が生まれている場所です。星雲の中で、数え切れないほどたくさんの赤ちゃん星が、輝き始めています。
一人前の星として輝きだした星の、その後の運命を決めるのは重さです。太陽ぐらいの重さの星はもっとも長生きで、百億年ぐらいはそのまま輝き続けます。その後、年をとった星は、ぐんぐんふくらんで大きくなっていき、それにともなって温度も下がるため、真っ赤な色に変わります。さそり座のアンタレスや、オリオン座のベテルギウスは、赤くふくらんだおじいさん星の代表です。これらの星は、昔の姿とはすっかり変わっているので、アンタレスも「あんた誰です?」と言われてしまうかもしれません。
巨大な赤い星は、風船のようにふくらんだりしぼんだりしながら、最後には爆発してしまいます。爆発のあとに残るのは、小さな白色わい星と呼ばれる星です。白色わい星は、たいへん重い星で、その星から切り取ったマッチ箱ほどのかけらでも、人間は持つことができません。ダンプカーでやっと運べるほどです。そうとは知らない人が、マッチ箱をダンプカーで一生懸命引っ張っている姿を見たら、「なんと大げさな!」と思うことでしょう。
太陽よりもうんと重い星は、燃料をむだづかいするため、寿命は数千万年ほどしかありません。このような星が年を取ってふくらむと、自分の体重をささえられず、急につぶれて大きな爆発を起こします。これを超新星の大爆発と言います。爆発のあとに残るのは、白色わい星よりもっと小さな中性子星です。中性子星は、中身がぎゅうぎゅうつまった、おそろしく重い星です。中性子星から、角砂糖一個分を切り取ってみると、その重さはなんと一億トンもあります。
さらに重い星が死んだら、どうなるでしょう。巨大になった星は、さらにはげしく爆発し、はげしくつぶれます。残った星は、そのものすごい引力のため、光さえも外へ出られなくなってしまいます。私たちは、この真っ暗な星を見ることはできません。ブラックホールと呼ばれるこの星は、近づくものすべてをものすごい引力で吸い込んでしまいます。それはまるで宇宙にできた巨大な落とし穴のようです。
星のもえかすのような白色わい星や中性子星、そしてブラックホールは、やがてはつめたい宇宙の中に消えていく運命です。
人間が生きている間に、一つの星の一生を観察することはできません。しかし、宇宙には生まれたばかりの星から死にゆく星まで、さまざまな星が輝いているので、これらを一つ一つ観測することで、私たちは星の一生を知ることができるのです。