森の長文/読解マラソン長文
●文章類似度判定
鳥が空を飛ぶための工夫 κ
大昔の鳥の祖先は、他の動物と同じように四本足を使って歩いていました。長い年月のあいだに、前足が翼に進化し、今のように空を飛べるようになったのです。鳥は、ハ虫類の仲間から進化してきたので、トカゲの前足の骨組みと鳥の翼の骨組みは、たいへんよく似ており、この二つをくらべると、前足が翼に変わったことがよくわかります。また、前足だけではなく、体をおおっている羽毛の一部も翼に変わりました。風に向かって進むと、何枚も重なった風切羽によって、鳥は体を空中に浮かせることができます。
しかし、翼だけがいくら立派でも、飛ぶことはできません。翼を動かす部分も大事です。鳥の胸の骨には大きな出っ張りがあり、船底のような形をしています。そこに、翼をはばたかせる筋肉がついています。鳥の胸の筋肉は、たいへん発達しており、この筋肉の力で大きな翼をはばたかせることができます。
自由に空を飛ぶためには、体が重くてはいけません。普通、体を作っているもので、一番重いのは骨です。そこで鳥の骨は、竹のように中が空洞になっていたり、スポンジのようにスカスカになっているなど、体を軽くするための工夫が見られます。しかし、スカスカの骨といっても、すぐ折れてしまうような弱いものではなく、たいへんかたくて丈夫にできています。
また、体全体を軽くするために、骨の数も少なくなっています。あごの骨は歯と一緒になって、くちばしに変わりました。歯がないため、鳥は食べ物をすべて丸のみしてしまいます。「鵜のみ」にするのは、鵜だけではなかったということです。ただ、そのままではたいへん消化が悪いので、おなかの中で食べた物を砕くことができるようになっています。その役目をするのが砂肝です。砂肝は砂嚢とも呼ばれ、その名のとおり砂が入っています。砂粒によって食べ物をすりつぶすのです。
くちばしだけでなく、背骨の数も少なくなっていて、ぼうのようにまっすぐです。首が自由に動くのに比べて、背骨は自由な動きがほとんどできません。羽づくろいをする鳥を見ると、体全体をひねることができないので、首だけをぐるりとうしろに回しています。しかし、そのおかげで、空を飛ぶときに体が安定する上、離着陸の衝撃から体全体が守られているのです。
体を軽くしなくてはいけない一方で、鳥は飛ぶために多くのエネルギーを必要とし、どんどん食べ物を食べなくてはなりません。そこで鳥は、食べてすぐエネルギーに変わるような食物をとるようになりました。ほとんどの鳥は草食ではなく肉食です。中には植物性のものを食べる鳥もいますが、種子や果実など、すぐにエネルギーになるものを食べます。
鳥は、少しでも体を軽くするために、もう一つ工夫をしています。それは、糞をためこまないということです。もし、鳥が便秘になったら大変なことです。糞の重さで飛べなくなってしまうからです。公園などでハトに糞をかけられてハッと驚いても、「フン!」などと怒ったりせず、「飛ぶためには仕方がないのだな。」と理解してあげましょう。