森の長文/読解マラソン長文
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キノコ κ
秋の雨あがりの日に、林に出かけると、たくさんのキノコが落ち葉の間から顔を出しています。色とりどりのキノコの中には、食べられるキノコもたくさんあります。毒キノコと食べられるキノコは、どうやって見分けたらよいのでしょう。毒々しい派手な色のキノコや、いやな臭いがするキノコは毒キノコである、くきが縦にさけるものは食べられる、ナスと一緒に煮れば毒が消えるなど、昔からの言い伝えはたくさんあります。しかし、これらはすべて迷信です。キノコ中毒を防ぐには、迷信にまどわされず、とったキノコを一つ一つ、図鑑などできちんと調べる必要があります。
食用キノコの代表は、マツタケやシメジ、シイタケなどです。「香りマツタケ、味シメジ」という言葉があるように、マツタケはたいへん香りが良く、シメジは味の良いキノコです。タマゴタケは、あざやかな色をしていて、毒キノコと間違えられますが、西洋では「帝王のキノコ」と言われ、おいしい食用キノコです。毒キノコの代表は、テングタケやツキヨタケなどで、ドクツルタケは、うっかり食べると死んでしまうほどの猛毒があります。
キノコのからだは、地面から出ている部分だけではありません。地下の部分を見ると、白いわたのように、細い糸がからまっているのがわかります。キノコの本体は、この菌糸体という部分なのです。地面から出ているキノコは、たいてい数日で腐ってしまいますが、菌糸体は何年も何十年も成長し続けます。菌糸体は、円形に広がるように大きくなっていくので、キノコも輪になって生えていることが、よくあります。キノコ狩りに行って、キノコを一つ見つけたら、そこから輪を描くように生えていないか、よく探してみるとよいでしょう。
普通、植物には緑色の葉緑素があり、太陽の光を受けて光合成を行い、自分で栄養を作って成長します。しかし、葉緑素を持っていないキノコは、自分で栄養を作り出すことができません。キノコはカビや細菌と同じ仲間で、菌類に分類されます。では、菌類はどこから栄養をとっているのでしょうか。
キノコの生える森や林では、大量の落ち葉や動物の死体など、たくさんのゴミが出ます。しかし、森や林がゴミだらけになっていることはありません。実は、落ち葉や死骸などのゴミを食べているのが、キノコやカビなどの菌類なのです。生き物の死骸を分解して、食べてくれる菌類は、森の掃除屋のような役割をしています。腐った木から生えているからと言って、気持ちの悪い生き物ではないのです。みなさんも、自分の部屋を掃除せずに、ずっとゴミを散らかしておくと、ゴミの中からかわいいキノコの掃除屋が顔を出すかもしれません。
植物が光合成をするには、二酸化炭素などの原料が必要です。もし、二酸化炭素を補給しないで、地球上の植物が光合成を続けたら、数百年で二酸化炭素はなくなってしまいます。しかし、植物は何億年もの長い間、生き続けてきました。二酸化炭素は、どうしてなくなってしまわないのでしょうか。実は、これはキノコなどの菌類のおかげなのです。動物や植物の死体は、菌類が酵素を出しながら、うまく分解してくれます。分解が進むと、だんだん単純な物質に変えられていきます。こうして、動植物のからだを作っていた物質は、菌類の働きによって、最も単純な水や二酸化炭素などの物質に戻るのです。