森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 お茶の種類とカテキン τ
 最近では、ペットボトル入りや缶入りのお茶が、たくさん売られるようになってきました。緑茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶、その他さまざまな種類のお茶がブレンドされて、いろいろな名前で売られています。では、これらのお茶は、みんな違う種類の木からとれるのでしょうか。
 じつは、緑茶もウーロン茶も紅茶も、同じ木の葉が原料なのです。それなのに、なぜ色も味もちがうかというと、作り方がちがうからです。
 お茶を作るには、まず、お茶の木から葉を摘み取ります。このあと、放っておくと、お茶の葉はすぐに「発酵」を始めます。つまり、「酸化酵素」という、お茶の葉の中にあるものが酸素を取り込んで、お茶の葉の成分を変化させてしまうのです。特にお茶の葉の中にある「カテキン」や「ビタミンC」は、とても酸素と結びつきやすく、たくさんの酸素と結びつくほど、お茶の色も、緑から茶色、そして赤い色へと変化していきます。ですから、緑茶とウーロン茶と紅茶の色のちがいが現れるのです。
 緑茶は、葉を摘み取るとすぐに熱い蒸気に当てたり、釜で炒ったりして、発酵させないようにします。熱い温度にすることで、お茶の葉の中の酵素がこわれて、発酵できなくなるのです。これをよくもんで形を整え、乾燥させたものが緑茶です。発酵しないので緑の色が残り、カテキンやビタミンCもたくさん残っています。
 これに対して、ウーロン茶や紅茶は、逆に発酵を助けてやるため、摘み取りの後に「委凋(いちょう)」という作業をします。これは、日光に当てたり、下に温風を通したりして葉をしおれさせる作業です。こうしてやることで、より発酵が進むのです。ウーロン茶は「半発酵」の状態で、やがて釜で炒って発酵を止めます。そして乾燥し、さらに再び加熱して香ばしさを出します。紅茶は「完全発酵」になるまで発酵させ、乾燥させて完成です。
 発酵させた分、緑茶に比べてウーロン茶や紅茶にはカテキンやビタミンCは少なくなりますが、その代わりに、大変よい香りを持っています。
 なお、緑茶に多く含まれているカテキンは、緑茶の渋味と色を作るとても大切な成分ですが、最近、このカテキンの殺菌作用が注目されています。殺菌作用とは、文字通り菌を殺す働きのことです。インフルエンザのウィルスや、食中毒の菌を殺してくれる力があるそうです。ですから、カゼのはやる季節には、水ではなく、お茶でうがいをするといいそうです。
 また、癌を予防したり、高すぎる血圧を下げたり、虫歯になりにくくしたり、といった健康にいい効果もあるのではないかと言われています。私たち日本人は、昔から食事の時に緑茶を飲んできましたが、これは健康のためにはとてもいいことだったのです。
 「飲み物は、お茶とジュース、どっちにする?」と聞かれたら、「お茶を買って。菌に勝つから」と言いましょう。お茶にはジュースのようにたくさんの砂糖も入っていませんし、まさに「一石二鳥」です。