森の長文/読解マラソン長文
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人類の祖先 κ
約6500万年前に恐竜が絶滅すると、哺乳類が急速に繁栄しはじめました。一番最初の哺乳類は、今のネズミに似ていました。哺乳類は、体温を一定に保つしくみを体の中に持っていたので、いろいろな環境で暮らすことができ、多くの種類に分かれていきました。
アフリカでは、サルの仲間である霊長類が、さまざまな進化をしていきました。その中でも、森の中で暮らしていた霊長類が、私たち人類の祖先だと言われています。彼らは、果物などを食べて、一日のほとんどを木の上で過ごしていました。木の上は食料がたくさんあり、猛獣から身を守るのにも都合がよく、暮らしやすい場所だったと考えられます。
森の木の上に住んでいた霊長類が、どのようにして人類の祖先に進化したのでしょう。これについては、次のような説があります。
ちょうどこの頃、火山が活発に活動し、大きな地震が起こり、アフリカ大陸を南北に貫く「アフリカ大地溝帯」が形成されました。富士山よりも標高の高い、長い長い山脈ができたことによって、その東側はだんだん乾燥し、もともとジャングルだった場所が草原に変わっていきました。
草原で生きていくために、霊長類は木から下りなくてはなりませんでした。豊かな森と比べると、草原は食料が少なかった上、猛獣にも見つかりやすく、おそわれる危険がありました。獲物をつかまえたり、敵をいち早く見つけて逃げるためには、より遠くを見渡す必要があったのでしょう。草原で生活を始めた霊長類は、二本足で立って歩き始めました。これが人類の祖先なのです。
直立二足歩行を始めたことで、人類の祖先は、ほかのサルとは明らかに違う道を歩み始めました。彼らは、自由になった前足を、手として使うことができるようになりました。今から300万年前の猿人、アウストラロピテクスは、石器を使っていました。これが道具の始まりです。また、約50万年前の原人は、火を使って生活していたことがわかっています。その後に出現した旧人のネアンデルタール人は、死者を埋葬する習慣がありました。文化のめばえです。
約4万年前に生活していた新人のクロマニヨン人は、現在の人類とほとんど変わらない姿をしていました。彼らはすでに言葉を話し、協力して狩りや漁をして暮らしていたのです。クロマニヨン人は、ナイフ、刀などの石器や、美しく彫刻した骨格器を作り、槍や弓矢を発明して集団で狩りを行なっていました。わなをしかけることで、マンモスやシカなどの巨大な獲物もつかまえることができました。彼らの暮らしていた洞くつには、今も、狩りの成功を祈って描いたと思われる動物の絵が残っています。
このように、「アフリカ大地溝帯」の東側の厳しい環境が、人類の祖先を生んだと考えられているのですが、西側ではどうだったのでしょう。食料が豊富なジャングルの中で暮らしてきた霊長類は、現在まであまり変わらない姿を保ってきたと考えられています。彼らは、何種類かの仲間に分かれました。これが、ゴリラ、チンパンジー、ボノボなどの、人類と最も似かよった生物とされている類人猿です。