森の長文/読解マラソン長文
●文章類似度判定
羽の構造 Μ
羽には実に様々な用途があります。ある時には婦人の帽子を飾り、女性の美しさを際立たせます。別の時にはペンになり、ラブレターをつづるかもしれません。またある時にはコートの中綿になり、私たちを暖かく包んでくれるのです。
しかし、羽のありがたみを一番感じているのは、なんといっても鳥でしょう。羽がなければ飛ぶことができません。さらに、美しい羽は、つがいの相手となるパートナーをひきつけるのに役立ちます。また、鳥を寒さから守る役目も果たします。これらの点では人間とあまり変わらないかもしれません。もっとも、羽をペン代わりにする鳥はいないようです。
鳥類が羽を持っていることは広く知られていますが、その造りをじっくり眺めたことのある人はあまり多くないかもしれません。羽は実に見事にデザインされています。『少し完璧すぎる』と言われるほどなのです。
例えば、風切羽の中心には羽軸と呼ばれる軸が走っています。よく見るとその裏側には一本の溝が刻まれているのですが、このちょっとした工夫のおかげで軸の強度は高まり、曲がったりよじれたりしても折れないのです。
鳥類はまた、いわゆる普通の羽の間に、糸状羽と呼ばれる細長い羽を持っています。この羽の根元にある一種の感覚器は、羽の乱れを鳥に知らせます。信号が出ると鳥は翼を休め、くちばしで羽づくろいをして乱れを整えます。この感覚器はまた、飛んでいる速度を鳥が判断するのに役立っているのではないかとも言われています。
そして、表面から見える羽の下には、綿羽(ダウン)がぎっしりと生えています。かもの場合、その厚さは一・七センチにもなります。綿羽の断熱性には特筆すべきものがあります。最初に述べたとおり、人間もその恩恵にあずかっているのです。冬の身を切られるような寒さも、ダウンのコートがあれば平気です。断熱性の点でダウンに匹敵するような化学繊維は、いまだに開発されていません。
羽はまさに傑作です。羽のおかげで、鳥も人間もファッションを楽しむことができ、さらには寒さをしのぐこともできるのです。まさに「一石三鳥」あるいはそれ以上の働きをする、と言うべきでしょう。