森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 アライグマ κ
 アライグマは、なんでも洗ってしまう動物です。食べ物であろうとなかろうと、身のまわりにあるどんなものも、前足を器用に使って、ざぶりと水にくぐらせてごしごしと念入りに洗います。アライグマが洗わないのは、自分の体ぐらいです。前足は水の中に入れるくせに、水浴びは大きらいなのです。だから、きれい好きに見えて、本当はきれい好きではないのかもしれません。何でも洗うという行動も、きれいにするためではなく、遊びの一種だと言われています。
 アライグマが、一生懸命に何かを洗っているすがたは、たいへんかわいらしいものです。昔、「あらいぐまラスカル」というアニメが放映され、日本人の頭の中に、アライグマはかわいらしい動物であるというイメージが定着しました。多くの人が、ペットとして飼ってみたいと思ったのです。そこで、もともと北アメリカにすんでいたアライグマが、ペット用に数多く日本に輸入されました。
 しかし、野生のアライグマは、イヌやネコとはまったくちがいました。小さいころは、人間になつくのですが、大人になるとあつかい方が難しくなります。アライグマは、ペットに適した動物ではなかったのです。そこで、困った飼い主がアライグマをこっそり捨ててしまうこともありました。捨てられたアライグマは野生化して、畑の農作物を食べあらし、被害が出ました。
 畑をあらすアライグマが悪いのでしょうか。野生の動物が、一番幸せに暮らせるのは、もともと住んでいた場所です。遠くはなれた日本に連れて来られたアライグマは、新しい環境で必死で生きているだけなのです。あつかいに困って捨ててしまう人がいる一方で、アライグマの生態を勉強して、責任を持って飼ってくれる里親を探す活動をしている人たちもいます。私たちは、もっと動物のことを勉強して、動物と人間が、おたがいに幸せに暮らせるようにしたいものです。