森の長文/読解マラソン長文  ●文章類似度判定


 カエルの冬眠 τ
 夏の間、あんなにたくさん見かけたカエルは、冬にはまったく見かけなくなります。カメやヘビも、冬の間は見かけません。みんな、寒さのあまり死んでしまったのでしょうか? でも、また春になると、見かけるようになります。カエルにしてもヘビにしても、あんなに毛がなくてツルツルの体では、さぞ冬には寒いことでしょう。それに、冬の間は、エサにする虫などの生きものも、とても少なくなります。それでは、こういう生物たちは、寒い冬をどうやってすごしているのでしょう。
 じつは、カエルやカメやヘビなどは、冬の間は「冬眠」といって、地面の中や池の底、木の穴など、比較的暖かそうで安全な場所にかくれて寝ているのです。カエルやヘビは「変温動物」といって、外の気温が下がってくると、自分の体温も同じように下がってしまいます。カエルやヘビなどが、寒い地方よりは暖かい、あるいは暑い地方にたくさん住んでいるのは、このためです。だから、冬になって気温が下がって活動できなくなると、冬眠してしまうのです。
 この冬眠の間は、体の中に蓄えたエネルギーを使って生きていますから、エサを食べる必要もないし、もちろんフンも出しません。息さえしなくても大丈夫なものもいるといいますから驚きです。こうして、まるで死んだように眠り続けるのです。
 春になり、外が暖かくなってくると、眠っているカエルたちの体もいっしょに温まり、体温が上がってきます。すると、カエルたちの体は再び活動を始め、「ああ、おなかがすいたなあ」と、外に出てきます。そのころには、エサたちも冬眠から目覚めたり、新しく生まれたりしてたくさんいるので、おなかいっぱい食事をすることができます。
 『眠れる森の美女』という、魔法使いに眠らされたお姫様のお話があります。お姫様は王子様のキスで長い眠りから目覚めるのですが、「眠れる森のカエルたち」にとっては、春の暖かい太陽が、まるで「王子様のキス」のように思えることでしょう。