【4】まいてかりなどのつらねたるが、いと小さくちい  ゆるはいとかし。入りい はてて、風の音かぜ おとむしなど、はたいべきにあらず。

 【5】ふゆはつとめて。ゆき降りふ たるはいべきにもあらず。しものいとしろきも、またさらでも、いと寒きさむ に、などいそぎおこして、すみもてわたるもいとつきづきし。ひるになりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶ひおけ白きしろ はいがちになりてわろし。
(「枕草子まくらのそうし」 清少納言せいしょうなごん

 【6】「てんひとうえひとつくらずひとしたひとつくらず」とえり。さればてんよりひとしょうずるには、万人ばんにん万人ばんにんみなおなくらいにして、まれながら貴賤上下きせんじょうげ差別さべつなく、