タラ3 の山 6 月 2 週
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○自由な題名
○私の夜(よる)
★水や土で遊んだこと、カタツムリを見つけたこと

○秋になると、草や木の実が
 秋になると、草や木の実がいっせいに色づきはじめます。色づいたのは、中のたねが、じゅくした合図です。
 でも、このような実はそのまま土の上におちても芽ばえません。それは、たねをつつんでいる皮や肉が、芽ばえをとめるはたらきをしているからです。たねを芽ばえさせるためには、まず実の皮や肉をすっかりとりのぞかなければなりません。その役目をしてくれるのが野鳥たちです。
 あざやかな色の実をみつけて、野鳥がついばみにきます。このとき鳥は、たねもいっしょにのみこんでしまい、とびさっていきます。
 鳥にたべられた草や木の実は、皮や肉が胃の中でとけてしまいます。でも、たねだけはかたいからのおかげで消化されずに、ふんといっしょにおとされ、やがてそこで芽ばえるのです。
 つまり、たねは鳥といっしょに、それだけ遠くまで旅をしたことになるわけです。
 エノキやクヌギの木に寄生生活するヤドリギは、秋、まるい実をたくさんつけます。実はとてもねばねばしていて、鳥にたべられても、ねばる力をうしないません。ふんといっしょにおとされたたねは、木のえだなどにくっついて芽ばえます。

(埴沙萠(はにしゃぼう)「たねのゆくえ」)