1. 羽には、
様々な
用途があります。あるときには
婦人の
帽子を
飾り、
女性の
美しさを
際立たせます。
別のときにはペンになり、ラブレターをつづるかもしれません。またあるときにはコートの
中綿になり、
私たちを
温かく包んでくれます。
2. しかし、羽のありがたみをいちばん
感じているのは、何といっても鳥たちでしょう。羽がなければ
飛ぶことができません。
更に、
美しい羽は、つがいの
相手となるパートナーをひきつけるのにも
役立ちます。また、鳥を
寒さから
守る役目も
果たします。これらの点では、鳥たちも人間とあまり
変わりません。もっとも、羽をペンの
代わりにする鳥はいないようですが。
3.
鳥類が羽を
持っていることは広く知られていますが、その作りをじっくり
眺めたことのある人はあまり多くないかもしれません。羽は
実に見事にデザインされています。
4.
風切羽の中心には羽を
支える軸が走っています。よく見るとその
裏側には一本の
溝が
刻まれています。このちょっとした
工夫のおかげで
軸の
強度は高まり、
曲がったりよじれたりしても
折れにくくなっています。
5.
鳥類はまた、
普通の羽の間に、糸のような細長い羽を
持っています。この羽の
根元にある
一種の
感覚器は、羽の
乱れを鳥に知らせます。羽が
乱れてきたという
信号が出ると、鳥は
翼を休め、くちばしで
羽づくろいをして羽を
整えます。この
感覚器はまた、
飛んでいる
速度を鳥が
判断するのに
役立っているのではないかとも言われています。
6.
表面から見える羽の下には、ダウンと
呼ばれる
綿羽がぎっしりと生えています。カモの場合、その
厚さはニセンチ近くにもなります。
綿羽の
断熱性は
優れており、冬の
身を切られるような
寒さも、ダウンのコートがあれば
平気です。∵
7. 羽のおかげで、鳥も人間もファッションを楽しむことができ、さらには
寒さをしのぐこともできます。鳥の羽は、まさに「一石
三鳥」あるいはそれ
以上の
働きをしています。しかし、生まれつきそういう羽を
持っているカモたちにとっては、当たり前のことなのカモしれません。
8.
言葉の森
長文作成委員会(τ)