長文集  8月3週  ★ニトログリセリンのグリセリンは(感)  si-08-3
    毎日1ページ音読しましょう。漢字はふりがなをつけずに読めるようにしておきましょう。  2012/06/15 08:09:23
 【1】ニトログリセリンのグリセリンは、
石けんをつくるときにできる副産物です。ね
ばっこい液で、薬や、機械のうごきをなめら
かにするための油としてつかわれます。【2
】「硝酸が変化させたグリセリン」というの
が、ニトログリセリンのいみですが、じっさ
いには、とくべつのそうちで、こい硝酸と硫
酸をまぜた液に、水分をとりさったグリセリ
ンをそそいでつくります。
 【3】これくらいのことは、技術雑誌にし
たしんでいるアルフレッドには、とっくにわ
かっています。
(つくりかたがわかっても、ばくはつをコン
トロールすることには役だたないなあ……。

 【4】そうおもいながら、アルフレッドは
、いくどか、小さなばくはつ実験をこころみ
ました。けれども、ニトログリセリンは、う
んともすんともいわないか、とんでもないと
きにばくはつして、きもをひやさせるかです

【5】「いずれにしても、導火線を用いなけ
ればならないよね… …。」
 アルフレッドが、ちえをかりにいったジー
ニン先生は、大学の研究室でいいました。
 【6】導火線は、黒色火薬を紙と糸でまい
てつくった線です。手もとに火をつけると、
シューッともえていき、ばくやくをばくはつ
させるのです。
【7】「……そうなんです、先生。まさか大
量のニトログリセリンを、鉄のはりでばくは
つさせるわけには、いきませんものね。いの
ちあってのものだねです。」
【8】「しかし、導火線では、ばくはつしな
い……と。あたえるショックが小さすぎるの
かなあ。」
【9】「そうかもしれません。といって、導
火線をうんと太いものにすると、もちはこび
のとき、きけんですし……。」
 アルフレッドは、そうこたえながら、「あ
たえるショックを強めるには?」と、ノート
にメモしました。【0】
 
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(「ノーベル」大野進著より)