キンモクセイ3 の山 8 月 3 週
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★じゆうなだいめい
○家で飼(か)っている生き物のこと

○小さいころから大切にしているもの
○竹と人間の工夫
 竹は、中に節があって、まるで空き部屋(べや)がひとつひとつ区切られているように、空っぽになっています。これは、竹が木の仲間でなくて、草の仲間だからです。竹は、身のまわりにたくさんあるので、大昔から、人間は、この竹を利用する工夫をしてきました。
 まず、あいたところにお米(こめ)をつめて、蒸す道具にしました。水をつめて、水筒にもしました。二つにわって、お皿にもしました。
 まっすぐにきれいに割れることから、細くして、ザルやカゴをあんだり、スダレを編んだりもしました。また、更に細くして、竹ヒゴというものにもしました。竹ヒゴは、しなやかにまがっても折れることがないので、模型飛行機などの材料にも使われています。
 更に、人間は、竹によって弓矢や、槍も作りました。剣道の竹刀には、今も竹が使われています。
 竹は、遊ぶものにも使われました。穴をあけて、尺八という楽器にもなりました。長い竹を打ちあわせて、その上をとんで踊るバンブーダンスにも使われました。竹馬や竹トンボという子どものおもちゃにもなり、竹から生まれた「かぐやひめ」というお話も作られました。
 エジソンが電球を発明したとき、光を長くもたせるためのフィラメントの材料を長い間さがして、とうとう京都の竹の炭がいちばんいいことを発見しました。
 こんなに役に立つ竹は、値段も決してタケーわけではありません。身の回りに豊富にある材料です。日本人は、昔からこの役に立つ竹を尊敬してきました。だから、おめでたいことに使われるものは、松竹梅(しょうちくばい)と言いますし、お正月には門松を立てるのです。また、七夕の日には笹に願い事を書いた短冊をつるします。子どもの日には、笹の葉でまいたチマキを食べて、元気に育つことを祈ります。∵
 竹もまさか、こんなに人間に利用されるとは思わなかったでしょう。しかし、竹はきっと「竹をわったような性格」ですから、「どんどん工夫していいよ!」と快く言っているはずです。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(λ)