a 長文 7.1週 0i
 1昔(むかし)の人々(ひとびと)は、明るい(あか  )星(ほし)を結ん(むす )で星座(せいざ)を思い描き(おも えが )ました。星座(せいざ)を作っ(つく )たのは、シュメール人(じん)という説(せつ)もありますが、一般(いっぱん)的(てき)には、約(やく)五千(せん)年(ねん)前(まえ)、バビロニアの羊(ひつじ)飼い(か )たちによって、作ら(つく )れたのが最初(さいしょ)と言わ(い )れています。2初め(はじ )のころは、十二星座(せいざ)でしたが、その後(  ご)、四十八星座(せいざ)に増え(ふ )ました。
 十七世紀(せいき)に、オランダで望遠鏡(ぼうえんきょう)が発明(はつめい)され、暗い(くら )星(ほし)も観測(かんそく)できるようになると、四十八星座(せいざ)のすきまにも新しい(あたら  )星座(せいざ)が作ら(つく )れるようになりました。3そのころ、星(ほし)を見つける(み   )たびに、こんな会話(かいわ)が交わさ(か  )れたかもしれません。「新しい(あたら  )星(ほし)を見つけ(み  )たぞ。」「だめ。それは、おらンダ。」
 それまでは、星座(せいざ)というと、北半球(きたはんきゅう)のものに限ら(かぎ )れていました。4しかし、今(いま)まで知ら(し )れていなかった南半球(みなみはんきゅう)の星座(せいざ)が紹介(しょうかい)されるようになると、新(しん)星座(せいざ)作り(づく )のブームが起こり(お  )ました。なぜ星座(せいざ)がたくさん作ら(つく )れたのかというと、二十世紀(せいき)の初め(はじ )までは、星座(せいざ)を作る(つく )ことに決まり(き  )がなく、誰(だれ)でも簡単(かんたん)に作る(つく )ことができたからです。5一時(いちじ)は百(ひゃく)二十もの星座(せいざ)が作ら(つく )れたことがあり、あまりの多(おお)さに混乱(こんらん)が起きる(お  )ようになってしまいました。そこで、二十世紀(せいき)になってから、国際(こくさい)天文学(てんもんがく)連合(れんごう)によって、八十八の星座(せいざ)に統一(とういつ)され、星座(せいざ)の境界(きょうかい)も定め(さだ )られることになりました。6現在(げんざい)、私(わたし)たちが親しん(した  )でいる星座(せいざ)は、このときに定め(さだ )られたものです。
 星座(せいざ)は、神話(しんわ)とともに紹介(しょうかい)されることが多い(おお )ため、西洋(せいよう)のものと思わ(おも )れがちですが、古代(こだい)のインドや中国(ちゅうごく)にも独自(どくじ)のものがあります。7中国(ちゅうごく)の星座(せいざ)は、七、八世紀(せいき)ごろ、日本(にほん)にも伝え(つた )られたようで、日本(にほん)では、明治(めいじ)時代(じだい)に西洋(せいよう)の天文学(てんもんがく)が導入(どうにゅう)されるまで、ずっと中国(ちゅうごく)の星座(せいざ)が使わ(つか )れてきました。
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 8また、昔(むかし)から星座(せいざ)は、時刻(じこく)をはかり、季節(きせつ)の移り変わり(うつ か  )を知り(し )、農耕(のうこう)の時期(じき)を伝える(つた  )役割(やくわり)を果たし(は  )てきました。海(うみ)に囲ま(かこ )れた土地(とち)に住む(す )人々(ひとびと)は、広い(ひろ )海(うみ)を航海(こうかい)するときに、星(ほし)を観測(かんそく)して位置(いち)や方角(ほうがく)を確かめる(たし   )のにも使っ(つか )ていました。9ですから、星座(せいざ)の名前(なまえ)も、その土地(とち)独自(どくじ)の呼び名(よ な)が数多く(かずおお )ありました。
 四季(しき)を通じて( つう  )明るく(あか  )見える(み  )オリオン座(ざ)は、世界(せかい)各地(かくち)でさまざまな名前(なまえ)がつけられています。日本(にほん)では、その形(かたち)から鼓星(つづみぼし)と呼ば(よ )れていました。0また、オリオン座(ざ)の左上(ひだりうえ)にある赤い(あか )星(ほし)は平家星(へいけぼし)、右下(みぎした)にある白い(しろ )星(ほし)は源氏星(げんじぼし)とも呼ば(よ )れていました。これは平家(へいけ)の旗(はた)の色(いろ)が赤(あか)、源氏(げんじ)の旗(はた)の色(いろ)が白(しろ)だったからです。
 さまざまな想像(そうぞう)をふくらませてくれる星座(せいざ)を、たまには正座(せいざ)してしみじみ眺め(なが )てみるのもいいかもしれません。
 あれは大きい(おお  )からお父さん( とう  )星(ぼし)。あっちはきれいだからお母さん( かあ  )星(ぼし)。これはしょっぱいから梅干し(うめぼ )。ここにある長い(なが )のは物干し(ものほ )。頭(あたま)にかぶっているのはただの帽子(ぼうし)。

 言葉(ことば)の森(もり)長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(π)
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a 長文 7.2週 0i
 なんでもコンパクトがもてはやされるこのごろですが、犬の世界(せかい)も例外(れいがい)ではありません。品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)の結果(けっか)、たくさんの犬が小型(こがた)化(か)され、今や(いま )世界中(せかいじゅう)で飼わ(か )れています。つまり、コンパクトな犬はそのほとんどが人工(じんこう)的(てき)に作り出さ(つく だ )れたものなのです。
 しかし、天然(てんねん)の小型犬(こがたけん)もいます。チワワです。餌(えさ)代(だい)もかからず、場所(ばしょ)もとらず、小さいのに勇敢(ゆうかん)なこの犬は、ペットとして大変(たいへん)人気があります。
 チワワの出身(しゅっしん)地(ち)はメキシコで、意外(いがい)にも南国(なんごく)の生まれなのです。
 実は(じつ )この犬は、もともとテチチという名前(なまえ)で知ら(し )れていました。チワワと呼ば(よ )れるようになったのは十九世紀(せいき)の中ごろです。メキシコに旅行(りょこう)したアメリカ人が、メキシコのチワワ州(しゅう)でこの小さい犬を見つけ、何匹(なんびき)か持ち帰り(も かえ )ました。そして、土地(とち)の名前(なまえ)からチワワと命名(めいめい)したのです。同じ(おな )ころ、メキシコのお妃(きさき)様(さま)がヨーロッパ旅行(りょこう)のお供( とも)にこの犬を連れ(つ )て行っ(い )たため、チワワは世界(せかい)的(てき)に有名(ゆうめい)になりました。
 チワワは人間(にんげん)が大好き(だいす )です。人間(にんげん)との接触(せっしょく)が多い(おお )ほど元気(げんき)に育つ(そだ )と言わ(い )れています。
 しかし、注意(ちゅうい)も必要(ひつよう)です。この犬の大きさからすると、ベッドやソファは高所(こうしょ)ですから、高い(たか )ところから無造作(むぞうさ)に飛び降り(と お )て骨折(こっせつ)してしまうことがあります。また、消化(しょうか)器官(きかん)が小さい上にカロリーを早く消費(しょうひ)するため、血糖(けっとう)値(ち)が下がりやすいのもチワワの特徴(とくちょう)です。ですから、少量(しょうりょう)のえさをたびたび与え(あた )てやる必要(ひつよう)があります。
 震える(ふる  )のはこの犬の特徴(とくちょう)です。寒い(さむ )ときだけでなく、興奮(こうふん)したときや心配(しんぱい)なとき、不満(ふまん)があるとき、怖(こわ)がっているときなどに震え(ふる )ます。
 小さいけれど大きな存在(そんざい)感(かん)を持つ(も )チワワ。もしメキシコへ旅行(りょこう)することがあったなら、「こんにチワ、ワたしの国(くに)へようこそ」と歓迎(かんげい)してくれるかもしれません。
「チワワって、おでんに入れるとおいしいんだよね。」
「それは、チクワ。」
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 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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a 長文 7.3週 0i
 1日本(にほん)のくには、アジア大(たい)りくと、つながったりはなれたりをくりかえして、いまのようになりました。
 2りくがつながったときは、ゾウをはじめ、いろいろなどうぶつが、つぎつぎと日本(にほん)にやってきました。
 3また、それらのどうぶつをおって、日本人(にほんじん)のそせんになった人(ひと)もやってきました。
 4いまのように、日本(にほん)がうみで、大(たい)りくとへだてられてからは、どうぶつはこられなくなり、ゾウは、へるいっぽうでした。
 5きこうや土地(とち)に大きな(おお  )へんかがくりかえされたことや、人(ひと)がだんだんふえていったことで、ゾウのすむばしょが、うばわれていきました。
 そういうことで、ついに日本(にほん)にはゾウがいなくなったのだと、かんがえられています。
 6どうぶつやしょくぶつは、とてもながい年月(としつき)をかけていまのような、すがたやかたちになりました。7ゾウのいちばんのそせんはメリテリウム()という小(ちい)さいどうぶつで、はなもながくなかったのですが、じだいがうつるにつれて、からだは大きく(おお  )なり、はながのびていきました。
 8どうぶつやしょくぶつがしんかのみちをたどるときは、そのからだのとくちょうを、どんどんはってんさせてゆくものです。 
 9からだが大きく(おお  )、はなのながいことは、ゾウにとってつごうのよいことで、それであのようになったものでしょう。0

 「なぜだろうなぜかしら」(実業之日本社(じつぎょうのにほんしゃ))より
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a 長文 7.4週 0i
 1チョウの幼虫(ようちゅう)は、動き(うご )が遅い(おそ )ため、敵(てき)から身(み)を守る(まも )工夫(くふう)をしています。
 たとえば、アゲハチョウの幼虫(ようちゅう)は、鳥(とり)のフンのような色(いろ)や形(かたち)をしています。
 2アゲハチョウの幼虫(ようちゅう)は、脱皮(だっぴ)を繰り返し(く かえ )ながら大きく(おお  )なります。三回(かい)目(め)までの脱皮(だっぴ)では、体(からだ)の大き(おお )さは少し(すこ )ずつ大きく(おお  )なるものの、姿(すがた)はあまり変わり(か  )ません。
 3四回(かい)目(め)の脱皮(だっぴ)で、アゲハチョウの幼虫(ようちゅう)は、黄緑色(きみどりいろ)のイモムシになります。鳥(とり)のフンの真似(まね)をするには体(からだ)が大きく(おお  )なりすぎたので、今度(こんど)は緑色(みどりいろ)の葉っぱ(は  )の真似(まね)をするのです。4また、このときに、大きな(おお  )目玉(めだま)のような模様(もよう)もでき、近づい(ちか  )た敵(てき)を脅す(おど )ための役割(やくわり)を果たし(は  )ます。
 5色(いろ)や形(かたち)だけでなく、においもアゲハチョウの幼虫(ようちゅう)の身(み)を守っ(まも )てくれます。アゲハチョウの幼虫(ようちゅう)が好ん(この )で食べる(た  )のは、ミカンやユズやカラタチなど、ミカンの仲間(なかま)の植物(しょくぶつ)です。6黄緑色(きみどりいろ)の幼虫(ようちゅう)は、ひたすら葉っぱ(は  )を食べ(た )て丸々(まるまる)と太っ(ふと )ていきます。体(からだ)の中(なか)に、ミカンの仲間(なかま)の植物(しょくぶつ)の苦み(にが )の成分(せいぶん)をためこんでいくのです。7そして、敵(てき)に襲わ(おそ )れたり、危険(きけん)を感じ(かん )たりすると、黄色(きいろ)いつのを突き出し(つ だ )、そのにおいを出し(だ )て身(み)を守り(まも )ます。
 8ころころに太っ(ふと )た幼虫(ようちゅう)は、やがてさなぎになります。さなぎは、緑色(みどりいろ)や薄茶(うすちゃ)色(いろ)で、まわりの葉っぱ(は  )や木(き)の色(いろ)に合わせ(あ  )目立た(めだ )ないようになっています。
 9羽化(うか)をする前(まえ)にウカウカしていたら敵(てき)に襲わ(おそ )れてしまいます。幼虫(ようちゅう)はアゲハチョウになるまでいろいろな工夫(くふう)をして身(み)を守っ(まも )ているのです。0

 言葉(ことば)の森(もり)長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω
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a 長文 8.1週 0i
 1イギリス人で有名(ゆうめい)な「ポッター」さんといえば、魔法使い(まほうつか )の「ハリー・ポッター」でしょう。2しかし、イギリスにはもう一人、とても有名(ゆうめい)な「ポッター」さんがいます。それは、ピーター・ラビットの生みの親(う  おや)、「ビアトリクス・ポター」さんです。3つづりはハリーと同じ(おな )ですが、こちらは「ポター」と呼ぶ(よ )ことが多い(おお )ようです。
 4ビアトリクス・ポターは、毎年(まいとし)夏(なつ)になると、弟(おとうと)とともにイギリスの北(きた)にある湖(みずうみ)の近く(ちか )ですごしました。そこは、豊か(ゆた )な自然(しぜん)が広がり(ひろ  )、野生(やせい)動物(どうぶつ)も数多く(かずおお )棲ん(す )でいる、とても美しい(うつく  )ところでした。
 5二人は、森や野原(のはら)を探検(たんけん)し、小動物(しょうどうぶつ)をつかまえてはペットにしました。毎日(まいにち)、それらの動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)を観察(かんさつ)したり、スケッチしたりして過ごし(す  )たのです。6そのペットや植物(しょくぶつ)は、今(いま)も彼女(かのじょ)が残し(のこ )た絵本(えほん)の中で、生き生きとした姿(すがた)を見せています。
 7大人になり、『ピーターラビットの絵本(えほん)』シリーズで収入(しゅうにゅう)を得(え)たビアトリクスは、湖水(こすい)地方(ちほう)に農場(のうじょう)を購入(こうにゅう)し、結婚(けっこん)して住む(す )ようになりました。8そして、大好き(だいす )な湖(みずうみ)の自然(しぜん)が開発(かいはつ)されてこわされないよう、周辺(しゅうへん)の土地(とち)をどんどん買っ(か )ていきました。
 9彼女(かのじょ)の死後(しご)、その広い(ひろ )土地(とち)がナショナル・トラストに贈ら(おく )れました。ナショナル・トラストは、イギリスの美しい(うつく  )景色(けしき)や、古い(ふる )建物(たてもの)を保存(ほぞん)し、残し(のこ )ていく活動(かつどう)をしています。0彼女(かのじょ)のおかげで、今(いま)もイギリスの北の湖(きた うみ)には美しい(うつく  )景色(けしき)が広がり(ひろ  )、動物(どうぶつ)たちが人間(にんげん)に追い払わ(お はら )れることなく暮らし(く  )ています。
 ナショナル・トラストの活動(かつどう)は、今(いま)ではイギリスだけではなく全(ぜん)世界(せかい)に広がっ(ひろ  )ています。一度(いちど)こわされてしまった自然(しぜん)は、なかなか元(もと)の姿(すがた)に戻り(もど )ません。ハリー・ポッターの魔法(まほう)を使う(つか )わけにはいかない私(わたし)たちは、やはりコツコツと努力(どりょく)して自然(しぜん)を守っ(まも )ていく必要(ひつよう)があるのでしょう。

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) τ
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a 長文 8.2週 0i
 人間(にんげん)は昔(むかし)から、香り(かお )に興味(きょうみ)を持ち(も )、香り(かお )の原料(げんりょう)つまり香料(こうりょう)を探し(さが )てきました。
 香料(こうりょう)には動物(どうぶつ)性(せい)のものと植物(しょくぶつ)性(せい)のものとがあります。動物(どうぶつ)性(せい)のものとしては、ジャコウ鹿(じか)からとれるムスクが代表(だいひょう)的(てき)です。植物(しょくぶつ)性(せい)の香料(こうりょう)として一般(いっぱん)的(てき)なものは、なんと言っ(い )ても花々です。例えば(たと  )、ブルガリアのダマスクローズは、古く(ふる )から貴重(きちょう)な香料(こうりょう)とされてきました。この花のエッセンスは高値(たかね)で取引(とりひき)され、今(いま)でも世界中(せかいじゅう)で愛さ(あい )れています。
 しかし、植物(しょくぶつ)性(せい)の香料(こうりょう)は花だけではありません。どちらかといえばなじみの薄い(うす )、しかし大変(たいへん)広く(ひろ )使わ(つか )れている香料(こうりょう)、それがフルーツの一種(いっしゅ)であるベルガモットです。この果実(かじつ)のエッセンスは、女性(じょせい)用(よう)の香水(こうすい)の約(やく)三分の(ぶん )一に、また男性(だんせい)用(よう)のコロンの約(やく)半分(はんぶん)に入っています。このフルーツからとれるエッセンスには、いろいろな香り(かお )をまとめて一つの香り(かお )にするという働き(はたら )があり、これがほかの香料(こうりょう)にはない特性(とくせい)なのです。
 ベルガモットはミカン科(か)の植物(しょくぶつ)で、秋(あき)から冬(ふゆ)にかけてオレンジほどの大きさの実(み)をつけます。香水(こうすい)になるエッセンスは、この果実(かじつ)の皮(かわ)からとれます。ベルガモットの主(おも)な産地(さんち)は、イタリア半島(はんとう)のカラブリア地方(ちほう)で、ほかの土地(とち)ではほとんど育ち(そだ )ません。というのも、この植物(しょくぶつ)は、暖かく(あたた  )しかも南(みなみ)向き(む )の土地(とち)で、強い(つよ )風(かぜ)の吹か(ふ )ない、湿度(しつど)の低い(ひく )ところでないと育た(そだ )ないからです。
 この植物(しょくぶつ)の起源(きげん)そのものは深い(ふか )なぞに包ま(つつ )れています。野生(やせい)のベルガモットというものはなく、この植物(しょくぶつ)を種(たね)から育てる(そだ  )こともできません。ベルガモットは、ほかの柑橘(かんきつ)系(けい)の木々に挿し木(さ き)をして育てる(そだ  )しかないのです。野生(やせい)のベルガモットがあれば、香水(こうすい)も、もっとヤセイものになっていたでしょう。
 神秘(しんぴ)に包ま(つつ )れた香り(かお )の世界(せかい)。だからこそ、より魅力(みりょく)的(てき)なのかもしれません。
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 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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a 長文 8.3週 0i
 1木の葉(こ は)や草(くさ)の葉(は)がみどりいろなのは、葉(は)の中(なか)にようりょ()くたいというみどりいろのつぶつぶが、たくさんあるからです。
 2そして、このつぶには、ようりょ()くそという、みどりいろのもとになるものと、カロチンというきいろのもとになるものとが、ふくまれています。
 3あきになると、ようりょ()くそがこわれてしまい、カロチンだけがのこるので、葉(は)のいろがきいろになるのです。
 4赤く(あか )なるのは、アントシアンという赤い(あか )ろのもとになるものが、あきになるとつくられるからです。
 5マツやツバキの葉(は)のように、あきになっていろもかわらず、ちりもしないものは、すこしずつおちて、あたらしい葉(は)といれかわっているのです。
 6草(くさ)はふゆのさむさから、からだをまもることができません。そこで、さむいふゆがやってこないうちに、たねをつくって、たねでふゆをこします。
 7たねは、あついじょうぶなかわでまもられているので、ふゆのさむさにも、たえることができるのです。
 8といっても、すべての草(くさ)が根(ね)まで、すっかりかれてしまって、たねだけをのこすというわけではありません。9草(くさ)の中(なか)には、土(つち)の中(なか)の根(ね)や地下(ちか)けいでふゆをこしはるになるとまい年(とし)、あたらしいめをだすものも、すくなくありません。チューリップなどがそうです。0
 木(き)は、ふゆになるとかれるといっても、葉(は)をおとすだけで、みきやえだが、かれてしまうわけではありません。はるになると、あざやかなみどりの葉(は)をつけます。
 
 「なぜだろうなぜかしら」(実業之日本社(じつぎょうのにほんしゃ))より
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a 長文 8.4週 0i
 1ゾウは、たくさんのえさを食べ(た )ます。一日(にち)に大人(おとな)三人(にん)分(ぶん)ぐらいの重(おも)さのえさを食べ(た )ます。起き(お )ているときは、ほとんど食べ(た )ている時間(じかん)です。2えさは、草(くさ)やわらや木(き)の皮(かわ)です。動物(どうぶつ)園(えん)では、パンや野菜(やさい)やくだものも食べ(た )ています。食べる(た  )だけではなく水(みず)もたくさん飲み(の )ます。3その量(りょう)は、牛乳パック(ぎゅうにゅう   )七十本(ぽん)くらいです。あの大きな(おお  )体(からだ)を保つ(たも )には、こんなにたくさんの食べ物(た もの)や水(みず)が必要(ひつよう)なのです。
 4ゾウは、長い(なが )鼻(はな)を上手(じょうず)に使っ(つか )て生活(せいかつ)しています。鼻(はな)を丸め(まる )て重い(おも )ものを持っ(も )たり、鼻(はな)の先(さき)で小さな(ちい  )ものをつかんだりします。5鼻(はな)でつかんだ食べ物(た もの)を口(くち)に入れ(い )たり、鼻(はな)から水(みず)を吸い上げ(す あ )て飲ん(の )だりします。
 6土(つち)や水(みず)を体(からだ)にかけるときは、一度(いちど)鼻(はな)のなかに吸いこん(す   )でからシャワーのように吹きだし(ふ   )ます。
 7ゾウとゾウのあいさつの仕方(しかた)は、人間(にんげん)が握手(あくしゅ)をするように、鼻(はな)と鼻(はな)とをからみ合わせ(あ  )ます。
 ゾウは、記憶(きおく)力(りょく)もよく、自分(じぶん)に優しく(やさ  )してくれた人(ひと)をよく覚え(おぼ )ています。
 8また、ゾウは、人間(にんげん)には聞こえ(き  )ない声(こえ)を使っ(つか )て、仲間(なかま)どうし連絡(れんらく)をとることもあります。
 9動物(どうぶつ)園(えん)に行っ(い )たときは、どうぞ(う)ゾウをよく見(み)てきてください。きっとゾウたちも「待っ(ま )てるゾウ!」と言っ(い )ていることでしょう。0

 言葉(ことば)の森(もり)長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) Β
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a 長文 9.1週 0i
 シロツメクサは、日本人にとても愛さ(あい )れている草花のひとつです。天気のいい休日になると、シロツメクサが生えている場所(ばしょ)で、シートを広げ(ひろ )てお弁当(べんとう)を食べる(た  )家族連れ(かぞくづ )の姿(すがた)を見ることができます。シロツメクサの上は、ふんわりしていて座り(すわ )心地(ごこち)がよいのです。お弁当(べんとう)のあとには、子どもたちは花を編ん(あ )でかわいい冠(かんむり)にしたり、茎(くき)をからませて両側(りょうがわ)から引っ張る(ひ ぱ )草相撲(くさずもう)をしたりして遊ぶ(あそ )こともできます。
 私(わたし)たちになじみの深い(ふか )シロツメクサですが、実は(じつ )もともとは日本ではなく、ヨーロッパが原産(げんさん)の植物(しょくぶつ)です。江戸(えど)時代(じだい)、ヨーロッパのガラス製品(せいひん)は大変(たいへん)な貴重(きちょう)品(ひん)でした。遠く(とお )ヨーロッパから船(ふね)でガラス製品(せいひん)を運ん(はこ )でくるとき、船(ふね)がゆれてガラスが割れ(わ )てしまわないように箱(はこ)の中につめものとして入れられたものが、このシロツメクサなのです。つめものの草だからツメクサという名前(なまえ)がつきました。
 シロツメクサは生命(せいめい)力の強い(つよ )植物(しょくぶつ)なので、つめものとして日本にやってきて役目(やくめ)を終え(お )たあと、ゴミとして捨て(す )られた場所(ばしょ)で再び(ふたた )息(いき)を吹き返し(ふ かえ )、次第に(しだい )日本中に広がっ(ひろ  )ていきました。今(いま)では北海道(ほっかいどう)から沖縄(おきなわ)まで、日本全国(ぜんこく)で見られるようになっています。シロツメクサのように外国(がいこく)が原産(げんさん)で、何らかの(なん   )理由(りゆう)で日本に定着(ていちゃく)した植物(しょくぶつ)のことを帰化(きか)植物(しょくぶつ)と言い(い )ます。セイヨウタンポポやヒメジョオンなども帰化(きか)植物(しょくぶつ)として有名(ゆうめい)です。
 ところで、このシロツメクサの英語(えいご)名はクローバーですが、クローバーといえば、四つ葉(ば)のクローバーが幸運(こううん)のシンボルであることはよく知ら(し )れています。しかし、四つ葉(ば)を見つけようと思っ(おも )ても、クローバかり多く(おお )てなかなか見つからないことがほとんどです。ところが、世の中(よ なか)には、五つ葉(ば)や六つ葉(ば)のクローバーもあるのです。今(いま)までに見つかった最高(さいこう)記録(きろく)はなんと十八枚(まい)葉(ば)。これは日本で発見(はっけん)され、ギネスブックにも載り(の )ました。十八枚(まい)葉(ば)のクローバーなんて見つけたら、びっくりして白目をむいて倒れ(たお )てしまいそうです。これぞまさにシロ(ツ)メクサ!

  言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Ν)
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a 長文 9.2週 0i
 1チューリップは、昼間(ひるま)咲い(さ )て、夕方(ゆうがた)から夜(よる)にかけては花びらを閉じ(と )ます。そしてこれを何(なん)日か繰り返し(く かえ )、やがて枯れ(か )ていきます。
 2アサガオの花は、日が沈ん(しず )でから約(やく)十時間(じかん)経つ(た )と咲き(さ )ます。これは、夏(なつ)ならだいたい朝(あさ)の五時(じ)ごろです。3ですから、私(わたし)たちが朝(あさ)起き(お )たときには、もうきれいに咲きそろっ(さ    )ていて、昼(ひる)ごろにはしぼんでしまう、一日だけの花です。
 4ユウガオやマツヨイグサは、その名のとおり、夕方(ゆうがた)や夜(よる)に咲く(さ )花です。5ほかにも、スイレンの仲間(なかま)のヒツジグサという植物(しょくぶつ)は、昔(むかし)の時刻(じこく)の呼び(よ )方(かた)で「未(ひつじ)の刻(こく)」(今(いま)の午後(ごご)二時(じ)ごろ)に咲く(さ )ので、この名がつけられました。
 6月下美人(げっかびじん)という花は、直径(ちょっけい)が二十センチメートルくらいもある大きな花で、まっ白でたくさんの花びらを持ち(も )、よい香り(かお )を漂わ(ただよ )せて咲き(さ )ます。7しかし、その花は一年に一度(ど)か二度(ど)しか咲か(さ )ず、しかも夜(よる)遅く(おそ )咲き(さ )始め(はじ )、たった二時間(じかん)くらいでもうしぼんでしまいます。
 8花は普通(ふつう)、虫たちに花粉(かふん)を運ん(はこ )でもらうため、虫がよく動き回る(うご まわ )昼間(ひるま)に咲く(さ )ようになっています。しかし、熱帯(ねったい)雨林に育つ(そだ )月下美人(げっかびじん)は、夜(よる)に動く(うご )虫たちだけではなく、小型(こがた)のコウモリも花粉(かふん)を運ん(はこ )でくれます。9そのため、月下美人(げっかびじん)は暗い(くら )中でも目立ちやすい真っ白い(ま しろ )花をつけ、強い(つよ )香り(かお )をさせて、コウモリを呼ぶ(よ )のです。
 0月下美人(げっかびじん)の花は、咲い(さ )ている時(とき)も、しぼんでからも食べ(た )られます。台湾(たいわん)では、スープなどの材料(ざいりょう)にされています。また、咲い(さ )ている花をお酒(さけ)につけると、咲い(さ )た形(かたち)のままとっておくことができ、美しい(うつく  )「月下美人(げっかびじん)酒(しゅ)」ができあがります。

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) τ
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a 長文 9.3週 0i
 1人(ひと)は、うまれて六~七か月( げつ)たつとはがはえはじめ、二さいか三さいごろまでには、二〇本(ぽん)ほどになります。この小さい(ちい  )ときにはえるはをにゅ()うしといいます。
 2このはは、子ども(こ  )が大きく(おお  )なるにつれて、だんだんぬけてはえかわり、二〇さいごろに、あたらしいはがはえそろい三二本(ほん)になります。これをえいきゅうしといいます。
 3はは、あごのほねにくっついています。あごのほねは、子ども(こ  )が大きく(おお  )なるにつれて大きく(おお  )なります。4それで、小さい(ちい  )あごにはえたはじめのはのままでは、ぐ()あいがわるくなります。はえかわって大きい(おお  )あごにあうしっかりしたはがひつようになります。
 5二〇さいをすぎると、あごのほねは、もうそれほど大きく(おお  )なりません。はがふたたびはえかわることはありません。
 
 
 6毛糸(けいと)は、ちぢれたり、もつれたり、こまかいえだ毛(け)がからみあったりして、できています。そのもやもやした毛(け)のあいだには、空気(くうき)がたくさんふくまれています。
 7毛糸(けいと)の中(なか)の空気(くうき)は、ちょうど、スポンジにふくまれた水(みず)のように、あまりうごいたり、ながれたりしないで、じっとしているせいしつがあります。
 8この空気(くうき)は、外(そと)のつめたい空気(くうき)が、うちに、はいりこむのをふせぎます。
 9また、この空気(くうき)はからだからにげだそうとするねつをつかまえて、たくわえるので、わたしたちのからだを、ほかほかしたかこいのようなかんじに、つつみます。
 それで毛糸(けいと)でつくったものは、あたたかいのです。0
 
 「なぜだろうなぜかしら」(実業之日本社(じつぎょうのにほんしゃ))より
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a 長文 9.4週 0i
 1日本人(にほんじん)は、あいさつをするとき、おじぎをします。中国(ちゅうごく)や韓国(かんこく)でも、日本人(にほんじん)と同じ(おな )ようにおじぎをします。2一方(いっぽう)、アメリカやヨーロッパの多く(おお )の国(くに)では、あいさつをするとき、握手(あくしゅ)をしたり、抱き合っ(だ あ )たり、キスをしたりします。3抱き合っ(だ あ )たり、キスしたりするのは、日本人(にほんじん)には少し(すこ )抵抗(ていこう)がありますが、世界(せかい)には、もっとユニークなあいさつの仕方(しかた)もあります。
 4たとえば、ニュージーランドの先住民(せんじゅうみん)であるマオリは、鼻(はな)と鼻(はな)とをすり合わせ(あ  )てあいさつをします。相手(あいて)のにおいを嗅ぎ(か )合う(あ )動物(どうぶつ)の習性(しゅうせい)がこのようなあいさつの形(かたち)になったのです。5動物(どうぶつ)と同じ(おな )ように、相手(あいて)のにおいを嗅ぎ(か )あって、お互いに( たが  )あやしい者(もの)ではないということを確認(かくにん)し合う(あ )という意味(いみ)があるのでしょう。
 6また、チベットでは自分(じぶん)のお尻(しり)をさすりながらあいさつをする風習(ふうしゅう)があります。自分(じぶん)にはしっぽがないので、相手(あいて)より身分(みぶん)は下(した)でも、動物(どうぶつ)ではないということをアピールしているのです。
 7エチオピアのマシル人(じん)は、相手(あいて)にお酒(さけ)や牛乳(ぎゅうにゅう)を吹きかけ(ふ   )てあいさつをします。男性(だんせい)には顔(かお)に、女性(じょせい)には手のひら(て   )に吹きかける(ふ    )のだそうです。ずいぶん手荒い(てあら )あいさつですが、マシル人(じん)にとって、これは幸福(こうふく)を吹きかける(ふ    )というおまじないの意味(いみ)があるのです。
 8このように、世界(せかい)にはいろいろなあいさつの仕方(しかた)がありますが、どんなあいさつにも自分(じぶん)をアピールしたり、お互い( たが )を認め(みと )合っ(あ )たり、親愛(しんあい)の情(じょう)を示し(しめ )たりする意味(いみ)がこめられています。9いろいろなあいさつの背景(はいけい)を知っ(し )ておくと、どんなあいさつをされても自然(しぜん)に受け入れる(う い  )ことができます。顔(かお)にお酒(さけ)を吹きかけ(ふ   )られるのは避け(さ )(サケ)たいですが……。0

 言葉(ことば)の森(もり)長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) Λ
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