1また人に好かれる人は、他人に対してもよいイメージを抱くことに心がけながら交際していきます。相手に対して悪いイメージを抱きつづけると、潜在意識はイメージ通りに反応していくことはご承知のとおりです。2それは同時に、自分にとっても悪い現象がおこることをよく知っているからです。
わたしたち人間は、嫌な人に対しては決してよいイメージを抱いてはいません。それと反対に、好ましい人にはよいイメージを持っていることに気づきます。3男女間の恋人同士を見ればよくわかるでしょう。顔のあばたもえくぼに見えてくるのです。
ところが、自分の抱いている悪いイメージによって、その人が嫌いになっているということに気づかないのです。4そして、いつまでも悪いイメージを持ちつづけて、結局は何一つ得にならないばかりか、損ばかりしていることになるのです。
このイメージも、創造的に活用することが大事です。5相手の長所にだけ目をむけるように、イメージ作りをしていけば、好きだった人はますます好きになり、きらいだった人とも次第にうちとけ合うようになります。
人に好かれる大きな魅力は、利己的でなく利他的であるということです。6自分の利益より他人の利益を先にすることをまず考え、奉仕の精神で他人に接するように心がけることです。そして困っている人を見れば、すすんで力を貸してあげるのです。
この心得が、お釈迦さまのいう「功徳」をつむことにつながるものと、わたしは考えています。7自分の利益を先にして、相手に恩を売るのは、決して功徳にはなりません。
キリストの言葉に「与えよ、さらば与えられん」と説いているのも、単にギブ・アンド・テークの打算的な考えではなく、功徳と同じ深い内容の意味を持っているものと思います。
8人間はとかく打算に走りやすく、自分の利益につながらないことはしたがりません。また、他人に何かをしてやる場合でも、必ずその見返りを期待しています。その見返りが多い少ないで、争いがおこります。9このように、目さきの損得ばかりを考えて行動していくと、優劣を意識する場合と同じように、必ずさまざまな破壊的現象がおこります。
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