1人は生まれながらにもっている性格があるね。
しかし、その人の経験と努力で、ある程度変えることができる。
また、人は生まれながらにもっている資質というものがある。2こちらのほうはうっかりしていると気づかないもので、自分の資質がどういうものなのかなかなかわからない。
この資質は、ちょうどその人だけの泉のようなもので、だれでもがすぐれた資質をもっているのに、一生かかっても掘り当てられない人がいる。(中略)
3若い君たちは、自分のすばらしい泉がどこにあるのか、さがしている時期だ。大いにいろいろのことをやって、さがしたらいい。
4そして、ちょうど釣りをしているときのように、コツンと当たりがあったら、そこに君がかくれているのだからじっくりやってみたらいい。すぐにあきてしまわないで、持続することも大切なんだ。しんぼう、しんぼうってわけ。
5高校とか大学とかに入るというのももちろん一つの標的だろう。自分で決めた標的なら、みごと的の中心をねらいどおり射抜くべきだ。
しかし、高校や大学の入試という標的だけでは、だれもがねらう的だし、青春のすべてをかけるには、ちょっとさびしい気もする。6ケンカの相手としても、月並みでもあるね。
君だけにしかない、君自身の青春の標的。標的は夢のあるビッグのほうがいい。若い君には無限の可能性があるのだから。
7しかし、それは君の資質にあったものでなければならないだろうね。といっても、まだ資質の泉を模索中なのだから、君の好きなことでいい。なにかが好きということは、そこに資質の鉱脈があるのだから。
8たとえば、勉強がどうしても嫌いでスポーツが好きな人は、スポーツに君自身の標的をかかげて、二度とこない青春のあいだにやりぬく目標を決め、ライフルの標準をピタリと合わせたらいい。9君自身で決めた目標がなかったら、自分にどのようにツッパッたらいいかわからないってもんだ。
自分のかかげた標的にむかって、一流のツッパリ方をしてみようじゃないか。
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