a 長文 4.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 1私(わたし)のクラスでは、モルモットを二匹(ひき)飼っ(か )ています。一年生のときから私(わたし)たちのクラスにいます。一匹(ぴき)は茶色(ちゃいろ)の長い(なが )毛(け)で、真っ黒(ま くろ)な目をしています。名前(なまえ)はココアです。もう一匹(ぴき)は、白くて短い(みじか )毛(け)で赤い目をしています。名前(なまえ)はミルクです。2休み時間(じかん)になると、私(わたし)は、いつもモルモットを見にいきます。毎日(まいにち)見ても飽き(あ )ません。
 今日(きょう)は朝(あさ)から雨でした。外(そと)で遊べ(あそ )ないので、お昼休み(ひるやす )の間(あいだ)も、ずっとモルモットを見ていました。私(わたし)は、どちらかというとココアが好き(す )です。3ココアの茶色(ちゃいろ)の長い(なが )毛(け)がとてもきれいだからです。私(わたし)がココアを見つめると、ココアもじっと私(わたし)の目を見つめてきました。まん丸(  まる)の真っ黒い(ま くろ )目に見つめられていると、少し(すこ )照れくさく(て    )なります。
 私(わたし)は、ときどきココアをそっと抱っこ(だ  )して背中(せなか)をなでてあげます。4それから、優しく(やさ  )耳の辺り(あた )をなでてあげます。すると、ココアは、「クックックックッ」と声(こえ)を出し、気持ち良(きも よ)さそうに目をつぶります。そんなココアを見ると、私(わたし)もうれしくなります。
 私(わたし)は、ココアを抱(だ)きながら、
「かわいいね、ココア。」
と、声(こえ)をかけました。5すると、隣(となり)にいたメイちゃんが、
「ミルクもかわいいよ。」
と言い(い )ました。私(わたし)が、
「メイちゃんは、ミルクのどこが好き(す )なの。」
と聞く(き )と、メイちゃんは、
「真っ白(ま しろ)な毛(け)がきれいだもん。」
と答え(こた )ました。
「そう。私(わたし)も一緒(いっしょ)。茶色(ちゃいろ)の毛(け)がきれいだからココアが好き(す )なんだ。」
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 6そうして、私(わたし)とメイちゃんは、顔(かお)を見合わせ(みあ  )てにっこりしました。
 ココアとミルクという名前(なまえ)は、みんなで相談(そうだん)して決め(き )ました。女子はちゃんと名前(なまえ)を呼ん(よ )でいますが、男子の中には、決め(き )た名前(なまえ)で呼ば(よ )ない子もいます。
7「おい、ネズ吉(きち)。」
などとふざけて言い(い )ながら、乱暴(らんぼう)に持ち上げる(も あ  )子もいるので、少し(すこ )心配(しんぱい)です。でも、ココアもミルクも全然(ぜんぜん)怒り(おこ )ません。まるで高い(たか )高(たか)いをされている赤ちゃんのように、意外と(いがい )楽しい(たの  )のかもしれません。
 8このあいだ、サツキちゃんが長井(ながい)先生に、
「男子は勝手(かって)にネズ公(こう)とかネズ吉(きち)なんて呼ぶ(よ )んです。」
と、文句(もんく)を言い(い )ました。すると、長井(ながい)先生は、
「あらあら。かわいいモルモットなのにね。」
と笑い(わら )ました。
 9ココアとミルクは、私(わたし)たちのクラスのアイドルです。私(わたし)は、こんなかわいいモルモットを飼っ(か )ているクラスは、ほかにはないだろうなあと思い(おも )ました。0

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω)
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長文 4.1週 kaのつづき
 1私(わたし)たちは眠っ(ねむ )ているとき、レム睡眠(すいみん)という浅い(あさ )眠り(ねむ )と、ノンレム睡眠(すいみん)という深い(ふか )眠り(ねむ )を繰り返し(く かえ )ています。「レム」というのは「目玉がよく動く(うご )」という意味(いみ)の英語(えいご)の略語(りゃくご)で、「ノンレム」というのは、「目玉が動か(うご )ない」という意味(いみ)です。2レム睡眠(すいみん)のときには私(わたし)たちの身体(しんたい)は休んでいますが、脳(のう)はまだ活動(かつどう)しています。そして、ノンレム睡眠(すいみん)のときには、身体(しんたい)とともに脳(のう)も休んでいます。
 3夢(ゆめ)は、おもにこのレム睡眠(すいみん)のときに見ていると言わ(い )れています。
 夢(ゆめ)には、寝る(ね )前(まえ)に考え(かんが )ていたことや、寝(ね)ている間(あいだ)に自分(じぶん)の身体(しんたい)に感じ(かん )たことも影響(えいきょう)しているようです。4ですから、テストの前(まえ)にはテストの夢(ゆめ)を見たり、トイレに行き(い )たいのを我慢(がまん)しているとトイレに行く(い )夢(ゆめ)を見たりします。5また、「自分(じぶん)でもどうしてこんな夢(ゆめ)を見たのかわからない」というような変(へん)な夢(ゆめ)も、じつは心(こころ)の奥(おく)に隠さ(かく )れているもう一つの自分(じぶん)の現れ(あらわ )ではないかと言わ(い )れています。
 6夢(ゆめ)を見るのは、人間(にんげん)だけではありません。犬も夢(ゆめ)を見ます。犬の寝(ね)ている様子(ようす)を見ていると、眠り(ねむ )ながら、うなったり、しっぽをふったり、足を動かし(うご  )たりすることがよくあります。7犬だけではなく、ある程度(  ていど)脳(のう)の発達(はったつ)した動物(どうぶつ)には、このような現象(げんしょう)が観察(かんさつ)されるそうです。
 今(いま)、人間(にんげん)の脳(のう)の働き(はたら )に近い(ちか )能力(のうりょく)を持っ(も )た人工(じんこう)知能(ちのう)の開発(かいはつ)が進ん(すす )でいます。8脳(のう)はあまりにも複雑(ふくざつ)なので、人工(じんこう)知能(ちのう)が完全(かんぜん)に脳(のう)の代わり(か  )ができる日はそう簡単(かんたん)には来(き)そうにありませんが、その研究(けんきゅう)の一環(いっかん)として、人工(じんこう)知能(ちのう)に夢(ゆめ)を見させようという研究(けんきゅう)もあります。9いろいろな画像(がぞう)やその他(  た)の刺激(しげき)を与え(あた )て、それを夢(ゆめ)として組み立て(く た )させようという試み(こころ )です。これは、科学(かがく)の世界(せかい)での夢(ゆめ)のある話(はなし)です。0

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) τ
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a 長文 4.2週 ka
 水でっぽうをもったさかな――おもしろいてっぽううお――

1「じろう、しゃげきのじょうずなさかなを知っ(し )てるかい。」
 おとうさんがおっしゃいました。
「えっ、しゃげきのじょうずなさかな。そんなさかながいるの。」
2「うん、いるんだよ。てっぽうをうって、むしをとるのさ。ただし、水でっぽうだ。水の中にいるさかなだからな。」
「どこにいるの。」
「日本じゃないよ。フィリピンとかミャンマー(ビルマ)とか、あついみなみのくにの川にいるのだよ。」
 3みなさんも、こういうめずらしいさかながいることを、まだ知ら(し )ないでしょうね。
 そのさかなは、ながさ十六センチくらいの、ちょっとたいににたさかなですが、口がいくらかつきだしています。
4「おひるのおやつに、なにかおいしいものをさがしてこようかな。」
と思う(おも )と、川のきしのほうを、すいすいとおよいでいきます。そして、くさや木のはにとまっている、むしをさがします。
 5むしが見つかると、きゅうに水の上にあたまをだして、口のさきをむしのほうにさしむけ、水でっぽうをはなつのです。そのよくあたること。けっして、しっぱいしないそうです。
 6むしは、たちまち川の中にころげおちます。そこを、ぱくりとたべてしまうのです。
 ですから、このさかなを、てっぽううおとよんでいます。
 7てっぽううおは、どうしてこんなにじょうずに、水をふきだすことができるのでしょうね。
 みなさんは、さかなが、ほっぺたのところをぱくぱくうごかして、水をすったりはいたりするのを知っ(し )ているでしょう。
 8あのぱくぱくうごくところを、えらぶたといいますが、てっぽううおがえらぶたをとじて、水を口の中にすいこむときには、ちょうどインクをだしいれするスポイトのゴムのようなはたらきをするのだそうです。ですから、水がぴゅっといきおいよくとびでるのです。
 9それから、このさかなのしたさきがたいへんうすくなっていて、したのさきをまるめると水をうちだすのにつごうのよいみぞができます。それで、まっすぐにねらったところへ水をとばすことができるのです。0
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(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 4.3週 ka
 さかなのめだまがひっこし――ひらめとかれい――

 1みなさんは、かれいとひらめの目が、どこについているか、知っ(し )ていますか。
 かれいの目は、二つとも、あたまの右がわについているし、ひらめは、二つとも、あたまの左がわについています。
 2ところが、かれいもひらめも、こどものときはほかのさかなとおなじように、あたまの右と左に一つずつついているのです。それが、からだが大きくなると、いつのまにか、二つともかたほうによってしまうのです。
 3ずいぶんおかしなことですね。
 なぜかというと、かれいもひらめも、おとなになると、ひらべったいからだのかたがわをぴったり海(うみ)のそこにつけていますから、一つの目が下になっていては、ぐあいがわるいのです。
 4かれいは、左がわを下にして、よこになりますから、目が右がわのほうへひっこしをするのです。ひらめは、右がわを下にして、よこになりますから、目が左がわのほうへひっこしをするのです。
 5なぜ、かれいとひらめとでは、はんたいがわに、目がひっこしをするかといいますと、それにはわけがあるのです。かれいは、からだの右がわが、うすぐろく、左がわがまっしろです。
 6海(うみ)のそこで、うすぐろいほうを上にしていれば、すなのいろとおなじですから、じぶんをいじめるさかながやってきてもきづかれません。
 7また、えさがそばへきたときは、つかまえるのに、ぐあいがいいからです。
 8それとはんたいに、ひらめは、からだの左がわがうすぐろく、右がわがまっしろです。だから、うすぐろい左がわを上にしているのです。
 9らいちょうのはねや、ほっきょくぎつねの毛(け)が、まわりのゆきや地(じ)めんのいろとおなじようにかわるおはなしを、まえにしましたが、ひらめやかれいは、はじめからからだのかたがわがすなのいろをしていて、そのほうを上に見せているのです。
 これも、やっぱりほごしょくの一つです。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 4.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 地球(ちきゅう)の表面(ひょうめん)の七割(わり)は海(うみ)です。陸(りく)の地形(ちけい)は簡単(かんたん)に見ることができますが、海(うみ)の中の地形(ちけい)は見ることができません。長い(なが )間(あいだ)、海底(かいてい)の地形(ちけい)はなぞにつつまれていました。しかし、二十世紀(せいき)になって、深い(ふか )海(うみ)の中を調べる(しら  )技術(ぎじゅつ)が発達(はったつ)しました。たとえば、海(うみ)の底(そこ)に音波(おんぱ)をぶつけて、はねかえってくる時間(じかん)のちがいから、海(うみ)の深(ふか)さを測る(はか )方法(ほうほう)が考え出さ(かんが だ )れたのです。こうして、しだいに海底(かいてい)の姿(すがた)がわかってきました。
 海底(かいてい)の地形(ちけい)図(ず)を見ると、陸地(りくち)以上(いじょう)に大きな山や谷(たに)がたくさんあることに驚かさ(おどろ  )れます。陸上(りくじょう)の山脈(さんみゃく)とはまったくくらべものにならないほど、長い(なが )山脈(さんみゃく)が続い(つづ )ていたり、深い(ふか )谷(たに)が何(なん)本もきざまれている場所(ばしょ)もあります。海底(かいてい)は、山あり谷(たに)ありなのです。なぜ、海(うみ)の底(そこ)はこのような地形(ちけい)になっているのでしょう。
 地球(ちきゅう)の中心(ちゅうしん)からは、いつも熱い(あつ )マグマが上昇(じょうしょう)しています。マグマは、地殻(ちかく)を引き裂い(ひ さ )て新しい(あたら  )海底(かいてい)を作り(つく )ます。海(うみ)の山脈(さんみゃく)、つまり海嶺(かいれい)は、新しい(あたら  )海底(かいてい)が生まれ出ている現場(げんば)です。また海(うみ)の谷(たに)、つまり海溝(かいこう)は、海底(かいてい)が地球(ちきゅう)の中心(ちゅうしん)に沈み(しず )こんでいる場所(ばしょ)です。海嶺(かいれい)も海溝(かいこう)も、たいへん地震(じしん)の起き(お )やすい場所(ばしょ)です。
 地球(ちきゅう)の表面(ひょうめん)は、十枚(まい)以上(いじょう)の板(いた)に分かれ(わ  )ており、それぞれが異なっ(こと  )た方向(ほうこう)にゆっくりと動い(うご )ています。そのスピードは、一年に数(すう)センチメートルほどです。海底(かいてい)も陸地(りくち)も、このプレートと呼ば(よ )れる板(いた)の上に乗っ(の )て少し(すこ )ずつ動き(うご )ます。これをプレートテクトニクス理論(りろん)と言い(い )ます。舌(した)をかみそうな名前(なまえ)なので、テクトウ(適当(てきとう))に読み(よ )たくなってしまいます。
 プレートが他(た)のプレートとぶつかる場所(ばしょ)はどうなっているのでしょう。そこでは片方(かたほう)のプレートが新しく(あたら  )生まれ出ており、もう片方(かたほう)のプレートがその下に沈み(しず )こんでいます。海底(かいてい)の山や谷(たに)は、プレートが動く(うご )ときに大きな力がかかってできる傷(きず)のようなものです。
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まさに地球(ちきゅう)は生きているということがわかります。
 陸地(りくち)が動い(うご )ているのではないかということを最初(さいしょ)に考え(かんが )たのは、二十世紀(せいき)の初め(はじ )のウェゲナーという人でした。彼(かれ)は、世界(せかい)地図(ちず)を見ているとき、陸地(りくち)をはさみで切り取っ(き と )てジグソーパズルのように合わせ(あ  )てみると、ぴったり合う(あ )ことに気がついたのです。アフリカ大陸(たいりく)の西(にし)と南米(なんべい)大陸(たいりく)の東(ひがし)の海岸線(かいがんせん)など、驚く(おどろ )ほどうまく重なり(かさ  )ます。このふとした思いつき(おも   )から、考え出さ(かんが だ )れたのが大陸(たいりく)移動(いどう)説(せつ)です。大昔(おおむかし)の地球(ちきゅう)にはパンゲア大陸(たいりく)と呼ば(よ )れる一つの巨大(きょだい)な大陸(たいりく)があり、これがいくつかに分かれ(わ  )て移動(いどう)し、現在(げんざい)のようなたくさんの大陸(たいりく)になったという考え方(かんが かた)でした。
 しかしウェゲナーは、なぜ大陸(たいりく)が分かれ(わ  )て動い(うご )ていったのかということまでは、うまく説明(せつめい)できませんでした。そのため、当時(とうじ)の学者(がくしゃ)たちは大陸(たいりく)移動(いどう)説(せつ)に疑問(ぎもん)をいだいていました。また、自分(じぶん)たちの生活(せいかつ)の基盤(きばん)である大地(だいち)が動く(うご )という考え(かんが )は、人々の反発(はんぱつ)を買い(か )ました。ウェゲナーは化石(かせき)調査(ちょうさ)などを行ない(おこ  )、その証拠(しょうこ)を示そ(しめ )うとしましたが、グリーンランドを探検(たんけん)中に遭難(そうなん)してしまいました。
 ウェゲナーの死後(しご)、いったんほろび去っ(さ )たかに見えた大陸(たいりく)移動(いどう)説(せつ)は、プレートテクトニクス理論(りろん)とともに復活(ふっかつ)することになります。世界(せかい)地図(ちず)を見てふとひらめいた考え(かんが )が、数(すう)十年の時(とき)を経(へ)て真実(しんじつ)であるとわかったのです。
 ウェゲナーが今(いま)も生きていれば、きっとうれしゲナー顔(かお)をしたでしょう。自分(じぶん)の正しかったことが証明(しょうめい)されて、ウェゲナーはうれしなきをしたかもしれません。「ウェーン。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(κ)
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長文 4.4週 kaのつづき
 1現代(げんだい)は携帯(けいたい)電話(でんわ)という便利(べんり)なものがありますが、昔(むかし)は情報(じょうほう)ひとつ運ぶ(はこ )のも大変(たいへん)でした。2手紙(てがみ)にして、相手(あいて)のいるところにまでとどけなくてはなりません。もちろん荷物(にもつ)を運ぶ(はこ )トラックも鉄道(てつどう)もない時代(じだい)です。
 3江戸(えど)時代(じだい)、このような郵便(ゆうびん)や宅配(たくはい)便(びん)の仕事(しごと)をしていたのが飛脚(ひきゃく)でした。戦乱(せんらん)の世の中(よ なか)では、各地(かくち)に関所(せきしょ)が置か(お )れ、道(みち)を自由(じゆう)に通行(つうこう)することができませんでした。4しかし、江戸(えど)の平和(へいわ)な時代(じだい)になると、街道(かいどう)や宿場(しゅくば)が整備(せいび)され、人や物(もの)の移動(いどう)がスムーズになったのです。
 5飛脚(ひきゃく)のうちで、料金(りょうきん)がいちばん安い(やす )ものは、何(なん)日で届ける(とど  )という保証(ほしょう)がないものでした。急ぐ(いそ )ものや重い(おも )ものは値段(ねだん)が高い(たか )というところは今(いま)と同じ(おな )でした。
 6飛脚(ひきゃく)を頼む(たの )とき、近い(ちか )ところだと今(いま)のお金で数(すう)百円、江戸(えど)から大阪(おおさか)までの最も(もっと )速い(はや )特急(とっきゅう)便(びん)だと数(すう)十万(まん)円もかかったそうです。
 ところで、なぜ馬(うま)を使わ(つか )なかったのか、という疑問(ぎもん)がわいてきます。7理由(りゆう)としては、当時(とうじ)の馬(うま)は今(いま)の競走(きょうそう)馬(ば)のように速く(はや )なかったこと、遠距離(えんきょり)を走れ(はし )なかったこと、そして何より(なに  )リレーしていく馬(うま)を常に(つね )飼っ(か )ておく費用(ひよう)がかかりすぎたことなどが挙げ(あ )られています。
 8さて、これらの飛脚(ひきゃく)は明治(めいじ)時代(じだい)に入って、イギリスから郵便(ゆうびん)制度(せいど)が取り入れ(と い )られたことにより、その役割(やくわり)を終え(お )ました。郵便(ゆうびん)は国(くに)だけが行う(おこな )ようになり、切手(きって)をはるという仕組み(しく )もできました。9江戸(えど)時代(じだい)の飛脚(ひきゃく)たちが、今(いま)の高速(こうそく)情報(じょうほう)通信(つうしん)の時代(じだい)に来(き)たら、目を丸く(まる )することでしょう。もしかしたら、マラソン選手(せんしゅ)になって、オリンピックで活躍(かつやく)するかもしれません。0

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) α
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a 長文 5.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 1ある日、おじいちゃんから電話(でんわ)がありました。おじいちゃんは、
「知っ(し )てるか。今日(きょう)の夜(よる)は流れ星(なが ぼし)がいっぱい見られるんだぞ。」
と教え(おし )てくれました。オリオン座(ざ)流星(りゅうせい)群(ぐん)というのだそうです。ぼくは、流れ星(なが ぼし)を見たことがありません。2急い(いそ )でお母さん( かあ  )に言い(い )ました。
「お母さん( かあ  )。今日(きょう)は流れ星(なが ぼし)が見られるんだって。」
 ぼくは、お兄ちゃん(にい   )にも知ら(し )せました。それから、ぼくは、お母さん( かあ  )に、
「夜(よ)中になったらぼくのこと起こし(お  )てね。お願い( ねが )。」
と頼み(たの )ました。3お母さん( かあ  )は、
「いいねえ。じゃあ、起こす(お  )から必ず(かなら )起き(お )てね。夜(よる)は寒い(さむ )から、上着(うわぎ)を出しておこうか。」
と、早速(さっそく)準備(じゅんび)を始め(はじ )ました。
 その日の夜(よる)、ぼくは、お母さん( かあ  )に体(からだ)を揺さぶら(ゆ   )れて目を覚まし(さ  )ました。4お母さん( かあ  )は、顔(かお)を近づける(ちか   )と、
「今(いま)、すごく大きいのが流れ(なが )たよ。」
と言い(い )ました。ぼくはあわてて起き上がる(お あ  )と、外(そと)へ飛び出し(と だ )ました。お母さん( かあ  )が上着(うわぎ)を持っ(も )て追いかけ(お   )てきました。ぼくたちは上着(うわぎ)を羽織る(はお )と、レジャーシートの上にごろりと横(よこ)になりました。5急い(いそ )で横(よこ)になったので、ゴツンと地面(じめん)に頭(あたま)をぶつけてしまいました。
「そんなにあせらなくて大丈夫(だいじょうぶ)。まだまだこれからだよ。ほら、あれがオリオン座(ざ)でしょう。オリオン座(ざ)の辺り(あた )を見ていてごらん。6あっという間に(     ま )流れ(なが )ちゃうから、ようく空を見ていてね。」
と、お母さん( かあ  )が言い(い )ました。お母さん( かあ  )が教え(おし )てくれた方(ほう)に目を向ける(む  )と、小さな星(ほし)が三つ並ん(なら )で光っ(ひか )ています。
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「ようし。いつでもこい。」
ぼくは気合い(きあ )を入れました。
 7しかし、しばらく待ち(ま )ましたが、なかなか見られません。おまけに少し(すこ )寒く(さむ )なってきました。お母さん( かあ  )が、
「あたたかいココアでも入れてこようか。」
と言い(い )ました。ぼくとお兄ちゃん(にい   )は歓声(かんせい)をあげました。8まるでぼくの気持ち(きも )が伝わっ(つた  )たみたいでした。
 ちょうどココアを飲ん(の )で空を見ていたときです。さあっと一つ、星(ほし)が流れ(なが )ました。
「あっ!」
三人の声(こえ)が重なり(かさ  )ました。9ぼくにとっては、初めて(はじ  )の流れ星(なが ぼし)でした。光(ひかり)は、あっという間に(     ま )流れ(なが )て消え(き )ました。
 その夜(よる)、ぼくは、全部(ぜんぶ)で五つの流れ星(なが ぼし)を見ました。願い事(ねが ごと)はできなかったけれど、ぼくは満足(まんぞく)してベッドに入りました。0

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω)
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長文 5.1週 kaのつづき
 とりのごうとう――いじわるなとうぞくかもめ――

 1にんげんには、どろぼうやごうとうなど、ときどきわるいことをする人がいますね。
 ところが、とりにも、どろぼうやごうとうがいるといったら、きっとみなさんは、ふしぎに思う(おも )でしょう。
 2とうぞくかもめという、海(うみ)のとりが、そうなのです。
 ほかのかもめやうみどりが、さかなをとってとびたとうとしますと、とうぞくかもめはいきなりとんでいって、
「おい、そのさかなをこっちへよこせ。」
とかなんとかいって、おどかすのです。
 3すると、あいてのとりは、びっくりして、くわえたさかなをおとします。
 もしも、さかなをのみこんでしまったあとだったら、とりは、おなかの中から、むりにさかなをはきださせられます。
 4そして、とうぞくかもめは、さかなが海(うみ)におちないうちに、うまくうけとめて、たべてしまうのです。
 5また、ほかのとりが、木のえだをあつめてすをつくりますと、じぶんのすをつくるのに、そのえだをよこどりしにきます。
 すのまえで大きくはねをひろげてとびまわりながら、おどかすのです。6とうぞくかもめは、ひじょうにさむいところにすんでいますが、ほっきょくのちかくにいるのと、なんきょくのちかくにいるのとでは、しゅるいがちがいます。
 7日本のなんきょくかんそくたいがいったオングルとうのちかくにもとうぞくかもめがたくさんいました。
 8いつもからふと犬をおそったり、ねこをねらったり、ときには、かんそくたいの人たちをおそったりしたそうです。にんげんにはとてもかなわないということを、知ら(し )ないのですね。
 9おかげで、かんそくたいの人たちは、とうぞくかもめをてっぽうでうちおとして、やきとりをつくり、大よろこびだったそうです。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 5.2週 ka
 しぜんにできたいわのはし――にじのうきはし――
 
 1山や海(うみ)にいきますと、ふしぎなかたちのいわが、たくさんあるのを、よく見ますね。
 2アメリカのユタしゅうというところには、だれがつくったのでもない、しぜんにできた大きないわのはしが、たににまたがって、いくつもあります。
 3これは、『にじのうきはし』とよばれていますが、たかさが八十五メートルもあって、まったく空ににじがかかったかと思わ(おも )れるような、うつくしいかたちをしています。
 4ちょっと見たのでは、まんなかからおれはしないかと思わ(おも )れて、こわいようです。
 5けれど、だいじょうぶです。うまにのってパカパカわたっている人があるくらいですから。
 6こんなはしが、しぜんにできるなんて、じつにふしぎですね。
 7このへんは、ひろいさばくで、つよいかぜがたえずいわにすなをふきつけます。8それで、はじめはあたりまえのいわだったのが、すなかぜのためにだんだんやわらかいところがけずりとられて、ながいあいだに、それこそなん万(まん)ねんとたつうちに、とうとう、こんなかたちのいわができたのです。
 9それにしても、かぜのちからは、つよいものですね。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 5.3週 ka
 あたたかいゆきのいえ――イヌイット(エスキモー)のくらし――
 
 1ゆきのいえがあたたかいなんて、ちょっとおかしいですね。
 2そのゆきでつくられたいえは、ほっかいどうなどよりも、もっと、ずっと北(きた)のほうのさむいくににあるのです。
 3ほっきょくにちかいアラスカというところにイヌイットという人たちがすんでいますが、このイヌイットたちが、ゆきでつくったいえの中で、くらしているのです。
 4ゆきのいえをつくるには、まず、かたいゆきを四かくにきってまるいわのかたちにならべ、その上へだんだんつみかさねてつくります。
 5ちょうど、おわんをふせたようなかたちにして、小さないりぐちを一つつけ、つみかさねたすきまをやわらかいゆきでふさいで、もうできあがりというわけです。
 6つくりあげるのに、はんにちくらいしかかかりませんが、それでも、このゆきのいえは、たいへんじょうぶなのです。7いりぐちが小さいので、そとのさむいかぜははいってこないし、中ではあざらしのあぶらをもやしますから、さむいことは、ありません。
 8てんじょうに小さいあなをいくつかあけておいて、にごったくうきをだしたり、いえの中があたたかくなりすぎて、ゆきがとけないようにしてあります。9イヌイットは、冬(ふゆ)のあいだは、このゆきのいえですごして、夏(なつ)になると、テントのいえでくらすのですが、ゆきのいえは、冬(ふゆ)のあいだじゅうとけません。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 5.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 私(わたし)たちは、文字を使う(つか )ことで、自分(じぶん)の意思(いし)を相手(あいて)に伝える(つた  )ことができます。しかし、人類(じんるい)は最初(さいしょ)から文字を持っ(も )ていたわけではありません。私(わたし)たちの遠い(とお )祖先(そせん)は文字を持た(も )ず、話し言葉(はな ことば)や身ぶり(み  )、手ぶり、音楽(おんがく)や踊り(おど )まで使っ(つか )て、意思(いし)を伝え(つた )合っ(あ )ていました。
 文字が生まれる最初(さいしょ)のきっかけは、物(もの)の形(かたち)を絵(え)にかいたことでした。あるとき人間(にんげん)は、小さな絵(え)をいくつもかいて、意思(いし)を伝える(つた  )ことを思いつき(おも   )ました。けれども、絵(え)は人によって見方(みかた)が異なる(こと  )ので、うまく伝わる(つた  )こともありますが、誤解(ごかい)されることも多かっ(おお  )たことでしょう。また、いくら単純(たんじゅん)な絵(え)といっても、たくさんかくのはたいへんです。より簡単(かんたん)にかけるように、絵(え)の形(かたち)はだんだん単純(たんじゅん)化(か)されていきました。
 最初(さいしょ)の文字を発明(はつめい)したのは、いまのイラクの南部(なんぶ)、当時(とうじ)はバビロニアとよばれていた地域(ちいき)に住ん(す )でいたシュメール人だと言わ(い )れています。今(いま)から五千年も前(まえ)のことです。シュメール人の文字は、絵(え)を簡単(かんたん)にした記号(きごう)のようなもので、その一つ一つに意味(いみ)がありました。このような文字は、絵文字(えもじ)とよばれています。絵文字(えもじ)を使っ(つか )て文章(ぶんしょう)を書く(か )ためには、膨大(ぼうだい)な数(かず)の文字が必要(ひつよう)です。これを使う(つか )のはたいへん難しく(むずか  )、またわかりにくいという欠点(けってん)がありました。
 そこで、それぞれの文字に意味(いみ)を持た(も )せるのではなく、一つの文字に一つの音声(おんせい)をあてはめることを考え(かんが )た人々がいました。そうすれば、それほどたくさんの文字は必要(ひつよう)なくなり、話し言葉(はな ことば)をそのまま写せる(うつ  )ようになるので、簡単(かんたん)に使える(つか  )ようになります。このような音だけを表す(あらわ )文字を、表音(ひょうおん)文字といいます。文字は、どんどん絵(え)から遠ざかり(とお   )、単純(たんじゅん)な記号(きごう)になっていきました。
 一つ一つの記号(きごう)に意味(いみ)を持つ(も )表意(ひょうい)文字は、絵文字(えもじ)や象形(しょうけい)文字など、数多く(かずおお )ありましたが、どれもずっと昔(むかし)に使わ(つか )れなくなって
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しまいました。しかし、今(いま)でも使わ(つか )れている表意(ひょうい)文字があります。それは漢字(かんじ)です。中国(ちゅうごく)には、多く(おお )の文学作品(さくひん)や宗教(しゅうきょう)の書物(しょもつ)があり、漢字(かんじ)は、昔(むかし)からそれほど変わら(か  )ない形(かたち)で受け(う )つがれてきました。
 日本語(にほんご)には、表意(ひょうい)文字である漢字(かんじ)と、表音(ひょうおん)文字のひらがな、カタカナがあり、それらを混ぜ(ま )て文を書き表し(か あらわ )ます。これは、世界(せかい)の言語(げんご)の中でも特殊(とくしゅ)で、外国(がいこく)人から見ると、たいへん難しい(むずか  )言語(げんご)です。
 大昔(おおむかし)、日本には文字がありませんでした。日本人が初めて(はじ  )使っ(つか )た文字は、中国(ちゅうごく)から伝わっ(つた  )た漢字(かんじ)です。最初(さいしょ)は、話し言葉(はな ことば)は日本語(にほんご)、書く(か )文章(ぶんしょう)は中国(ちゅうごく)の漢文(かんぶん)という状態(じょうたい)でした。漢字(かんじ)ばかりの漢文(かんぶん)は、多く(おお )の日本人にとってちんぷんかんぷん(漢文(かんぶん))だったことでしょう。
 その後(  ご)、漢字(かんじ)の意味(いみ)を無視(むし)して、読み(よ )だけを日本語(にほんご)の音にあてはめた万葉仮名(まんようがな)が作ら(つく )れました。これによって、話し言葉(はな ことば)を文字で表記(ひょうき)できるようになりました。さらに、漢字(かんじ)の形(かたち)をくずして、一文字に一つ音をあてはめたひらがなができました。また、漢字(かんじ)の一部分(いちぶぶん)をとったり、簡単(かんたん)な形(かたち)にしたりすることによって、カタカナも作ら(つく )れました。
 現在(げんざい)では、漢字(かんじ)とかなをまぜて、自由(じゆう)に文を書き表す(か あらわ )ことができます。ひらがなの五十音だけで、文章(ぶんしょう)をつづることもできるし、どの言葉(ことば)を漢字(かんじ)で表す(あらわ )かは、書く(か )人の好み(この )で決める(き  )ことができます。これは、日本語(にほんご)の表記(ひょうき)のすばらしい特徴(とくちょう)と言え(い )るでしょう。
 ただ、面倒(めんどう)だからといって、すべてひらがなで書く(か )と、思わ(おも )ぬ誤解(ごかい)を招く(まね )ことがあるので注意(ちゅうい)しましょう。たとえば、次(つぎ)の文はどのように読める(よ  )でしょうか。「ははははははとわらった」(母(はは)はハハハと笑っ(わら )た・ハハハハハハと笑っ(わら )た)、「きのうおかあさんとぱんつくった」(パン作っ(つく )た・パンツ食っ(く )た) 長文(ちょうぶん)(κ)
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長文 5.4週 kaのつづき
 1蚊(か)は湿っ(しめ )た水のあるところが好き(す )です。遠く(とお )からでも人の体温(たいおん)や汗(あせ)からでる水分(すいぶん)を感じ(かん )てよってきます。そして、ちくりと刺し(さ )ます。2ですから、蚊(か)は「この人はおいしくなさそうだから、あっちの人にしよう」と人をみて刺す(さ )のではありません。3体温(たいおん)の高い(たか )人、汗(あせ)かきの人のほうが標的(ひょうてき)にされるのです。4また、スポーツをして汗(あせ)をかいたあとやお風呂(ふろ)あがりで体(からだ)がほてっているときなどは、蚊(か)に刺さ(さ )れやすくなります。
 5血(ち)をすう蚊(か)は卵(たまご)を持っ(も )たメスだけです。メスでも、卵(たまご)を持っ(も )ていないときは、花の蜜(みつ)や果物(くだもの)の汁(しる)などを食物(しょくもつ)としています。
 6蚊(か)が一回(かい)に吸う(す )血液(けつえき)の量(りょう)は、蚊(か)の体重(たいじゅう)の二倍(ばい)ぐらいです。そのため、血液(けつえき)をたっぷり吸う(す )と、よたよたして飛び(と )方(かた)が遅く(おそ )なることがあります。
 7たっぷり血(ち)を吸っ(す )た蚊(か)は、四、五日たつと数(すう)百個(こ)の卵(たまご)を産み(う )ます。卵(たまご)はボウフラからサナギになり、やがて成虫(せいちゅう)になります。8卵(たまご)から成虫(せいちゅう)になるまで十日ほどですから、夏(なつ)の間(あいだ)は次々(つぎつぎ)と蚊(か)が生まれてくるのです。
 9蚊(か)の天敵(てんてき)には、トンボやツバメやコウモリがいます。ツバメは、一日で数(すう)百から数(すう)千の蚊(か)を食べ(た )ます。夏(なつ)の空をトンボやツバメが飛ん(と )でいるときは、蚊(か)を捕まえ(つか  )ているのです。0

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) β
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a 長文 6.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 1日曜日(にちようび)のことです。お父さん( とう  )が、
「ちょっと背中(せなか)踏ん(ふ )で。」
と言い(い )ました。私(わたし)は、時々(ときどき)お父さん( とう  )の背中(せなか)を踏ん(ふ )であげます。手でマッサージをするよりも、私(わたし)が踏む(ふ )方(ほう)が気持ち(きも )がいいのだそうです。2私(わたし)が手でマッサージをしても、お父さん( とう  )にとっては物足りない(ものた   )のでしょう。
 私(わたし)は、靴下(くつした)を脱ぐ(ぬ )と、
「うん、いいよ。」
と言い(い )ました。どうしてかというと、靴下(くつした)を履い(は )ていると滑り(すべ )やすいからです。
3「お父さん( とう  )、乗る(の )よ。」
と声(こえ)をかけて、右足から背中(せなか)に乗り(の )ました。そして、お父さん( とう  )の背中(せなか)の上でゆっくりと足踏み(あしぶ )をしました。
「ううん。気持ちいい(きも   )なあ。」
お父さん( とう  )は、うつぶせになったまま声(こえ)を出しました。
 4背中(せなか)の上は、バランスをとって足踏み(あしぶ )をするのが少し(すこ )難しい(むずか  )です。それも、同じ(おな )ところだけでなく、背中(せなか)全体(ぜんたい)を踏ま(ふ )なくてはなりません。足の裏(うら)全体(ぜんたい)で優しく(やさ  )踏む(ふ )のは、少し(すこ )コツが要り(い )ます。
 私(わたし)は、
「もう少し(  すこ )強く(つよ )踏ん(ふ )でもいい。」
と聞き(き )ました。5お父さん( とう  )は、
「うん。思い切り(おも き )踏ん(ふ )でいいよ。」
と答え(こた )ました。私(わたし)は、少し(すこ )力を入れて踏み(ふ )始め(はじ )ました。
 お父さん( とう  )の仕事(しごと)は、体(からだ)をたくさん動かす(うご  )仕事(しごと)です。重い(おも )ものを運ぶ(はこ )こともあるので、大変(たいへん)なのだと思い(おも )ます。6お父さん( とう  )は、いつも元気(げんき)に働い(はたら )ているので、日曜日(にちようび)にはたっぷり休んでほしいと思い(おも )ました。
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 私(わたし)がしばらく踏ん(ふ )でいると、お父さん( とう  )は気持ちよ(きも  )さそうに居眠り(いねむ )のふりを始め(はじ )ました。私(わたし)は、ふざけて、もっと強く(つよ )踏み出し(ふ だ )ました。
 7お父さん( とう  )の背中(せなか)は、広く(ひろ )て厚み(あつ )があって、まるで小さな丘(おか)のようです。私(わたし)は、いつの間にか(   ま  )お父さん( とう  )の背中(せなか)の上にいることを忘れ(わす )て、丘(おか)の上で行進(こうしん)しているような気持ち(きも )になってきました。
 8お父さん( とう  )は、しばらく寝(ね)たふりをしていましたが、突然(とつぜん)、
「いたたた。踏み(ふ )方(かた)が強(つよ)すぎる。」
と言っ(い )て起き上がり(お あ  )ました。私(わたし)は、昔(むかし)、お母さん( かあ  )にやってもらったように、
「痛い(いた )の、痛い(いた )の、飛ん(と )でけえ。」
と言っ(い )てあげました。
 9すると、お父さん( とう  )は、にっこりして、
「よし、元気(げんき)になったから、どこかに遊び(あそ )に行こ(い )う。」
と言い(い )ました。私(わたし)はうれしくて、お父さん( とう  )に飛びつき(と   )ました。0

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω)
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長文 6.1週 kaのつづき
 およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎな死海(しかい)――

 1死海(しかい)では、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
 ふつう、みずうみは、海(うみ)とちがって、ま水(しおけのない水)のわけです。2ところが、この死海(しかい)は、海(うみ)の水よりも、もっとしおからいのです。六ばいもしおけがおおいのです。
 みなさんは、ま水の川や、プールよりも、しおけのある海(うみ)のほうが、よくおよげるということを、知っ(し )ているでしょう。
 3だから、海(うみ)よりもしおけのおおい死海(しかい)では、からだがうきあがってしまうのです。
 それでは、ふつうのみずうみはま水なのに、この死海(しかい)は、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
 4それは、こういうわけです。
 この死海(しかい)のあるところは、とちがひくくて、海(うみ)より四百メートルもひくいのです。
 ですから、たくさんの川が、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
 5ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、川の水がすこしずつしおを死海(しかい)にはこんでいるのです。ところが死海(しかい)からは、どこへも水がながれていきません。6そのかわり、つよいたいようにてらされて、水だけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
 7さて、にんげんがしねないのに死海(しかい)というなまえがついているわけをおはなししましょう。
 8にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
 さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
 9にんげんだって、水におぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、死海(しかい)というのです。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 6.2週 ka
 さばくのかいぶつ――サボテンのいろいろ――

 1アメリカのアリゾナしゅうとかメキシコへいきますと、やけるようにあついさばくの中に、きみょうなすがたをしたしょくぶつが、にょきにょきとはえています。
 2まるで、かいぶつが手をつきだして、おどっているように見えるのです。
 ところで、このかいぶつのからだは、水でいっぱいなのです。
 3どこか、くきのところをきりとって、しぼってみますと、おいしい水がとれるのです。
 水のないさばくをりょこうする人たちは、このサボテンの水をのんで大だすかりをします。
 4ところが、このたかいくきのてっぺんに、すをつくるとりがあるから、おもしろいではありませんか。
 サボテンふくろうというとりで、ふくろうのうちでも、いちばん小さいとりです。すずめぐらいしかありません。5こんなたかいところの、とげだらけの中にいればあんぜんだと、すましています。
 このサボテンふくろうはちゃっかりもので、そのすも、じつは、きつつきがすんだことのある、あきやのあなをしっけいしているのです。
 6サボテンには、四千いじょうのしゅるいがありますが、どれも、はもえだもない、くきばかりのしょくぶつで、からだにいっぱいとげがはえています。
 ずいぶんかわったすがたのしょくぶつですがこれでなくては、さばくのようなところではそだたないのです。
 7さばくは雨のすくないところで、地(じ)めんも、水けのないすなか、いわばかりのところです。
 ですから、サボテンは、からだぜんたいに、水けをいっぱいふくんでいるのです。
 はっぱがないのにも、わけがあります。8はっぱがあると、そこからすいぶんをどんどんはきだしてしまいますから、いくらくきが水をたくさんもっていても、たちまちすいぶんがなくなって、かれてしまうのです。
 9そこで、はっぱは、ほそいとげにかわって、やたらとすいぶんをそとにはきださないようになってしまったのです。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 6.3週 ka
 せかい一のふねをしずめた海(うみ)のかいぶつ――おそろしい氷山(ひょうざん)――

 1みなさんは、海(うみ)の水がこおって、氷山(ひょうざん)ができたと思う(おも )かもしれませんが、そうではありません。
 2海(うみ)の水は、あつさ三メートルくらいまではこおりますが、それからさきはこおりません。
 3そのわけは、氷(こおり)がはると、その下の水はひえませんし、まして、しおけのある海(うみ)の水は、こおりにくいからです。
 4氷山(ひょうざん)は、なんきょくやほっきょくのりくちをおおっている氷(こおり)が、だんだんすべりおちてきて海(うみ)にうかんだものなのです。
 5ところで、なんきょくの氷山(ひょうざん)とほっきょくの氷山(ひょうざん)のかたちを、よくくらべて見てください。6なんきょくのほうは、上がたいらで、テーブルのようにひろいでしょう。
 7ほっきょくのほうは、てっぺんが、山のようにとがっています。8これは、ほっきょくの氷山(ひょうざん)は、ほとんどがグリーンランドというしまの、ふかいたにまをうずめていた氷(こおり)が、海(うみ)にすべりおちてできたものだから、たかくて、とがっているのです。
 9また、なんきょくの氷山(ひょうざん)は、ひろいたいりくをおおっていた、たいらな氷(こおり)が、海(うみ)にうかんだものだから、ひくくて、たいらなかたちをしているのです。0

(「世界(せかい)ふしぎめぐり二年生」より抜粋(ばっすい))
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a 長文 6.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 アメリカ大陸(    たいりく)では、ヨーロッパの人が移住(いじゅう)する前(まえ)から、独自(どくじ)の文明(ぶんめい)が発達(はったつ)していました。マヤ文明(ぶんめい)は、今(いま)から二千年以上(いじょう)も前(まえ)に、中央(ちゅうおう)アメリカのユカタン半島(はんとう)を中心(ちゅうしん)におこり、長い(なが )間(あいだ)栄え(さか )た、たいへん高度(こうど)な文明(ぶんめい)です。古代(こだい)マヤ人は、ジャングルの中にピラミッドを建て(た )、マヤ文字をきざんだ石碑(せきひ)を建て(た )、いくつもの王国(おうこく)を作り(つく )ました。しかし、この文明(ぶんめい)は突然(とつぜん)滅ん(ほろ )でしまったのです。マヤ文明(ぶんめい)の滅亡(めつぼう)は、人類(じんるい)の歴史(れきし)の中でも、大きな謎(なぞ)の一つです。
 誰(だれ)も読む(よ )ことができなくなっていたマヤ文字は、「ユカタン事物(じぶつ)記(き)」という本の発見(はっけん)をきっかけに、解読(かいどく)が進み(すす )ました。この本は、マヤ人にキリスト教(    きょう)を広め(ひろ )たランダ神父(しんぷ)が十六世紀(せいき)に書い(か )たもので、マヤ文字を写し(うつ )とり、説明(せつめい)文が書き(か )加え(くわ )られていました。マヤ文字は、ひらがなやアルファベットとはかなり異なっ(こと  )たものでした。人や動物(どうぶつ)の顔(かお)、記号(きごう)が組み合わさ(く あ  )れたもので、どちらかと言う(い )と漢字(かんじ)に近い(ちか )文字だと考え(かんが )られます。
 「ユカタン事物(じぶつ)記(き)」には、マヤの複雑(ふくざつ)な暦(こよみ)についても、くわしい説明(せつめい)がありました。この本のおかげで、マヤ人がどれほど精密(せいみつ)な暦(こよみ)を持っ(も )ていたかが、明らか(あき  )になりました。彼ら(かれ )は、天文学にとてもよく通じ(つう )ていました。金星(きんせい)の公転(こうてん)を正確(せいかく)に計算(けいさん)したり、日食(にっしょく)を予測(よそく)することもできたのです。さらに、後世(こうせい)の研究者(けんきゅうしゃ)たちを驚か(おどろ )せたことがありました。それは、マヤの数学(すうがく)です。彼ら(かれ )は、ゼロを発明(はつめい)していたことがわかっています。ギリシャやローマのように高度(こうど)な文明(ぶんめい)をのこした民族(みんぞく)でも、ゼロという概念(がいねん)は持っ(も )ていなかったことを考える(かんが  )と、驚く(おどろ )べきことです。ただ、ゼロという概念(がいねん)がないと、テストで零点(れいてん)を取っ(と )て叱ら(しか )れることがないのは、よいかもしれません。
 マヤ人の生活(せいかつ)を知る(し )上で、重要(じゅうよう)なのは宗教(しゅうきょう)です。彼ら(かれ )のあらゆる行動(こうどう)は、宗教(しゅうきょう)ぬきには語る(かた )ことができません。その儀式(ぎしき)の中に
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は、今(いま)の私(わたし)たちから見ると、残酷(ざんこく)でばかげているように見えるものもあります。たとえば、いけにえの儀式(ぎしき)です。当時(とうじ)のマヤ人にとって、いけにえは、神様(かみさま)に願いごと(ねが   )をするために、なくてはならないものでした。たいていの場合(ばあい)、いけにえにされる人も、合意(ごうい)の上だったようです。「ユカタン事物(じぶつ)記(き)」を書い(か )たランダ神父(しんぷ)は、この儀式(ぎしき)をやめさせるため、裁判(さいばん)を行い(おこな )、神(かみ)の像(ぞう)をこわし、二度と(にど )くり返さ(かえ )ないことを人々にちかわせたといいます。
 マヤ文明(ぶんめい)は、なぜ突然(とつぜん)ほろんだのでしょう。それには、いくつかの説(せつ)があります。土地(とち)がやせて、農業(のうぎょう)が続け(つづ )られなくなり、豊か(ゆた )な土地(とち)を見つけるために遠く(とお )へ離れる(はな  )必要(ひつよう)があったという説(せつ)や、民衆(みんしゅう)が、王様(おうさま)や貴族(きぞく)などの階級(かいきゅう)に不満(ふまん)を持ち(も )、暴動(ぼうどう)を起し(おこ )たという説(せつ)もあります。また、大規模(きぼ)な飢饉(ききん)や伝染病(でんせんびょう)によって、おとろえていったという考え(かんが )もありますが、いずれにしてもはっきりしたことはわかっていません。
 のちに、この地域(ちいき)はスペイン人によって征服(せいふく)されましたが、スペイン人がマヤ人の領域(りょういき)にやってきたとき、マヤ人たちは、自分(じぶん)たちの過去(かこ)のことについて、何(なに)も思い出す(おも だ )ことができなかったそうです。征服(せいふく)されたあと、マヤ人たちは、もうピラミッドや石碑(せきひ)を建てる(た  )ことはなくなりましたが、マヤ文化(ぶんか)は今(いま)でも生き残っ(い のこ )ています。マヤの子孫(しそん)の中には、今(いま)も古代(こだい)マヤ人が話し(はな )ていたマヤ語(ご)を話す(はな )人々がいます。また、衣装(いしょう)に使わ(つか )れる模様(もよう)には、石碑(せきひ)に彫ら(ほ )れた模様(もよう)とよく似(に)ているものもあります。
 耳をすますと、古代(こだい)マヤ人たちの声(こえ)が聞こえ(き  )てくるようです。
「昔(むかし)はユカッタンだけど、などと言っ(い )ていないで、マヤ文明(ぶんめい)を見直す(みなお )のは、いマヤ。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(κ)
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長文 6.4週 kaのつづき
 1好き(す )なことを仕事(しごと)にしている人は幸せ(しあわ )だといわれています。しかし、「好き(す )」ということばは少し(すこ )あいまいです。2「嫌い(きら )ではない」から始まっ(はじ  )て「これがないと生きていけない」にいたるまで、幅広い(はばひろ )範囲(はんい)の言葉(ことば)だからです。
 3「好き(す )なことを見つけて、仕事(しごと)にする」というのは理想(りそう)的(てき)なことのように見えますが、人生を支え(ささ )てくれるほどの「好き(す )なこと」はそう簡単(かんたん)には見つかりません。4「好き(す )なこと」というのはレストランのメニューのようにたくさん並ん(なら )でいる中から選ぶ(えら )のとは違う(ちが )のです。
 5「好き(す )なこと」は見つけるというより、「出合う(であ )」ものなのかもしれません。「自分(じぶん)には好き(す )なことがない」という人でも、がっかりすることはありません。6好き(す )なことがこの世の中(よ なか)にないのではなく、まだそれに出合っ(であ )てないだけだからです。
 7現在(げんざい)の社会(しゃかい)では多く(おお )の職業(しょくぎょう)があります。十年前(まえ)にはなかった新しい(あたら  )仕事(しごと)も生まれています。例えば(たと  )、インターネットのウェブデザイナーという仕事(しごと)は、昔(むかし)は存在(そんざい)しませんでした。
 8自分(じぶん)の好き(す )なことを探し(さが )ながら生きていると、やがて、その好き(す )なことが仕事(しごと)に結びつい(むす   )て目の前(まえ)に現れ(あらわ )てくるでしょう。9いい「出合い(であ )」をするためには、好奇(こうき)心(しん)のアンテナをいつも張りめぐらせ(は     )ておくことが大切(たいせつ)です。0

 言葉(ことば)の森長(ちょう)文作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) β
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