a 長文 2.1週 ke
 ぼくは、毎日まいにちからアニマックスでドラゴンボールを見ています。おもしろくてやめられません。その日も、ぼくはお兄ちゃんにい   と、いつもどおりドラゴンボールを見ていました。悟空ごくうとピッコロ大魔王まおう対戦たいせんしています。手にあせ握るにぎ 戦いたたか です。ぼくたちは夢中むちゅうでした。
 そこへ、なにかがこげたような匂いにお 漂っただよ てきました。ぼくは、今日きょうばん御飯ごはんはきっとさかなだなと思いおも ました。でも、さかなにしてはくさ過ぎるす  ような気がします。
「なんかへん匂いにお がするぞ。」
言いい ながらふと台所だいどころを見ると、ガスコンロからぼわっと火が出ているではありませんか。ぼくたちは、
「おかあさあん。おかあさあん。大変たいへん火事かじだよう。」
と、大声おおごえで二かいにいるお母さん かあ  呼びよ ました。お母さん かあ  は、
「やだあ、さかな焼いや てるの忘れわす てた!」
叫びさけ ながらドンドンドンと階段かいだん転がるころ  ように降りお てきました。ガスコンロから燃え上がるも あ  火を見て動かうご なくなったお母さん かあ  は、きゅうに、
新聞しんぶん。いらない新聞しんぶん持っも てきて。たくさん。早く!」
と、ぼくたちに言いい ます。ぼくとお兄ちゃんにい   はぶつかりあいながら新聞しんぶん取りと 走りはし ました。お母さん かあ  は、
「ありがと。」
言うい と、勢いいきお よく水を出し新聞しんぶんをぬらしました。
 メラメラと火が燃えも ているのは、グリルというさかな焼くや ところとおくにあるたくさんあな並んなら だところです。お母さん かあ  はまず、おくあなの上に濡れぬ 新聞紙しんぶんし並べなら ました。つぎに、グリルを引き出すひ だ と、火が大きく噴き出しふ だ てきました。ぼくたちはびっくりしてこえも出ません。お母さん かあ  はグリルの上に濡れぬ 新聞紙しんぶんし乗せるの  と、すぐにグリルを閉めし ました。少しすこ 火が小さくなったような気がします。
 333231302928272625242322212019181716151413121110090807060504030201 

お母さん かあ  はまた、グリルを出して濡れぬ 新聞紙しんぶんし乗せの ました。ぼくたちはお母さん かあ  後ろうし でじっと見ています。それをなん繰り返すく かえ とだんだん火が消えき てきました。ぼくはほっとして、
「よかった。火事かじになるかと思っおも たよ。」
言いい ました。
危なかっあぶ   たね。」
言うい 兄ちゃんにい   かおは、まるでおばけ屋敷やしきから出てきたときのようでした。ぼくは、お兄ちゃんにい   怖かっこわ  たんだなと思いおも ました。
 お母さん かあ  は、
「やったやった。危なかっあぶ   たけどなんとかなるもんだね。こういうのを火事場かじば馬鹿力ばかぢからって言うい んだね。」
得意とくいそうです。怖かっこわ  たけど、スリル満点まんてんでした。騒ぎさわ 終わっお  たときにはドラゴンボールも終わっお  ていました。ぼくたちが、
「あーあ、ドラゴンボール見逃しみのが ちゃったよ。」
言うい と、お母さん かあ  は、
「まあ、いいじゃん。火事かじにならなかったんだから。」
笑いわら ました。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
 666564636261605958575655545352515049484746454443424140393837363534