a 長文 7.1週 ki
1「あれ、まだ誰(だれ)も起き(お )ていないのかな。」
 今日(きょう)は、お父さん( とう  )とザリガニとりに行く(い )約束(やくそく)をしています。だから、ぼくは早起き(はやお )をしました。ぼくが起き(お )たとき、お父さん( とう  )はまだ寝(ね)ていたので、
「早く起き(お )なさい。遅刻(ちこく)しますよ。」
と、いつものお母さん( かあ  )のせりふをまねて、お父さん( とう  )を起こし(お  )ました。2朝(あさ)ごはんを食べ(た )ているときも、頭(あたま)の中は、ザリガニとりのことでいっぱいでした。
 さあ、いよいよ出発(しゅっぱつ)です。ぼくが先頭(せんとう)に立って歩き(ある )ました。ザリガニがいる川までは、歩い(ある )て二十分(ぷん)くらいかかります。太陽(たいよう)が照りつけ(て   )、汗(あせ)がにじみ出てきます。3ぼくは、ずんずん歩き(ある )ました。川には誰(だれ)もいなかったので、早く来(き)てよかったと思い(おも )ました。お父さん( とう  )は、
「水がよどんでいるところにいるんだよ。」
と言い(い )ながら、ザリガニが潜ん(ひそ )でいそうな場所(ばしょ)を探し(さが )ます。4お父さん( とう  )は、大きな石がごろごろしているところを見つけると、大きな網(あみ)で何(なん)度(ど)も川底(かわぞこ)をすくいました。でも、全然(ぜんぜん)とれません。何(なん)度(ど)やっても、網(あみ)には、ごみのようなものがくっついてくるだけです。
 5仕方(しかた)がないので、場所(ばしょ)を変え(か )てみました。今度(こんど)は、大きな水たまりのようなところです。網(あみ)ですくうと、ヘドロのようなものの中に何(なに)かが動い(うご )ています。ぼくは、思わ(おも )ず、
「あ、いたいた。」
と叫び(さけ )ました。小さなザリガニがピチピチと動い(うご )ています。6元気(げんき)のいいザリガニが何匹(なんびき)か網(あみ)にかかっていたのです。ぼくもやってみたくなって、網(あみ)でヘドロをすくってみました。思っ(おも )たより重く(おも )て、網(あみ)を引き上げる(ひ あ  )のが大変(たいへん)でしたが、網(あみ)の中をよく見てみると、三匹(びき)
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ぐらいのザリガニが引っかかっ(ひ    )ていました。7ぼくは、うれしくなりました。怒っ(おこ )ているみたいにハサミを振りかざし(ふ    )ているザリガニもいました。ぼくは、ハサミに気をつけながらザリガニをバケツに入れました。
 そのあとも、お父さん( とう  )と交代(こうたい)でザリガニとりを続け(つづ )、たくさんのザリガニをつかまえることができました。8こんなにたくさんとれるとは思っ(おも )ていなかったので、びっくりしました。
「ザリガニは共食い(ともぐ )をしてしまうから、少し(すこ )減らし(へ  )た方(ほう)がいいな。」
とお父さん( とう  )が言っ(い )たので、残念(ざんねん)でしたが、半分(はんぶん)くらい川に返し(かえ )ました。
 9帰り(かえ )に、水そうとザリガニのえさを買い(か )ました。家(いえ)に帰っ(かえ )てから、ザリガニたちを水そうに移す(うつ )と、少し(すこ )驚い(おどろ )ているようで、落ち着か(お つ )ない様子(ようす)でした。ぼくは、ザリガニたちが早く慣れ(な )てくれるといいなあと心(こころ)の中で思い(おも )ました。0

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) Λ)
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a 長文 7.2週 ki
 スカートやズボンを買う(か )ときは、まずウエストのサイズを確かめ(たし  )ます。では、地球(ちきゅう)のウエスト、つまり円周(えんしゅう)はどうやって測る(はか )のでしょう。
 現代(げんだい)の科学(かがく)者(しゃ)たちは、メジャーの代わり(か  )に人工(じんこう)衛星(えいせい)を使い(つか )ます。北極(ほっきょく)と南極(なんきょく)を通る(とお )二つの衛星(えいせい)で、地球(ちきゅう)を外(そと)がわから測る(はか )のです。そのようにして算出(さんしゅつ)された数値(すうち)は、約(やく)四万(まん)八千キロメートル。大変(たいへん)なウエストサイズです。
 しかし、今(いま)からおよそ二千二百年前(まえ)、すでに地球(ちきゅう)を測っ(はか )た人がいたのです。エラトステネスは、ギリシャの数学(すうがく)者(しゃ)で天文学者(てんもんがくしゃ)でもありました。彼(かれ)の時代(じだい)には人工(じんこう)衛星(えいせい)などないので、地球(ちきゅう)が丸い(まる )ことさえ知ら(し )ない人がたくさんいました。もちろん、地球(ちきゅう)を測る(はか )ことのできるほど長い(なが )巻尺(まきじゃく)もありません。エラトステネスが使っ(つか )たのは、一本の棒(ぼう)きれでした。
 エジプトのシエネという都市(とし)にいたときのことです。エラトステネスは、一年でいちばん昼間(ひるま)の長い(なが )夏至(げし)の正午(しょうご)に、太陽(たいよう)が真上(まうえ)に来る(く )ことに気づきました。太陽(たいよう)の光(ひかり)が影(かげ)を作ら(つく )ずに井戸(いど)の底(そこ)まで届い(とど )ていたからです。しかし、そこから北(きた)に八百五十キロメートルほど行(い)ったところにあるアレクサンドリアでは、同じ(おな )夏至(げし)の日の正午(しょうご)に影(かげ)が見えたのです。そこで、エラトステネスはあることを思いつき(おも   )ます。
 彼(かれ)はまず、アレクサンドリアにまっすぐな棒(ぼう)を立てました。正午(しょうご)にその棒(ぼう)が作る(つく )影(かげ)を観察(かんさつ)するためです。影(かげ)の角度(かくど)を測っ(はか )たところ、垂直(すいちょく)方向(ほうこう)に対して( たい  )七・二度(ど)でした。エラトステネスは地球(ちきゅう)が丸い(まる )ことと円周(えんしゅう)の全体(ぜんたい)が三百六十度(ど)であることを知っ(し )ていました。三百六十を七・二で割る(わ )と五十ですから、棒(ぼう)の角度(かくど)七・二度(ど)は円周(えんしゅう)の五十分の(ぶん )一になります。ということは、シエネとアレクサンドリアの間(あいだ)の距離(きょり)も、地球(ちきゅう)の円周(えんしゅう)の五十分の(ぶん )一と等しい(ひと  )はずです。そこで二つの町の距離(きょり)を五十倍(ばい)し、地球(ちきゅう)の円周(えんしゅう)は、約(やく)四万(まん)キロメートルから
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四万(まん)六千キロメートルだという結論(けつろん)に達し(たっ )たのです。それは、驚く(おどろ )ほど正確(せいかく)な数値(すうち)でした。

「エラトステネスさん、棒(ぼう)で測る(はか )なんて、いつ思いつい(おも   )たんですか。」
「ぼうっとしているときにね。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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a 長文 7.3週 ki
 1けんじはともだちと、まちはずれのはらっぱであそんでいました。かれたかやが、たくさんはえていました。2ひとりの子が、マッチをもってきました。
「かやは、よくもえるぞ。もそうよ。」
「うん、もそうもそう。」
 3火をつけると、かれたかやは、めらめらとよくもえます。あっというまに、ぐんぐんもえひろがりました。
4「たいへんだ、けそう。」
 子どもたちは、あわててけそうとしました。けれども、もうまにあいません。ゴオーッという音をたてて、火のいきおいは、はげしくなるばかり。
 5カーンカーンカーン。
 まちのはんしょうが、なりだしました。子どもたちは、青くなってにげだしました。6けんじは、ひとりだけにげません。いっしょうけんめい火をけしつづけました。
 7まちの人たちがかけつけてきて、やっと火はきえました。
「おまえか、こんないたずらをしたのは。」
 しょうぼうの人が、けんじをつかまえてしかりました。8けんじは、
「すみません。」
と、あたまをさげました。けんじのまゆは、火ですっかりやけていました。
 9わるいことをして、にげてしまうようなことは、けんじには、どうしてもできなかったのです。0
 
 (宮脇(みやわき) 紀雄(としお)著(ちょ) 「偉人(いじん)の話(はなし)」より)
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a 長文 7.4週 ki
 かつお節(   ぶし)、みそ、納豆(なっとう)、漬物(つけもの)、パン、チーズ、乳酸菌(にゅうさんきん)飲料(いんりょう)、ビール、ワイン。これらのおいしさの共通(きょうつう)点(てん)は、独得(どくとく)の風味(ふうみ)です。その共通(きょうつう)の風味(ふうみ)をもたらしている秘密(ひみつ)は、どれもが発酵(はっこう)食品(しょくひん)だということにあります。
 同じ(おな )発酵(はっこう)食品(しょくひん)でも、発酵(はっこう)を行う(おこな )微生物(びせいぶつ)のちがいによって、いくつかのグループに分ける(わ  )ことができます。一つ目は、かつお節(   ぶし)のように、主(おも)にカビの作用(さよう)によるものです。二つ目は、納豆(なっとう)、乳酸菌(にゅうさんきん)飲料(いんりょう)、チーズのように、主(おも)に細菌(さいきん)の作用(さよう)によるものです。三つ目は、ビール、ワイン、パンのように、主(おも)に酵母(こうぼ)の作用(さよう)によるものです。そして、みそ、しょうゆ、漬物(つけもの)のように、三つの作用(さよう)が重なり合っ(かさ  あ )て生まれるものもあります。
 このように、目に見えない微生物(びせいぶつ)は、生育(せいいく)するときに周り(まわ )の材料(ざいりょう)を分解(ぶんかい)して、消化(しょうか)しやすく変化(へんか)させたり、独得(どくとく)のおいしい風味(ふうみ)を与え(あた )たりします。ところが、微生物(びせいぶつ)には反対(はんたい)の働き(はたら )もあって、材料(ざいりょう)を分解(ぶんかい)するときに食中毒(しょくちゅうどく)をひきおこす有害(ゆうがい)物質(ぶっしつ)を作っ(つく )たり、悪臭(あくしゅう)を放つ(はな )不快(ふかい)な物質(ぶっしつ)を作ったりすることもあります。これを、私(わたし)たちは腐敗(ふはい)と表現(ひょうげん)しています。
 地球(ちきゅう)上のあらゆるところに生育(せいいく)する微生物(びせいぶつ)は、忍者(にんじゃ)のように目には見えませんが、私(わたし)たちの暮らし(く  )に深く(ふか )関わっ(かか  )てきました。私(わたし)たちが健康(けんこう)で環境(かんきょう)にやさしい生き方(い かた)をするためにも、微生物(びせいぶつ)との共存(きょうぞん)がこれからいっそう大切(たいせつ)になってくるでしょう。
「カビさんが役に立っ(やく た )ているなんて、初めて(はじ  )知り(し )ました。」
「そうカビ。」
「細菌(さいきん)さんも、がんばっているんですね。」
「最近(さいきん)だけどね。」
「酵母(こうぼ)さんも、たまに失敗(しっぱい)することがあるんですか。」
「コウボうも筆(ふで)の誤り(あやま )と言う(い )ぐらいだから。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(μ)
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a 長文 8.1週 ki
1「早く夜(よる)にならないかなあ。」
ぼくは、そうつぶやきました。
「また言っ(い )てる。これで何(なん)回(かい)目?」
お母さん( かあ  )は、おかしくてたまらないという顔(かお)をして笑い(わら )ました。今日(きょう)の夜(よる)は夏(なつ)祭り(まつ )なのです。ぼくは、カレンダーに赤のペンで丸(まる)をつけて楽しみ(たの  )にしていました。2綿(わた)あめにかき氷(  ごおり)、たこ焼き(  や )にチョコバナナなど、いろいろなものを食べ(た )られるのです。
 ついに待ち(ま )に待っ(ま )た夜(よる)です。お母さん( かあ  )がくれた五百円をお財布(さいふ)に入れて、ぼくは校門(こうもん)に急ぎ(いそ )ました。3校門(こうもん)に着く(つ )と、コウジとユウキが待っ(ま )ていて、ぼくを見つけると、
「おう、早く行こ(い )うぜ。」
と僕(ぼく)をひっぱりました。たくさんのちょうちんがぶら下がっていて、いつもの校庭(こうてい)ではないみたいです。まるでおばあちゃんの家(いえ)の近く(ちか )の商店(しょうてん)街(がい)みたいだなと思い(おも )ました。
 4何(なに)を食べよ(た  )うかときょろきょろしていると、ソースのこげるにおいが漂っ(ただよ )てきました。ぼくたち三人は、
「いいにおいだなあ。焼きそば(や   )食べよ(た  )う。」
と、鼻(はな)をクンクンさせながら列(れつ)に並び(なら )ました。ぼくとユウキが先に買っ(か )て、コウジの順番(じゅんばん)になりました。5コウジは、お店(みせ)のおじさんに、
「いっぱい入っているのをください。」
とお願い( ねが )したので、ぼくとユウキは、思わず(おも  )顔(かお)を見合わせ(みあ  )て笑っ(わら )てしまいました。コウジは、クラスの中でも食いしん坊(く   ぼう)で有名(ゆうめい)なのです。6おじさんは、重なっ(かさ  )た焼きそば(や   )の中からひとつひっぱりだして、
「これはたくさん入ってるだろ。」
と言い(い )ました。ぼくは、うらやましいなあと心(こころ)の中で思い(おも )まし
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た。もしぼくがコウジだったら、あんなふうに大人にお願い( ねが )できません。7なんだか恥ずかしい(は    )からです。お母さん( かあ  )にもよく、ぼくは引っ込み思案(ひ こ じあん)だと言わ(い )れているのです。
 焼きそば(や   )は、家(いえ)で食べる(た  )よりも味(あじ)が濃く(こ )て、お祭り( まつ )の焼きそば(や   )の味(あじ)がしました。お母さん( かあ  )の作る(つく )焼きそば(や   )もおいしいけれど、ぼくはこういう焼きそば(や   )も好き(す )です。8多分(たぶん)、お父さん( とう  )も屋台(やたい)の焼きそば(や   )の方(ほう)が好き(す )だと思い(おも )ます。どうしてかというと、濃い(こ )味(あじ)が好き(す )だからです。
 そのあとは、カキ氷(ごおり)とチョコバナナを食べ(た )ました。チョコバナナを買う(か )ときのことです。ぼくは、大きいのが食べ(た )たいなあと思い(おも )ました。9ぼくは、思い切っ(おも き )て、
「ちょっと大きめなのをください。」
と言っ(い )てみました。胸(むね)がドキドキしました。お店(みせ)のおばさんは、
「じゃあ、大きそうなのを選ん(えら )でいいよ。どれがいい?」
と、ぼくに選ば(えら )せてくれました。ぼくは飛び上がる(と あ  )ほど嬉しく(うれ  )て、一番(いちばん)長い(なが )と思う(おも )ものを指(ゆび)差し(さ )ました。0おばさんから受け取る(う と )とき、いつもよりずっと大きい声(こえ)で
「ありがとうございます。」
と言え(い )ました。少し(すこ )お兄さん(にい  )になった気がしました。そのチョコバナナは、いつものチョコバナナよりもずっとおいしかったです。

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω)
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a 長文 8.2週 ki
 物(もの)を食べる(た  )と、いろいろな味(あじ)を感じ(かん )ます。たとえば目かくしをしていても、それが知っ(し )ている味(あじ)なら、今(いま)食べ(た )たものが何(なに)か、当てる(あ  )ことができるでしょう。また、初めて(はじ  )食べ(た )たものでも、「塩辛い(しおから )」とか「甘酸っぱい(あまず   )」などと、言葉(ことば)で表す(あらわ )ことができます。この味(あじ)は、いったいどこでどうやって感じ(かん )ているのでしょうか。
 味(あじ)を感じる(かん  )体(からだ)の部分(ぶぶん)は舌(した)である、というのは、よく知ら(し )れていることです。その証拠(しょうこ)に、味見(あじみ)をするときは、ちょっと舌(した)を出してなめてみます。この舌(した)をよく見てみると、表面(ひょうめん)はなめらかではなく、ざらざらで、更に(さら )よく見ると小さなでこぼこやつぶつぶがあります。実は(じつ )、このつぶつぶが、味蕾(みらい)と呼ば(よ )れるものです。
 「蕾(らい)」というのが「つぼみ」という漢字(かんじ)であることからわかるように、味蕾(みらい)は花のつぼみのような形(かたち)をしています。味蕾(みらい)は舌(した)の表面(ひょうめん)だけではなく、上あごの奥(おく)やのどにもあります。ですから、舌(した)だけで味(あじ)を感じ(かん )ているのではないようです。
 ところで、動物(どうぶつ)の中でも肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)は、においをかぎ分ける(わ  )能力(のうりょく)である嗅覚(きゅうかく)がとても発達(はったつ)している代わり(か  )に、味覚(みかく)はそれほど優れ(すぐ )ていません。犬やネコも、この肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)の仲間(なかま)です。おおざっぱに苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、辛味(からみ)、甘味(あまみ)などはわかり、苦い(にが )ものがきらいで甘い(あま )ものが好き(す )なのは人間(にんげん)と同じ(おな )です。肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)は、生肉(なまにく)をあっという間に(     ま )食べ(た )てしまうため、それほどおいしさを味わう(あじ  )必要(ひつよう)がなかったのです。それに対し( たい )、いつまでもゆっくりと草を食べ(た )ている草食(そうしょく)動物(どうぶつ)は、肉食(にくしょく)動物(どうぶつ)よりは味覚(みかく)が発達(はったつ)していると言わ(い )れています。
 みなさんの家(いえ)にも、おいしいものしか食べ(た )ない、グルメな犬やネコがいるかもしれません。これは、おいしいものをいろいろもらってしまったので、学習(がくしゅう)して「違い(ちが )がわかる」ようになってしまったのです。現代(げんだい)の犬たちが、おしゃれなカフェで犬用(よう)のケーキを食べ(た )ているなんて、犬のご先祖(せんぞ)のオオカミには、想像(そうぞう)もできなかったにちがいありません。
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  言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(Μ)
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a 長文 8.3週 ki
1「おや、かわいそうに。」
 ある朝(あさ)のこと。なんのきなしに、りょうかんさまがゆかの下を見ると、たけのこがあたまをだしています。2たけのこは、ゆかにあたまがとどいて、もうのびることができないでいます。
3「きのどくなことじゃ。まてまて。」
 りょうかんさまはかなづちをもってくると、めりめりめりと、ゆかいたをはがしてしまいました。
4「たけのこさんや、もう、だいじょうぶだ。さあ、のびておくれ。」
 5りょうかんさまはそういってうれしそうなかおをしました。
 6十日ばかりたちました。たけのこはぐんぐんのびて、こんどはやねにつかえました。7するとりょうかんさまは、やねのむぎわらをぬいて、やねにあなをあけ、そこからたけのこをだしてやりました。
 8うちの中にはえた、たけのこのそばにすわって、りょうかんさまはにこにこしながら、ながめていました。
9「あっ、これはまあ。」
 りょうかんさまのうちのまえをとおりかかった、村のおひゃくしょうさんはこれを見て、あいた口がふさがりませんでした。0
 
 (宮脇(みやわき) 紀雄(としお)著(ちょ) 「偉人(いじん)の話(はなし)」より)
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a 長文 8.4週 ki
 南(みなみ)の国(くに)に行く(い )と、バナナの木のジャングルがあります。日本でも、南(みなみ)の方(ほう)に行け(い )ば、バナナの木を見ることができます。
 バナナは高(たか)さがニ、三メートルにもなりますから、このように「バナナの木」と言っ(い )ていますが、実は(じつ )バナナは木の仲間(なかま)ではありません。見上げるほど背(せ)が高く(たか )ても、草の仲間(なかま)なのです。だから、バナナの木を切っ(き )ても、木のような年輪(ねんりん)は見られません。
 バナナは栄養(えいよう)たっぷりで腹持ち(はらも )もいいので、ごはんのかわりにもなります。南(みなみ)の国(くに)では大昔(おおむかし)から、一年中(いちねんじゅう)身(み)のまわりに実っ(みの )ているバナナをとって食べる(た  )ことができたので、お腹( なか)をへらすことがありませんでした。
 バナナは実(み)を食べる(た  )だけではなく、南(みなみ)の国(くに)では、葉っぱ(は  )も使わ(つか )れています。なにしろ、大きい草ですから、葉(は)も大きくて幅(はば)が広い(ひろ )のです。しかも、ほのかによいかおりがします。
 そこで、南(みなみ)の国(くに)では、四角く(しかく )折っ(お )て器(うつわ)にし、そこに材料(ざいりょう)を入れて、蒸し(む )て食べる(た  )おかずを作っ(つく )たり、ごはんをのせるお皿(さら)のかわりにしたりしています。
 また、南(みなみ)の国(くに)では、紙(かみ)をつくるよい材料(ざいりょう)がないので、葉っぱ(は  )を安い(やす )紙(かみ)のかわりにもしています。きれいに折りたたん(お    )で、お供え物(そな もの)の灯篭(とうろう)にしたり、子どものおもちゃとして使っ(つか )たりもします。細く(ほそ )切っ(き )たバナナの葉(は)を編ん(あ )で、エンゼルフィッシュの形(かたち)にしたおもちゃは、今(いま)でもよく作ら(つく )れています。これは、ちょうど、日本で折り紙(お がみ)の鶴(つる)を作る(つく )ようなものです。バナナの葉(は)のエンゼルフィッシュは、ひもをつけて、モビールにすることもできるので、赤ちゃんのベッドの上にも、よくつるしてあるそうです。
 バナナは人を笑わせる(わら   )こともできます。「道(みち)に捨て(す )られたバナナの皮(かわ)で、すべってころぶ人」というのが、昔(むかし)から、映画(えいが)やマンガなどで使わ(つか )れています。
 こんなに役に立つ(やく た )バナナを見習っ(みなら )て、私(わたし)たちもがんバナナいといけませんね。
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a 長文 9.1週 ki
 1夏休み(なつやす )に、私(わたし)と弟(おとうと)の二人だけで、京都(きょうと)のおばあちゃんの家(いえ)に行く(い )ことになりました。今年(ことし)からお母さん( かあ  )が仕事(しごと)を始め(はじ )たので、子供(こども)だけで行く(い )ことになったのです。子供(こども)だけで新幹線(しんかんせん)に乗る(の )のは初めて(はじ  )です。私(わたし)は楽しみ(たの  )で仕方(しかた)ないのに、お母さん( かあ  )は何だか(なん  )不安(ふあん)そうです。
2「ほんとに寝(ね)ちゃ駄目(だめ)よ。大丈夫(だいじょうぶ)ね。」
お母さん( かあ  )が何(なん)度(ど)も私(わたし)の顔(かお)をのぞきこんで言い(い )ました。私(わたし)は、自信満々(じしんまんまん)で、
「大丈夫(だいじょうぶ)だよ。心配(しんぱい)いらないから。」
と言い(い )ました。お母さん( かあ  )は、でもまだ不安(ふあん)そうな顔(かお)で、
「頼(たの)んだからね。ハルが寝(ね)ちゃったら早めに起こし(お  )てね。」
と繰り返し(く かえ )ます。3お母さん( かあ  )は本当に(ほんとう )心配(しんぱい)性(しょう)なんだからと心(こころ)の中で思い(おも )ました。
 新幹線(しんかんせん)に乗る(の )ときは、いつもシウマイ弁当(べんとう)を食べ(た )ます。私(わたし)はシウマイが大好き(だいす )なので、このお弁当(べんとう)は大好物(こうぶつ)です。売店(ばいてん)で、シウマイ弁当(べんとう)とお菓子( かし)を買い(か )ました。4私(わたし)はチョコレート、ハルはグミです。それを抱え(かか )て新幹線(しんかんせん)に乗り込み(の こ )ました。
 ドアのところでお母さん( かあ  )がまた心配(しんぱい)そうな顔(かお)をしたので、私(わたし)とハルは、元気(げんき)いっぱいに手を振り(ふ )ました。切符(きっぷ)を見ながら席(せき)を探し(さが )て、座る(すわ )とすぐにお弁当(べんとう)を食べる(た  )用意(ようい)を始め(はじ )ます。
5「いただきます。」
二人で手を合わせ(あ  )ました。わくわくしながら蓋(ふた)を開ける(あ  )と、シウマイが五つ並ん(なら )でいます。まるで仲良く(なかよ )座っ(すわ )ているみたいです。
「やっぱり新幹線(しんかんせん)に乗っ(の )たらシウマイ弁当(べんとう)だよね。」
私(わたし)は、ハルに言い(い )ました。6ハルも、
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「ぼくも大好き(だいす )。」
と言い(い )ながら、一つ目のシウマイをパクリと口に入れました。私(わたし)は、おいしいものは最後(さいご)に味わっ(あじ  )て食べる(た  )のが好き(す )です。お行儀(ぎょうぎ)が悪い(わる )と渋い(しぶ )顔(かお)をするお母さん( かあ  )もいないので、私(わたし)は五つ全部(ぜんぶ)を取っ(と )ておくことにしました。
 7私(わたし)がとっておきのシウマイに箸(はし)をつけようとしたときです。ハルが、
「ああっ。」
と叫び(さけ )ました。驚い(おどろ )た私(わたし)の足元(あしもと)を、コロコロとシウマイが転がっ(ころ  )ていきます。ハルの落とし(お  )たシウマイでした。それも、最後(さいご)の一つです。ハルは今(いま)にも泣き(な )出しそうな顔(かお)をしています。8なんだかかわいそうになり、私(わたし)は自分(じぶん)のシウマイを一つ、ハルにあげました。もしお母さん( かあ  )が一緒(いっしょ)なら、お母さん( かあ  )が自分(じぶん)のシウマイを分け(わ )ていたと思い(おも )ます。ああ、早く食べ(た )てしまえばよかったなあと残念(ざんねん)に思い(おも )ましたが、ハルがとても喜ん(よろこ )だのでよかったです。9それに、通路(つうろ)をはさんで隣(となり)に座っ(すわ )ていたおばあさんが、
「さすがお姉ちゃん(ねえ   )、偉い(えら )わね。」
と声(こえ)をかけてくれました。恥ずかしかっ(は     )たけれど、嬉しかっ(うれ   )たです。ハルは、シウマイのお礼( れい)だと言っ(い )て、自分(じぶん)のグミを半分(はんぶん)分け(わ )てくれました。ハルもいいところがあるなと思い(おも )ました。
 0本を読ん(よ )だり、しりとりをしたり、なぞなぞを出し合っ(だ あ )たりするうちに、いつの間にか(   ま  )京都(きょうと)に着き(つ )ました。お母さん( かあ  )はまだ心配(しんぱい)しているかなあ。京都(きょうと)に着い(つ )たことを早く伝え(つた )たいなと思い(おも )ました。

(言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい) ω)
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a 長文 9.2週 ki
 1そのころ、とおい東(ひがし)のほうには、こがねの国(くに)があるといわれていました。それは、インドの東(ひがし)のほうにある、小さなしまで、金ぎんやほう石などが、いっぱいあるということです。
2「じぶんが、そのたからの国(くに)を見つけよう。」
と、コロンブスはむねをおどらせました。3たくさんの本をよんだり、いろいろな人にきいたりして、
「ちきゅうはまるいのだ。だから、ヨーロッパから西(にし)へ西(にし)へとすすんでいけば、インドの東(ひがし)のほうにたどりつくはずだ。4東(ひがし)にむかって、りくちにそっていくより、海(うみ)をまっすぐ西(にし)へいったほうがちかい。」
と、コロンブスはおもいました。5そのかんがえを人びとにはなしましたが、だれも、ほんとうにしません。
 そのころの人たちは、ちきゅうがまるいということをしりませんでした。6ちきゅうは、たいらなだいのようなかたちをしていて、そのはしは、たきのようになっているものと、おもっていたのです。
 7ふなのりたちは、とおい東(ひがし)の国(くに)ぐにへも、さかんにしょうばいにでかけましたが、いつもりくちにそって、東(ひがし)へいくのでした。
 8だれも、西(にし)へ西(にし)へといけば、おなじ東(ひがし)の国(くに)ぐにへいけるのだということは、かんがえませんでした。
 9それどころか、西(にし)のほうへ海(うみ)をどこまでもいくと、海(うみ)はたきのようになっていて、ふねごとまきこまれて、じごくへおちてしまうとおそれていたのです。
 0コロンブスは、いっしょうけんめいに、それがまちがいであることをせつめいしました。するとみんなは、
「あの男は、きがへんだ。でなければ、ゆめみたいなことをいって、お金をもうけようとしているのだろう。」
 そういって、だれも、あいてにしませんでした。
 
 (宮脇(みやわき) 紀雄(としお)著(ちょ) 「偉人(いじん)の話(はなし)」より)
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a 長文 9.3週 ki
 1コロンブスたちが、スペインのみなとにかえってくると、人びとはおどろいたりよろこんだり、大さわぎをしてむかえました。2コロンブスは、もうとっくに、しんでしまったとおもっていたのです。
 3コロンブスは、女王さまにおれいをもうしあげ、いろいろめずらしいはなしや、おそろしいぼうけんのはなしをしました。
 4にぎやかなおいわいのえんかいが、ひらかれました。そのとき、ひとりが、
「西(にし)へ西(にし)へといって、あたらしいりくちが見つかったからって、それは、だれにでもできることだ。たいしたことでもあるまい。」
と、わるくちをいいました。5あまりコロンブスがもてはやされるので、ねたんだのです。
 すると、コロンブスは、テーブルの上のたまごをとって、
「どなたかこのたまごを、たてることができますか。」
と、いいました。6みんなやってみましたが、だれにもできません。
「こうするのです。」
 こつんと、コロンブスはたまごのはしをつぶしてたてました。
7「そうするのなら、だれにでもできるじゃないか。」
 みんないいました。8そこでコロンブスは、
「そうです。人がやったあとなら、だれにもできるということが、わかったでしょう。9はじめにやるのが、むずかしいのです。」
と、いいました。わるくちをいった人は、はずかしそうにだまってしまいました。0
 
 (宮脇(みやわき) 紀雄(としお)著(ちょ) 「偉人(いじん)の話(はなし)」より)
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a 長文 9.4週 ki
 マンボウの大きさは、だいたい畳(たたみ)一枚(まい)ほどもあり、体(からだ)の後ろ(うし )半分(はんぶん)が切り取ら(き と )れたような形(かたち)をしているため、まるで頭(あたま)だけが泳い(およ )でいるように見えます。
 人気のあるマンボウですが、実は(じつ )水族館(すいぞくかん)での飼育(しいく)はたいへん難しい(むずか  )のです。その理由(りゆう)は、えさをうまく食べ(た )られないことや、泳ぎ(およ )が下手で水槽(すいそう)の壁(かべ)に体(からだ)をぶつけて弱っ(よわ )てしまうことが多い(おお )ためです。
 魚(さかな)の仲間(なかま)は驚く(おどろ )ほど卵(たまご)をたくさん産み(う )ます。その中でもナンバーワンはマンボウで、メスが一度(ど)に産む(う )卵(たまご)の数(かず)は、三億(おく)個(こ)近く(ちか )にもなります。
 マンボウのお母さん( かあ  )は、卵(たまご)を産み(う )っぱなしで、保護(ほご)するということをしません。卵(たまご)や孵化(ふか)したマンボウの子どもは、海中(かいちゅう)に漂っ(ただよ )ている間(あいだ)に、どんどんほかの生き物(い もの)に食べ(た )られてしまいます。最初(さいしょ)のごく小さいうちは、イワシやサンマ、アジなどのえじきになり、少し(すこ )大きくなったマンボウの子どもは、マグロやカツオ、海鳥(うみどり)、ウミガメなどに襲わ(おそ )れてしまいます。
 けれども、マンボウの子どもたちも、ただ何(なん)の抵抗(ていこう)もせずに食べ(た )られているわけはありません。子どものマンボウの体(からだ)には長い(なが )とげがたくさんあります。まるでお菓子( かし)のコンペイトウのようで、大人のマンボウとは似(に)ても似つか(に  )ない形(かたち)です。大きな魚(さかな)に対して( たい  )は、この程度(ていど)のとげはなんの役(やく)にも立ちませんが、小型(こがた)の魚(さかな)に食べ(た )られる確率(かくりつ)は小さくなります。このとげは、成長(せいちょう)するにつれて短く(みじか )なり、マンボウ独特(どくとく)の形(かたち)に変わっ(か  )ていきます。
 マンボウの兄弟(きょうだい)たちは、大人になるまでにどんどん数(かず)が減っ(へ )ていきます。生き残る(い のこ )ことができるのは、三億(おく)個(こ)もあった卵(たまご)のうち、たったの三十個(こ)ほどです。

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「マンボウさん、のんびりしていますね。」
「ヒマンボウ。」
「えさは、吸い込む(す こ )だけですか。」
「カマンボウ。」
「いつも海(うみ)に浮い(う )ているだけですね。」
「シズマンボウ。」
「もっと別(べつ)のセリフ、ないですか。」
「スマンボウ。」

 言葉(ことば)の森長文(ちょうぶん)作成(さくせい)委員(いいん)会(かい)(κ)
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