a 長文 8.1週 ki
「早くよるにならないかなあ。」
ぼくは、そうつぶやきました。
「また言っい てる。これでなんかい目?」
お母さん かあ  は、おかしくてたまらないというかおをして笑いわら ました。今日きょうよるなつ祭りまつ なのです。ぼくは、カレンダーに赤のペンでまるをつけて楽しみたの  にしていました。綿わたあめにかき氷  ごおりたこ焼き  や にチョコバナナなど、いろいろなものを食べた られるのです。
 ついに待ちま 待っま よるです。お母さん かあ  がくれた五百円をお財布さいふに入れて、ぼくは校門こうもん急ぎいそ ました。校門こうもん着くつ と、コウジとユウキが待っま ていて、ぼくを見つけると、
「おう、早く行こい うぜ。」
ぼくをひっぱりました。たくさんのちょうちんがぶら下がっていて、いつもの校庭こうていではないみたいです。まるでおばあちゃんのいえ近くちか 商店しょうてんがいみたいだなと思いおも ました。
 なに食べよた  うかときょろきょろしていると、ソースのこげるにおいが漂っただよ てきました。ぼくたち三人は、
「いいにおいだなあ。焼きそばや   食べよた  う。」
と、はなをクンクンさせながられつ並びなら ました。ぼくとユウキが先に買っか て、コウジの順番じゅんばんになりました。コウジは、おみせのおじさんに、
「いっぱい入っているのをください。」
お願い ねが したので、ぼくとユウキは、思わずおも  かお見合わせみあ  笑っわら てしまいました。コウジは、クラスの中でも食いしん坊く   ぼう有名ゆうめいなのです。おじさんは、重なっかさ  焼きそばや   の中からひとつひっぱりだして、
「これはたくさん入ってるだろ。」
言いい ました。ぼくは、うらやましいなあとこころの中で思いおも まし
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た。もしぼくがコウジだったら、あんなふうに大人にお願い ねが できません。なんだか恥ずかしいは    からです。お母さん かあ  にもよく、ぼくは引っ込み思案ひ こ じあんだと言わい れているのです。
 焼きそばや   は、いえ食べるた  よりもあじ濃くこ て、お祭り まつ 焼きそばや   あじがしました。お母さん かあ  作るつく 焼きそばや   もおいしいけれど、ぼくはこういう焼きそばや   好きす です。多分たぶんお父さん とう  屋台やたい焼きそばや   ほう好きす だと思いおも ます。どうしてかというと、濃いこ あじ好きす だからです。
 そのあとは、カキごおりとチョコバナナを食べた ました。チョコバナナを買うか ときのことです。ぼくは、大きいのが食べた たいなあと思いおも ました。ぼくは、思い切っおも き て、
「ちょっと大きめなのをください。」
言っい てみました。むねがドキドキしました。おみせのおばさんは、
「じゃあ、大きそうなのを選んえら でいいよ。どれがいい?」
と、ぼくに選ばえら せてくれました。ぼくは飛び上がると あ  ほど嬉しくうれ  て、一番いちばん長いなが 思うおも ものをゆび差しさ ました。おばさんから受け取るう と とき、いつもよりずっと大きいこえ
「ありがとうございます。」
言えい ました。少しすこ 兄さんにい  になった気がしました。そのチョコバナナは、いつものチョコバナナよりもずっとおいしかったです。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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