a 長文 9.3週 ki
 コロンブスたちが、スペインのみなとにかえってくると、人びとはおどろいたりよろこんだり、大さわぎをしてむかえました。コロンブスは、もうとっくに、しんでしまったとおもっていたのです。
 コロンブスは、女王さまにおれいをもうしあげ、いろいろめずらしいはなしや、おそろしいぼうけんのはなしをしました。
 にぎやかなおいわいのえんかいが、ひらかれました。そのとき、ひとりが、
西にし西にしへといって、あたらしいりくちが見つかったからって、それは、だれにでもできることだ。たいしたことでもあるまい。」
と、わるくちをいいました。あまりコロンブスがもてはやされるので、ねたんだのです。
 すると、コロンブスは、テーブルの上のたまごをとって、
「どなたかこのたまごを、たてることができますか。」
と、いいました。みんなやってみましたが、だれにもできません。
「こうするのです。」
 こつんと、コロンブスはたまごのはしをつぶしてたてました。
「そうするのなら、だれにでもできるじゃないか。」
 みんないいました。そこでコロンブスは、
「そうです。人がやったあとなら、だれにもできるということが、わかったでしょう。はじめにやるのが、むずかしいのです。」
と、いいました。わるくちをいった人は、はずかしそうにだまってしまいました。
 
 (宮脇みやわき 紀雄としおちょ 「偉人いじんはなし」より)
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