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 マンボウの大きさは、だいたいたたみまいほどもあり、からだ後ろうし 半分はんぶん切り取らき と れたようなかたちをしているため、まるであたまだけが泳いおよ でいるように見えます。
 人気のあるマンボウですが、実はじつ 水族館すいぞくかんでの飼育しいくはたいへん難しいむずか  のです。その理由りゆうは、えさをうまく食べた られないことや、泳ぎおよ が下手で水槽すいそうかべからだをぶつけて弱っよわ てしまうことが多いおお ためです。
 さかな仲間なかま驚くおどろ ほどたまごをたくさん産みう ます。その中でもナンバーワンはマンボウで、メスが一産むう たまごかずは、三おく近くちか にもなります。
 マンボウのお母さん かあ  は、たまご産みう っぱなしで、保護ほごするということをしません。たまご孵化ふかしたマンボウの子どもは、海中かいちゅう漂っただよ ているあいだに、どんどんほかの生き物い もの食べた られてしまいます。最初さいしょのごく小さいうちは、イワシやサンマ、アジなどのえじきになり、少しすこ 大きくなったマンボウの子どもは、マグロやカツオ、海鳥うみどり、ウミガメなどに襲わおそ れてしまいます。
 けれども、マンボウの子どもたちも、ただなん抵抗ていこうもせずに食べた られているわけはありません。子どものマンボウのからだには長いなが とげがたくさんあります。まるでお菓子 かしのコンペイトウのようで、大人のマンボウとはても似つかに  ないかたちです。大きなさかなに対して たい  は、この程度ていどのとげはなんのやくにも立ちませんが、小型こがたさかな食べた られる確率かくりつは小さくなります。このとげは、成長せいちょうするにつれて短くみじか なり、マンボウ独特どくとくかたち変わっか  ていきます。
 マンボウの兄弟きょうだいたちは、大人になるまでにどんどんかず減っへ ていきます。生き残るい のこ ことができるのは、三おくもあったたまごのうち、たったの三十ほどです。

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「マンボウさん、のんびりしていますね。」
「ヒマンボウ。」
「えさは、吸い込むす こ だけですか。」
「カマンボウ。」
「いつもうみ浮いう ているだけですね。」
「シズマンボウ。」
「もっとべつのセリフ、ないですか。」
「スマンボウ。」

 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(κ)
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