a 長文 10.2週 nnzu
 (回収された牛乳パックからトイレットペーパーが作られるさまざまな工程を説明して)このような苦労の末に牛乳パックからつくられたトイレットペーパーが、最近では売れなくなってきたという問題が起こっています。実際、M製紙でも、未使用の牛乳パックが山積みになっていました。なぜ売れないかというと木からつくった「ヴァージンパルプ」を使ったトイレットペーパーのほうが値段が安いからです。(中略)市民団体のみなさんは、「せっかく回収した牛乳パックが使われないのでは困る。なんとかたくさん使ってもらわないと」と言って、市役所や小学校のトイレットペーパーを牛乳パックからつくったものに替えか て下さいとお願いする運動をしています。パック入りの牛乳をどんどん買って、どんどん回収して、それからつくったトイレットペーパーをどんどん使おうという運動をしているのです。
 ここでもう一度、質問したいと思います。「なぜ牛乳パックをリサイクルするのですか?」
 牛乳パックをリサイクルさせることは、「ゴミを減らすため」にはなっているのですが、「環境かんきょうを守るため」にはなっていません。パック入りの牛乳をどんどん買ってどうするのでしょうか。アメリカやカナダの動物や自然のことは何も考えていないのでしょうか。(中略)
 環境かんきょうを守るため」にと牛乳パックからはがきを作っている市民団体があります。(中略)
 この市民団体は、このはがきをつくるためにミキサーを10台以上こわしてしまったそうです。それに、ドライヤーを数十分使う電気量はどうでしょうか。電気の多くは火力発電所でつくられます。火力発電のエネルギーは石油です。石油を燃やして排ガスはい  を出して電気をつくっているのです。これもりっぱな大気汚染おせんです。ミキサーを使うための電気も同じです。(中略)
 牛乳パックのリサイクルはすばらしいことです。ただ、ここでぼくが言いたいのは、地球にやさしくするために、自分にやさしくするために、そして友達や家族みんなにやさしくするために、さらにもう一歩進んでみようということなのです。
 
 (伊藤吉徳間違いまちが だらけのリサイクル」)
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