悪童たち
1春休みの悪童たち
所在なしに
わが家の塀に石を投げる
石は
古びた塀をつきぬけ硝子窓に命中する
2思うに
キャッとばかり飛び出してゆく私の姿を
見ようがための悪戯で
桜の木から偵察兵のちびが
するすると逃げてゆくのを目撃した
花泥棒とか実を盗むのならかわいいのだけれど
3ある日
とうとう一味の三人を掴えた
学校名を言いなさい! 何年生?
だれがしたの?
あなたたちの家 どこ?
あなたたちのお母さんに
言わなければならないことがある!
4一味は頑として口を割らず
逃げた首謀者を庇っている
かれらにはかれらの掟があり
沈黙は抵抗運動の仲間のように完璧だ
私の叫びを不敵な笑いで眺められると
ぎりぎりと拷問しても
泥を吐かせたいさざなみが立ってくる
5アルジェリア!
腐臭が薫風にのってくる
わが青春の日に讃えたフランスの魂は
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