1私たちは生きていく中で私たち自身の「生きる意味」を変化させていく。人生地図の濃淡の具合が変わっていくのだ。例えば、小さいときはお母さんが世界の中心で、学校に行きだすと友達が大切になり、2その後バンドにはまった青春期が続き、就職したら仕事がものすごく面白くなり、しかし「釣り」と出会ってからはそれがもう一生の友……といったように、私たちはひとりひとり別々の「生きる意味」の遍歴を持っているものだ。3そして、その「生きる意味」の歴史は積み重なり、人生経験となって私たちの生きる意味をさらに深めていく。私たちの人生とは、「生きる意味」の成長とともにあるのである。
ところが、私は何の「内的成長」もなかったと自分自身を振り返る人もいる。
4「私は結局ずっと人の目を気にして「いい子」をやってきたんだと思います。小さいときは親にとっての「いい子」そのものでした。クラスでもいつも優等生でしたが、それも先生や友達の前で「いい子」をやっていたのだと思います。5それから「いい妻」になり「いい母」になりました。だから周りの人はみんな「よくできた人だね」って言うんですよ、私のこと。でも、このごろ気づいたんです。私って小さいときから成長してないって。いつも周りの人の目を気にして「いい子」をやり続けてきた。6もしかしたら子どものままなんじゃないかって」。
彼女は人生でたくさんのことをやってきたはずだ。学校では優等生だし、友達にもきっと優しかったことだろう。絵に描いたような幸せな家庭を築いてきたのかもしれない。7しかし、周囲からは幸せそのものと見えていても、本人が悩んでいるということはよくあることだ。私は何か不自由だ。自分自身が自分でないような気がする。8そして、その不満に直面し、自分の人生を見つめ直したとき、自分はいろいろなことをやってきたけれども、「生きる意味」においては全く成長していなかったのではないか、常に「人の目を気にするいい子」を生きてきたのではないかと気づく。9そしてそこから彼女の人生の転機が始まるのだ。
人生の「創造性」、それは、私たちが常に新しい「生きる意味」に開かれて生きていることを意味している。私たちが「生きる意味」の創造者であり、人生の節目節目で「生きる意味」の再創造を行うことができること、それが人生の創造性なのだ。
0それは「あなたがこの社会で創造性を発揮すれば、その分、あ
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