ねむって冬をこす動物――くまやかえるの冬みん――
1冬のころ、はたけや、にわの土をほりかえすと、中から、かえるやとかげなどがでてくることがありますね。
2いいきもちでねていたところを、おこされたといわんばかりに、目をぱちくりさせて、あわててまた土の中にもぐりこみます。
3かえるや、とかげは、こうやって、冬のあいだ、土の中でねむっているのです。
長い冬のあいだじゅう、ずっとねむりとおすなんて、ずいぶんねぼうですが、これは、どういうわけなのでしょう。
4かえるやとかげは、まわりの温度につれて、からだの温度がかわるという、きみょうなせいしつをもっています。ですから、冬になってあたりがさむくなると、じぶんたちの体おんも、きゅうにさがるのです。
5そうなると、もう、かつどうすることができません。あたたかいあなや土の中にもぐって、じっとしているのです。6こきゅうも、ゆるやかになり、血のめぐりも、ほとんどとまっているといってよいくらいです。たべものは、もちろんたべません。
7はんぶん死んだようなようすで、冬をこすのです。これを、冬みんといいます。
このほかに、りすや、やまねなども、冬じゅう、木のほらでねむってすごします。
8小さな動物ばかりではありません。おどろいたことに、あの大きなくまも、冬じゅう、あなの中でねむっているのです。
これは、かえるや、とかげのように、からだがひえるためではありません。9冬になると、ありや、かになど、くまの大すきなたべものが、そのへんにいなくなるし、木のみなどもなくなりますから、秋のうちに、たくさんたべておいて、冬のあいだは、あなにはいって、じっとしているわけなのです。0
(「世界ふしぎめぐり三年生」より抜粋)
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