長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
大昔の鳥の祖先は、ほかの動物と同じように四本足を使って歩いていました。長い年月のあいだに、前足が翼に進化し、今のように空を飛べるようになったのです。鳥は、爬虫類の仲間から進化してきたので、トカゲの前足の骨組みと鳥の翼の骨組みは、たいへんよく似ており、この二つをくらべると、前足が翼に変わったことがよくわかります。また、前足だけではなく、体をおおっている羽毛の一部も翼に変わりました。風に向かって進むと、何枚も重なった風切羽によって、鳥は体を空中に浮かせることができます。
しかし、翼だけがいくら立派でも、飛ぶことはできません。翼を動かす部分も大事です。鳥の胸の骨には大きな出っ張りがあり、船底のような形をしています。そこに、翼をはばたかせる筋肉がついています。鳥の胸の筋肉は、たいへん発達しており、この筋肉の力で大きな翼をはばたかせることができます。
自由に空を飛ぶためには、体が重くてはいけません。普通、体を作っているもので、いちばん重いのは骨です。そこで鳥の骨は、竹のように中が空洞になっていたり、スポンジのようにスカスカになっているなど、体を軽くするための工夫が見られます。しかし、スカスカの骨といっても、すぐ折れてしまうような弱いものではなく、たいへんかたくて丈夫にできています。
また、体全体を軽くするために、骨の数も少なくなっています。あごの骨は歯と一緒になって、くちばしに変わりました。歯がないため、鳥は食べ物をすべて丸のみにしてしまいます。「鵜のみ」にするのは、鵜だけではなかったということです。ただ、そのままではたいへん消化が悪いので、おなかの中で食べた物を砕くことができるようになっています。その役目をするのが砂肝です。砂肝は砂嚢とも呼ばれ、その名のとおり砂が入っています。砂粒によって
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