地球は音よりはやい――地球の運動――
1むかし、キリスト教の教会では神さまが世界をお作りになったとき、人間のすんでいる地球をまん中にして、太陽や、月や、星が、そのまわりをまわるようにしたのだとおしえていました。そして、そのころは、すべての人が、そうしんじていたのです。
2コペルニクスは、長いあいだ、星をかんそくして、
(それはちがう。太陽はうごかないでいて、地球や、月や、そのほかの星が、太陽のまわりを、ぐるぐるまわっているのだ。)
と、かんがえましたが、なかなかそれをいいだすことができませんでした。3というのは、そのころの教会の力は、たいそうつよくて、もしも、教会のおしえにそむくことをいったら、どんなひどいめにあわされるかしれなかったからです。
けれども、コペルニクスは、ゆうきをだして、じぶんの正しいとしんじていることを本にしようとけっしんしました。4が、その本ができあがったとき、コペルニクスは、びょうきで死んでしまいました。
そのあと、コペルニクスのかんがえをせつめいしてあるいたブルーノという学者は、火あぶりにされ、さんせいする本を書いたガリレオは、さいばんにかけられました。
5このとき、ガリレオは、むりやりに、じぶんのかんがえをとりけさせられましたが、
「それでも、地球はうごくのだ。」
と、つぶやいたということです。
こうして、地球がうごくというかんがえは、教会のきびしいはんたいにあいながらもだんだんにみとめられてきたのです。6今では、地球がうごいているということは、だれでも知っている、あたりまえのことですが、むかしは、こんなにもたいへんなことだったのですね。
さて、地球はこのように太陽のまわりをまわっているのですが、ひとまわりするのに、およそ三百六十五日かかります。
7わたしたちが、ふだん一年とよんでいるのは、この、地球が太陽をひとまわりする時間をいっているのです。
|