a 長文 5.2週 sa
 地球ちきゅうは音よりはやい――地球ちきゅう運動うんどう――

 むかし、キリスト教の教会では神さまかみ  世界せかいをお作りになったとき、人間のすんでいる地球ちきゅうをまん中にして、太陽たいようや、月や、星が、そのまわりをまわるようにしたのだとおしえていました。そして、そのころは、すべての人が、そうしんじていたのです。
 コペルニクスは、長いあいだ、星をかんそくして、
(それはちがう。太陽たいようはうごかないでいて、地球ちきゅうや、月や、そのほかの星が、太陽たいようのまわりを、ぐるぐるまわっているのだ。)
と、かんがえましたが、なかなかそれをいいだすことができませんでした。というのは、そのころの教会の力は、たいそうつよくて、もしも、教会のおしえにそむくことをいったら、どんなひどいめにあわされるかしれなかったからです。
 けれども、コペルニクスは、ゆうきをだして、じぶんの正しいとしんじていることを本にしようとけっしんしました。が、その本ができあがったとき、コペルニクスは、びょうきで死んし でしまいました。
 そのあと、コペルニクスのかんがえをせつめいしてあるいたブルーノという学者がくしゃは、火あぶりにされ、さんせいする本を書いたガリレオは、さいばんにかけられました。
 このとき、ガリレオは、むりやりに、じぶんのかんがえをとりけさせられましたが、
「それでも、地球ちきゅうはうごくのだ。」
と、つぶやいたということです。
 こうして、地球ちきゅうがうごくというかんがえは、教会のきびしいはんたいにあいながらもだんだんにみとめられてきたのです。今では、地球ちきゅうがうごいているということは、だれでも知っている、あたりまえのことですが、むかしは、こんなにもたいへんなことだったのですね。
 さて、地球ちきゅうはこのように太陽たいようのまわりをまわっているのですが、ひとまわりするのに、およそ三百六十五日かかります。
 わたしたちが、ふだん一年とよんでいるのは、この、地球ちきゅう太陽たいようをひとまわりする時間をいっているのです。
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 それでは、地球ちきゅうは、どれくらいのはやさで、走っているとおもいますか。
 おどろいてはいけませんよ。一時間に、およそ十万キロというはやさで走っているのです。特急とっきゅう「ひかり」が、いちばんはやく走っているときで、一時間に二百二十キロ、音よりはやいといわれるジェット機    きでも、一時間に千三百キロくらいのはやさですから、地球ちきゅうのはやさとは、とてもくらべものになりませんね。
 わたしたちは、そんなにはやく走っている地球ちきゅうの上にいて、よくたおれないものだと、ふしぎにおもいますね。それは、地球ちきゅうには、引力といって、ものをひきつける力があって、人間をひっぱっているから、たおれないのです。

(「世界せかいふしぎめぐり三年生」より抜粋ばっすい一部いちぶ調整ちょうせい
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