家ちくといっしょにテントのたび――モンゴルの人のくらし――
1わたしたちのくらしかたは、まず家をつくって、そこにおちついてくらします。
学校へいくのも、おつとめにでるのも、その家からです。
よほどのことがなければ、ひっこしはしません。
2ところが、村ぜんたいが、いつもひとところにおちついていないで、家をもって、あちこち、ひっこしてあるく人たちがいます。
モンゴルの人たちが、そうです。
3モンゴルは、あつささむさのちがいが、たいへんはげしいところで、しめりけがすくなく、土地がひじょうにかわいています。
そのため、さばくやひろい草原がひろがっており、おおくの人びとが、牛、うま、らくだ、ひつじ、やぎなどをかってくらしています。4そして、いつも水や草のあるところをさがして、つぎつぎとひっこしてあるくのです。
ふつう一けんの家で、ひつじを二、三百頭、牛を五十頭、馬を二十頭くらいもっています。5ですから、村全体がひっこすとなると、たいへんなさわぎとなります。
しかし、家は、ごくかんたんなもので、おりたたみができますから、たいしてせわはありません。
6やなぎの木をくみあわせて、ほねぐみをつくり、それにひつじの毛がわを、すっぽり上からかぶせただけのすまいです。この家のことを、パオといっています。
7パオは、くみたても、とりはずしも、二、三時間でできてしまうたいへんべんりな家です。
モンゴルの人たちのたべものは、おもに、ひつじや牛のちち、にくなどです。8朝は、チャオミイといって、ひつじのちちをいれたお茶に、いった粟をいれてたべます。夕はんは、ゴリルといって、ひつじのにくに、うどんをまぜてにたものです。そして、一日のうちに、なんかいもお茶をのみます。9このお茶は、ひつじの毛がわととりかえて、手にいれます。
ねんりょうには、ひつじや牛のあぶらのほか、牛のふんをかわかしたものをつかっています。パオも、ひつじの毛がわでつくったものです。0
(「世界ふしぎめぐり三年生」より抜粋)
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