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 家ちくといっしょにテントのたび――モンゴルの人のくらし――

 わたしたちのくらしかたは、まず家をつくって、そこにおちついてくらします。
 学校へいくのも、おつとめにでるのも、その家からです。
 よほどのことがなければ、ひっこしはしません。
 ところが、村ぜんたいが、いつもひとところにおちついていないで、家をもって、あちこち、ひっこしてあるく人たちがいます。
 モンゴルの人たちが、そうです。
 モンゴルは、あつささむさのちがいが、たいへんはげしいところで、しめりけがすくなく、土地がひじょうにかわいています。
 そのため、さばくやひろい草原がひろがっており、おおくの人びとが、牛、うま、らくだ、ひつじ、やぎなどをかってくらしています。そして、いつも水や草のあるところをさがして、つぎつぎとひっこしてあるくのです。
 ふつう一けんの家で、ひつじを二、三百頭、牛を五十頭、馬を二十頭くらいもっています。ですから、村全体ぜんたいがひっこすとなると、たいへんなさわぎとなります。
 しかし、家は、ごくかんたんなもので、おりたたみができますから、たいしてせわはありません。
 やなぎの木をくみあわせて、ほねぐみをつくり、それにひつじの毛がわを、すっぽり上からかぶせただけのすまいです。この家のことを、パオといっています。
 パオは、くみたても、とりはずしも、二、三時間でできてしまうたいへんべんりな家です。
 モンゴルの人たちのたべものは、おもに、ひつじや牛のちち、にくなどです。朝は、チャオミイといって、ひつじのちちをいれたお茶に、いったあわをいれてたべます。夕はんは、ゴリルといって、ひつじのにくに、うどんをまぜてにたものです。そして、一日のうちに、なんかいもお茶をのみます。このお茶は、ひつじの毛がわととりかえて、手にいれます。
 ねんりょうには、ひつじや牛のあぶらのほか、牛のふんをかわかしたものをつかっています。パオも、ひつじの毛がわでつくったものです。

(「世界せかいふしぎめぐり三年生」より抜粋ばっすい
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