長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
コロンブスの時代、人々はまだ、地球が丸いとは思っていませんでした。そのころ、ヨーロッパ諸国は、貿易を行いキリスト教を広めるため、さかんに船で東方にあるアジア進出を目指していました。この時代を大航海時代と呼んでいます。
イタリア生まれのコロンブスは、東を目指す人々とは異なる考えを持っていました。彼は、地球が丸いことを信じていました。アフリカの南をまわってアジアを目指すよりも、大西洋を西へ進んだほうが、ずっと早くアジアにたどり着けるはずだと考えたのです。もう一つ、コロンブスに航海を決心させたものがあります。それは、マルコ・ポーロの「東方見聞録」でした。そこに書かれていた、黄金の国ジパング(日本)は、ヨーロッパの人のあこがれの的でした。彼はスペインの女王の援助を受け、サンタ・マリア号に乗って、西回りでアジアに行く計画を実行することになりました。
このとき、コロンブスが要求したことは、もしインドを見つけたらその宝の十分の一を自分がもらうこと、発見した土地の総督になること、スペインの貴族になることなどでした。当時、遠洋航海には莫大な資金が必要でした。このため、イギリスやフランスは、コロンブスの提案を受け入れることができませんでした。コロンブスにとってもスペインの女王にとっても、航海は大きな賭けだったのです。
サンタ・マリア号の乗組員たちは、地図にも載っていない未知の海域へと航海に出ました。そして、二か月以上の航海を経て、ようやく陸地を見つけることができたのです。コロンブスの考えでは、そこはアジアのはずでした。
地球儀を見るとわかりますが、ヨーロッパから西に向かって大西洋を横断すると、巨大なアメリカ大陸にぶつかります。アメリカ大陸を越えて広い太平洋を横断しなければ、アジアに
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