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 七五三というのは年のことですが、実際じっさいは六さいや四さいお祝い いわ をすることがあります。七五三の年は、数え年というもので、実際じっさいの年より一つか二つ上になります。どうしてこういう年の数え方をするのでしょう。
 今は誕生たんじょう日がくると一つ年をとる満年齢まんねんれい普通ふつうです。しかし、むかしはそうではありませんでした。新しい年がくると、みんないっせいに一つ年をとったのです。
 お年玉というのは、もともと年のたましいのことで、お正月に年のたましいであるおもちを食べて、年を一つとったというわけです。
 この数え年の考え方は東洋とうようのもので、西洋せいようではむかしから今のような満年齢まんねんれいの数え方でした。西洋せいようでは、赤ちゃんが生まれてきたときから、年齢ねんれいを数えます。しかし、日本では、お母さんのおなかにいるときから赤ちゃんの年齢ねんれいを数えるため、生まれた瞬間しゅんかんに一さいとしました。もし、十二月三十一日に生まれたとしたら、その赤ちゃんは生まれたときにもう一さいです。そして、つぎの日に元旦がんたん迎えるむか  と、すぐに二さいになるのです。
 だれもが同じ一月一日に一つ年をとるというのは、それだけ年が改まるあらた  お正月の意味いみが大きかったからなのかもしれません。
 今の満年齢まんねんれいの数え方になったのは、だい世界せかい大戦たいせん後のことです。生まれた日から数える満年齢まんねんれいの考え方は、それなりに正確せいかく実用じつようてきです。しかし、お正月におもちを食べていっせいに年をとった古き時代じだいのやり方には、等しくひと  いのち大事だいじにする文化ぶんかがあったように思えます。
 お正月は、お雑煮ぞうにのおもちを食べながら、モチっと日本の文化ぶんかについて考えてみるのもいいかもしれません。

 七五三は、三さいさいさいお祝い いわ をします。どうして、年齢ねんれいじゅんに三五七と言わないかというと、つぎのようなことがあるからです。
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「えーと、そろそろうちの子も、あれだな。あの三五、えーと三五……」
「十五でしょ」

 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいん会(α)
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