1ダイヤモンドの美しさは、さまざまな色の輝きを複雑に放っているところにあります。
光は透明なようですが、実はいろいろな波長の光が集まっています。だから、プリズムに通すと曲がり方の違いからさまざまな色が見えます。2空気中の水分に日の光が当たって、虹が見えるのもこの原理です。
ダイヤモンドは光の屈折率が高く、光を大きく曲げる性質をもっています。そうすると、短い波長の紫は強く曲がり、長い波長の赤色は弱く曲がります。3その間の色もそれぞれの曲がり方をするので、ダイヤから出てきた光はさまざまな色に分かれて見えるのです。
ダイヤモンドは、最も硬い石と言われています。硬さの調べ方は、ある鉱物と他の鉱物をこすり合わせ、傷のついた方がやわらかい、という方法で行います。4ダイヤモンドは、どの鉱物よりも傷つきにくいのです。
では、ダイヤモンドは割れないのかというと、金づちでたたいただけで砕けてしまうこともあります。それは「へき開」と言って、割れやすい特定の方向があるからです。5鉱物はその内部の原子の配列によって、結合のとても弱い方向ができる場合があります。植物を切る時、その繊維の向きにより、縦にさくのは簡単でも横にちぎるのは難しい、ということがありますが、その場合と似ています。
6鉄はすぐにさびますが、ダイヤモンドはさびることはありません。日光にさらされても変色せず、酸に溶けることもないので、とても安定した物質です。ただ熱には弱く、高温で熱した場合、気化して二酸化炭素になってしまいます。7つまり、火事にまきこまれると、あとかたもなく消えてしまうことがあるのです。
ダイヤモンドの価値は、重さ、品質、色、カットの仕方によって大きく変わります。珍しい青やピンクのダイヤなどはとても価値の
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