a 長文 9.1週 si
「あっ、これ知ってる。」
 テレビのコマーシャルに金子みすずさんの詩が流れました。わたしは、三年生のとき、国語の教科書で知ってから、みすずさんの詩をたくさん読みました。その中の一つが使われていたので、びっくりしたのです。
 わたし好きす な勉強は、国語です。どのくらい好きす かというと、四月に新しい教科書をもらうと、一日で全部読み終えてしまうくらいです。国語の勉強は、新しい漢字をたくさん覚えるおぼ  のも、いろいろな人の作品を読むのも、音読も、作文も、全部楽しくてたまりません。
 国語はまるで勉強ではなく趣味しゅみのような感じです。学校の授業じゅぎょうが毎日、全部国語だったらいいのになあ、とよく考えます。
 去年、母にそれを話したら、
「がんばって勉強をして、国語を専門せんもんに研究できる大学に行くといいかもしれないわね。」
と言ってくれました。
 そのとき、横で新聞を読んでいた父は顔を上げて、
「それまでは国語だけではなく、いろいろな科目の勉強もしっかりやるといいよ。国語以外いがいの勉強が、国語の研究に役立つからね。」
と、わたしの方を向きました。わたしはそれを聞いて、ようし、がんばるぞと思いました。
 一年生のときから仲良しなかよ のはるかちゃんは、国語はあまり好きす ではなく、算数や理科の方が好きす なのだそうです。わたしは、どちらかというと、算数は苦手です。だから、いつもおたがい勉強でわからないところは教え合っています。
 はるかちゃんは、読書があまり好きす でないらしく、わたしがおもしろい本をすすめても、
「ええ。めんどうくさいなあ。これ、字が小さいし。」
などと言って、あまり読んでくれません。わたしぎゃくに、数字がたくさん並んなら でいる算数の問題集を見ると、「わあ、めんどうそう。」と思ってしまいます。
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 そんなはるかちゃんですが、去年、「ちいちゃんのかげおくり」を国語で習ったときは、とても真剣しんけんに何度も読んだそうです。二年生のときの「スイミー」もおもしろかったと言っていました。
 だから、わたしは、将来しょうらい国語の教科書を作る仕事をするようになったら、子供こども興味きょうみを持つ話をもっとのせたいと思っています。
 わたしにとって、国語の勉強は、ご飯 はんにたとえられます。ほかの教科は、スープやおかずやデザートです。国語の勉強をしっかりやると、きっと栄養えいようもたっぷり、おなかもいっぱいになります。そんな気持ちで、わたしは、今日も国語の授業じゅぎょうを聞いています。

(言葉の森長文ちょうぶん作成さくせい委員会 φ)
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