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 駄洒落だじゃれ(ダジャレ)とは、音が同じかそっくりな言葉ことばをならべて遊ぶあそ 言葉ことば遊びあそ です。江戸えど中期ちゅうき雑俳ざっぱい呼ばよ れる短いみじか のひとつと言われています。地口じぐちとも呼ばよ れます。この雑俳ざっぱい詠わうた れる内容ないようは、みんなの知っている言葉ことばや、芝居しばい有名ゆうめいなせりふをもとにした機知きち富んと だおもしろいことがらです。いろいろな言葉ことばをよく知っていて、世の中よ なかのことに精通せいつうし、センスがよいと気の利いき たじょうずなシャレができるのです。ですから、江戸えど時代じだいでは、シャレのうまい人を教養きょうようがあるとみなしたようです。立派りっぱ庶民しょみん文化ぶんかだったわけです。地口じぐちに合った絵を行灯あんどん描いえが て、秋のお祭り まつ 使っつか たという「地口じぐち行灯あんどん」は、最近さいきん復活ふっかつして関東かんとう地方のあちこちで、作られているようです。 
 しかし、正統せいとう俳人はいじん文化ぶんか人と言われる人たちの中には、ばかばかしいおふざけと見る人もあり、シャレに「」がつけられてしまったのです。もともとは「洗練せんれんされている」「洒落しゃれていておもむきがある」という意味いみだったシャレですが、つまらない・粗末そまつな・でたらめといった意味いみ表すあらわ 不名誉ふめいよな「」がつけられてしまいました。 
 さて、ダジャレにはどんなものがあるのでしょう。いろいろな種類しゅるいがありますが、まずはちょっとした語呂合わせごろあ  で作る「同じ読み方の言葉ことば使っつか たもの」。これには、「電話にはでんわ」、「アルミかんの上にあるミカン」などがあります。全くまった 同じ音なのに全然ぜんぜん違うちが ものを表しあらわ ているという意外いがいせいのおもしろさがあります。ダジャレといえば、このようなものを思い浮かべるおも う   人も多いでしょう。少し発展はってんさせると、「とかげとかげ」「つくえにくっつく絵」「たからがあったから」などができます。 
 次につぎ 、「たような音を持つも 言葉ことば使っつか たもの」があります。「とこやはどこや」「めじろのねじろ」「迷子まいご舞妓まいこ」などがそれにあたります。気軽きがるにひょいと口をついて出るような軽いかる ダジャレ
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です。少し無理むりがあると、またそれがおもしろくなることもあります。 
 三つめは、ニつの言葉ことばをくっつけて作ったやや上級じょうきゅうへんです。「布団ふとんがお山の方まで吹っ飛んふ と だ!」「おやまぁ。」ちょっとしたストーリーができあがります。 
 さらに、一つの文にニつの意味いみをもたせるものがあります。「風林火山ない?」と「風鈴ふうりん飾んかざ ない?」、「倒産とうさん辛かっつら  たな」と「父さんカツラ買ったな」、「わたしてください」と「渡しわた といてください」などです。ダジャレのつもりでなく、口にして、「あれ、勘違いかんちが 」ということもあるかもしれません。 
 江戸えど時代じだいには文化ぶんかだったダジャレですが、最近さいきんでは若者わかものたちに親父ギャグなどと呼ばよ れて、肩身かたみのせまいところです。しかし、日本語独特どくとくの音のおもしろさ、言葉ことばから広がるイメージなどを共有きょうゆうすることで、場が和みなご 、楽しい気分になるものです。ダジャレを最ももっと よく言うそうは、小学校高学年の男子と四十だい以上いじょうのサラリーマンだそうです。語彙ごい増えふ て、ユーモアを解するかい  ようになったダジャレ入門しゃの小学生と、忙しいいそが  生活や仕事しごと疲れつか 、つかのまの癒しいや をダジャレに求めるもと  ダジャレ世代せだいのお父さんたちというわけです。 
 欧米おうべい人は冗談じょうだん好きす で、ユーモアとウィット(機知きち)に富んと だ会話を楽しむ、とよく言われます。ユーモアのセンスというのは、言っている本人はもちろん、相手あいても楽しくなり、円滑えんかつな人間関係かんけい結ぶむす 上で大変たいへん重要じゅうようなものです。
 ダジャレの特徴とくちょうは、子供こどもから大人までだれでも気軽きがるに言えることです。「日本じゃだれでも、ダジャレを言える」となったら、ダジャレは日本の伝統でんとう文化ぶんかの一つとして世界せかい誇れるほこ  ものになるかもしれません。

 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいん会(φ)
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